子どもに大きいサイズの靴を履かせていませんか?正しい靴の選び方を紹介します【後編】

サイズの合わない靴は足のトラブルの原因に!足に合った靴を選ぶポイントを理学療法士さんに聞きました
子どもに大きい靴を履かせていませんか?サイズの合わない靴を履き続けると、外反母趾(ぼし)や巻き爪などの足のトラブルを引き起こすことがあります。子どもの頃から正しいサイズの靴を履く習慣をつけることが、足の健康を守る上で大切だと言われています。
正しい靴選びについて、「前編」では中敷きを使ったサイズ確認を紹介しました。「後編」では足の成長のスピードとサイズについて、フットケアに取り組む理学療法士の相原一輝さんに聞きました。
子どもの足の成長は早い!
子どもの靴について、「この間買ったばかりなのに、もうきつくなった」と驚いた経験はありませんか。「個人差はありますが、足のサイズは 2 歳半頃までは半年で 1 センチ、2 歳半以降は半年で 0.5 センチのペースで大きくなる」と相原さんは説明します。
実は相原さんも、3 歳の長男の足の成長に気付かなかったことがあるそう。「『お子さんの靴、小さいんじゃない?』と指摘されて、慌てて中敷きで確認したらきつかった。『フットケアの仕事をしている自分が…』と恥ずかしい限りでした」。自らの経験も踏まえ、定期的なサイズチェックをおすすめしています。

靴は「0.5センチ刻み」で換えましょう
子どもの靴を買う際、相原さんがおすすめするのが「 0.5 センチ刻み」です。13 センチの次は、「すぐに大きくなるから」と 14 センチを選ぶのではなく、13.5 センチを選びます。
0.5 センチ刻みにすると、1 歳から 2 歳半までの間はだいたい 3 カ月ごとに靴を買い換える計算になります。「出費は痛いですが、1 センチ刻みだと大き過ぎる靴を履くことになりますし、長く履くと靴も傷みます。足の健康を考えると、0.5 センチ刻みがいいです」
きょうだいがいる場合は靴のお下がりを履かせたくなりますが、「上の子が履いた靴は、かかとがすり減り、歩き方のくせに合わせて形も変形しているので、避けてほしい」。相原さんも「まだ履けるのに…」と思いながら、1 歳の次男の靴を新調しているそうです。

また、特に幼児期は、大好きなキャラクターがあしらわれたデザインなどお気に入りの靴を履きたがります。「この靴じゃないと嫌!」ときつくなった靴を履き続けたがって、困ることがありますね。
相原さんのおすすめは「キャラクターものの靴を選ばない」「靴選びに子どもを連れて行かない」の二つ。「わが家では『靴はお父さんが買ってくるもの』としています。ある程度大きくなるまでは、子どもの足に合ったシリーズを親が選び、サイズを刻んで購入していくのがいいでしょう」
靴を履く時は「かかと、とんとん」を習慣に!
正しいサイズの靴を選んだら、次は履き方です。「正しく履いて足をしっかりと固定することで動きやすくなり、転倒も予防できます」と相原さん。ポイントは「座って靴を履く」「かかと、とんとん」です。
- 座って靴を履く
- つま先を浮かし、かかとを地面に付けてとんとんして位置を合わせる
- かかとの位置を合わせた状態で、甲のベルトでしっかり固定する


こうすると、「捨て寸」と呼ばれるつま先部分の余裕を残した状態で靴が履けます。靴ひもが結べない時期は、甲のベルトが 2 本のタイプ、1 本の場合は広いタイプを選びましょう。
正しく履く習慣を身につけるためには、親が正しく靴を履く姿を見せることが大事とのこと。「子育て中は特に子ども優先になるので、ひもを緩めておいてつっかけて履いたり、かかとを踏んだりということがあると思います。お父さんとお母さんの足の健康のためにも、『手を使って履く』ということをぜひ実践してください」
足にたくさんの刺激を与え、鍛えましょう
歩いたり、走ったり、跳んだり、物を踏んだりすることで、足はさまざまな感覚をつかんでいきます。家の中でははだしという家庭が多いと思いますが、「たまには外でもはだしで過ごしてみてください」。砂浜や土の上、芝生の上などさまざまな場所を歩いてみることで足が刺激され、鍛えられていくそうです。
靴選びについて紹介してきましたが、相原さんは「草履」もすすめています。スリッパと違い、鼻緒を親指と人さし指でつかんで固定することで、指の筋肉を使うそう。「足のじゃんけんなども指を使うのでおすすめです。小さい頃から足の機能をどんどん使って鍛えて、足の健康を守ってくださいね」

相原さんは「インソール&フットケアあしすと」で足の相談に乗っています。電話相談も受け付けています。カウンセリングは予約制です。
- 住所:高知市越前町 2 丁目 1-1 コーポ桜 1 階
- 電話:080-3921-3661
- 受付時間:月~金曜日 10:00 ~ 18:00
- 定休日:日曜日
この記事の著者
