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HOME子育て特集編集部おすすめ逆上がり、跳び箱、縄跳び…子どもの「運動嫌い」をなくすには?|みやもっち体育・宮本忠男さんが実践を本にまとめました

逆上がり、跳び箱、縄跳び…子どもの「運動嫌い」をなくすには?|みやもっち体育・宮本忠男さんが実践を本にまとめました

逆上がり、跳び箱、縄跳び…子どもの「運動嫌い」をなくすには?|みやもっち体育・宮本忠男さんが実践を本にまとめました

幼稚園、保育園で人気の運動プログラムを紹介する「子どものやってみたい!を育てる みやもっち体育」を出版!おうち遊びのヒントにも活用できます

運動遊びを通して、子どもたちに体の基本的な使い方を教えていく「みやもっち体育」。高知県内の幼稚園や保育園などで大人気のプログラムが本になりました。

タイトルは「子どものやってみたい!を育てる みやもっち体育」。幼児体育講師の宮本忠男さんが 20 年以上にわたる実践をまとめました。

逆上がり、跳び箱、縄跳びなど 12 種類の運動について、習得したい動きや興味の引き出し方など、子どもを「運動嫌い」にさせない指導法を紹介しています。

雨の日のおうち遊びなどにも活用できる一冊です。親子で楽しんでみませんか?

「みやもっち体育」は子ども一人一人の運動経験や思いに合わせた指導法です

宮本さんは 1964 年、土佐清水市生まれ。大学卒業後に体育教師として高知県内の高校で勤務しました。

1997 年に土佐清水市の幼稚園で体育の授業をしたことをきっかけに、当時は珍しかった「幼児体育」の道へと進みました。

高知県内外で幼児体育に取り組んできた宮本忠男さん。高知市の春野高校では、高校生と園児が交流する授業を続けています
高知県内外で幼児体育に取り組んできた宮本忠男さん。高知市の春野高校では、高校生と園児が交流する授業を続けています

運動に対して、好きで得意な子どももいれば、「やりたくない」「やってもできっこない」と苦手意識を感じている子どももいます。

運動経験や運動への思いが異なる一人一人の子どもたちに合わせて編み出していった独自の指導法が「みやもっち体育」。「みやもっち」は子どもたちが名付けた、宮本さんのニックネームです。

鉄棒、マット運動、跳び箱、縄跳び、マスト登り…12種類の運動プログラムを紹介しています

みやもっち体育の特色は、「運動構造を知る」と「その運動に似ている動きを経験できる遊びを取り入れる」。この二つを意識して授業を組み立てると、子どもはその運動に必要な体の使い方を、遊びを通して楽しみながら習得していきます。

今回出版される「子どものやってみたい!を育てる みやもっち体育」では、次の 12 種類の運動プログラムについて、宮本さんの指導法を伝授しています。

【みやもっち体育の運動プログラム】目次より

  • 前回りおり
  • 逆上がり
  • マット運動(前転)
  • 跳び箱あそび
  • 長なわ跳び
  • 短なわ跳び
  • プール
  • マストのぼり
  • 竹馬
  • ボールあそび
  • 投運動
  • みやもっち体育のキッズテニス

「運動構造」が理解できるように、イラストで詳しく説明しています

子どもが運動嫌いになってしまうのはなぜでしょうか。宮本さんは「指導者が、子ども一人一人の『悩みのブラックボックス』を開けないまま、自分のこつを教えてきたから」と指摘します。

運動は、自分が無意識にできるようになると、できない人に「こうやってやるんだよ」と説明するのが難しくなります。例えば「子どもに逆上がりを教えたいけれど、教え方が分からない」といったケースです。

「子どもが逆上がりの何に困っているかが分からないと、『お手本をよく見て』『頑張ったらできる』という根性論の指導になります。子どもは『自分にもできそう』というイメージを持てないのに『やれ』と言われ、やる気をなくしていきます。

運動構造と、取り入れたい遊びについて、イラストや写真で説明しています(「子どものやってみたい!を育てる みやもっち体育」より)
運動構造と、取り入れたい遊びについて、イラストや写真で説明しています(「子どものやってみたい!を育てる みやもっち体育」より)

「この子はなぜ、逆上がりができないのか」を考えるには、逆上がりがどんな仕組みでできているのかを知る、つまり逆上がりの「運動構造」をきちんと理解することが大事だと、宮本さんは語ります。

指導者が運動構造を理解できるように、本ではイラスト付きで詳しく紹介しています。逆上がりでは、次の六つです。

【逆上がりの運動構造】

  1. 足を振り上げる
  2. 足を上に持っていく
  3. 太ももを鉄棒に付ける
  4. 回転
  5. 上体を起こす
  6. 着地

運動構造を理解した上で、子どもが一つ一つ習得できるようにする遊びのプログラムが「おさるのクルリンパ」です。後転やブリッジ、大人が体を支えて逆立ちの状態にする「おさるのおやこ」、長い棒を使って後転する「おさるのくるりん棒」などが含まれ、写真をふんだんに使って紹介しています。

宮本さんによると、逆上がりができるようになるには「逆さになっても怖くない」という経験や、逆さになった時に脇を締める「肩角度減少」の動きなどが必要だそう。本では一つ一つの遊びにどんな意味があるのか、「みやもっちの視点」で詳しく説明しています。

運動嫌いの子どもをなくしたい、つくりたくない

これまでの実践を理論的に説明していくため、宮本さんは 45 歳で高知大学大学院に進み、運動学を学んできました。

今回の出版は「運動嫌いの子どもをなくしたい、つくりたくない」という宮本さんの思いをより広く届けるための挑戦でした。

「普段、目の前の子どもたちに教えていることを文字で表現する、動きを言語化するのに苦労した」と宮本さん。より的確に伝わるようにイラストの手の角度や膝の曲がり具合などにもこだわり、4 年かけて書き上げました。

園児の様子を短時間で判断し、運動が得意な子も苦手な子も同じように楽しめるプログラムを組み立てるのがみやもっち体育。園児にとっては「体育」ではなく、「遊び」「冒険」となります
園児の様子を短時間で判断し、運動が得意な子も苦手な子も同じように楽しめるプログラムを組み立てるのがみやもっち体育。園児にとっては「体育」ではなく、「遊び」「冒険」となります

執筆を通して、これまでに教えてきた子どもたちや、協力してくれた保護者、園の関係者らにあらためて感謝の気持ちを抱きました。

「子どもを笑顔にしようと思って作戦を立ててきたのがみやもっち体育ですが、振り返ってみると、僕がたくさん笑顔にしてもらってたなと。子どもの協力なしにはできなかった本です」

「逆上がりができない」を「運動能力の問題」で片付けないで

体育の授業では、課題の運動ができない場合、「その子どもの運動能力の問題」で片付けられてしまうことが少なくありません。

宮本さんは「教員も保育者も、子どもに指導者として関わる以上、成果を出すのが専門性であり、プロの仕事」と呼び掛けています。

「昔ながらの指導法で、特に苦労もなくできちゃう子もいます。できない子のために、運動の構造を理解して、その運動につながる遊びを用意して…というのは、先生からしたら手間ですが、どの子も『みんなと同じように逆上がりがしたい』と思っています。一人一人に合った運動のこつを伝えるヒントを、この本から得てほしいです」

運動を「できた」「できない」で判断するのではなく、「思い通りに体を動かせた」「みんなと一緒にできた」という価値を持たせていきたいと考えています
運動を「できた」「できない」で判断するのではなく、「思い通りに体を動かせた」「みんなと一緒にできた」という価値を持たせていきたいと考えています

子育て中のお父さん、お母さんに向けては「子どもの『見て見て!』『すごいでしょ!』に共感してあげてほしいですね」。

「幼い頃に『自分の体が思い通りに動かせた』という喜びを親や友達と共有することは、後のコミュニケーション能力につながるのではないかと考えています。親としては『めんどくさいな』と思うかもしれませんが、子どもが好きなものを見付けていく基礎となるのが幼児期。『いいね』『できたね』と、ぜひ応援してあげてください」

 

「子どものやってみたい!を育てる みやもっち体育」は 2023 年 1 月 18 日から、高知県内の金高堂書店などに並ぶ予定です。

子どものやってみたい!を育てる みやもっち体育

 

ココハレでは宮本さんへのインタビューを紹介しています。

【ココハレインタビュー】幼児体育講師・宮本忠男さん|子どもたちに大人気「みやもっち体育」とは?

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

小1と年少児の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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