保育園に遊びに行ってもいいの?園児でなくても子育て相談できる?|保育園を地域の子育て応援拠点に!多機能型保育支援事業「らいーな」の交流会で考えました
高知県内の保育施設が「地域の子育て応援拠点」を目指して取り組んでいる多機能型保育支援事業「らいーな」。2024年度は高知市、室戸市、香美市、四万十市で計 19 施設が参加しています。
活動に携わる保育士さんらが集まり、日頃の活動や思いを話し合う「らいーな交流会」が高知市内で開かれました。
保育園というと、「わが子が通っていない園にはなかなか行きづらい」「園庭開放の時しか行ってはいけない」というイメージも。実際はどうなのでしょうか。ココハレ編集部が取材しました。
目次
【らいーなとは】高知県が進める「多機能型保育支援事業」です
「らいーな」は高知県が進める「多機能型保育支援事業」の愛称です。子育て家庭を地域で見守り、支え合おうと、2016 年度に始まりました。
具体的な活動は次の三つです。
- 子育て支援の場の提供
- 未就園児や地域住民にも参加してもらう園行事の実施
- 地域活動への参加
2024 年度は高知市、室戸市、香美市、四万十市の 19 施設が参加しています。
高知市
- Azonoにこにこ駅(高知市薊野北町 4 丁目 7-24 )
- うらど龍馬保育園(高知市浦戸 528-1 )
- 潮江第二双葉園(高知市仲田町 1-13 )
- 江ノ口保育園(高知市中水道 9-24 )
- 介良西部保育園(高知市介良丙 789-1 )
- 高知愛児園(高知市竹島町 28-2 )
- 高知聖園マリア園(高知市新本町 1 丁目 7-25 )
- さくらんぼ園(高知市帯屋町 2 丁目 2-9、帯屋町チェントロビル 2 階)
- 針木保育園(高知市針木北 2 丁目 2-13 )
- ふくし園(高知市百石町 3 丁目 7-7 )
- 城南保育園(高知市竹島町 158-1 )
- おさなごの園(高知市長浜 4854 )
※補助金を受けていない施設も含まれています
室戸市
- 元保育所(室戸市元甲 1680-2 )
香美市
- ひまわり保育園(香美市土佐山田町 842 )
四万十市
- 下田保育所(四万十市下田 2260-1 )
- 竹島保育所(四万十市竹島 3318 )
- 大用保育所(四万十市大用 860-6 )
- 東中筋保育所(四万十市楠島 945-6 )
- 中筋保育所(四万十市有岡 2210 )
各施設で毎月、園庭開放や子育てサロンなどが開かれています。水遊びや運動会、クリスマス会などの季節の行事に参加できる園もあります。
事業を委託されているNPO高知市民会議では、お互いの活動を知り、顔の見える関係を築いていこうと、「らいーな交流会」を定期的に開いています。
今回は 2024 年 9 月 4 日、こうち男女共同参画センター「ソーレ」(高知市旭町 3 丁目)で開かれ、約 60 人が参加しました。
【具体的な活動は?】七夕まつり、ハロウィンさんぽ…行事をきっかけに保護者のつながり、地域交流が生まれています
交流会では 2 園が事例発表を行いました。
室戸市の元保育所は 2018 年に「らいーな」に参加しました。未就園の親子向けに「みんなおいでよ」「すくすくスマイル」「ひだまりサロン」が毎月開かれ、遊びやおしゃべりを楽しんでいます。
活動の振り返りでは、「七夕まつり」や「ちびっこ夏まつり」などを紹介。参加した保護者からは「保育所の様子が見られてよかった」「園児の様子を見て、自分の子もこんなふうに成長するんだと感じた」との感想が寄せられたそうです。
室戸市内でも核家族化が進み、「子育てが不安でしんどい」「周囲に頼れる人や知り合いがいない」というお母さんたちがいます。
園の先生は「親子でほっとできる場所、気軽に相談できる場所にと活動しています。保護者がつながっていくことにやりがいを感じています」。「らいーな」の活動をきっかけに、入所希望者も増えているそうです。
四万十市の下田保育所は、オンラインで参加しました。2020 年から「らいーな」に加わり、園庭・園開放を毎月 3 回行っています。
園児は 2~5 歳児が 11 人。園舎も園庭も広いため、「コロナ禍でも距離を取って、いろいろな行事ができた」そうです。
2022 年には「ハロウィンさんぽ」を企画。「下田のじぃじ、ばぁば会いに行きます」と町内放送で呼びかけたところ、地域住民からたくさんお菓子をもらったそう。お礼に敬老会に招待するなど、交流のきっかけとなりました。
園の先生は「少子化が課題ですが、地域に根差した保育所として住民の皆さんに関わってもらうことで、みんなで支えられる地域にしていきたい」と話していました。
【子育て応援拠点とは?】イベントの日以外にも見学や子育て相談に対応しています
続いて、パネルディスカッションが行われ、「らいーな」を運営する園長先生や、利用しているお母さんらが語り合いました。
パネルディスカッションでも「育児不安の強いお母さんが増えた」という話題になりました。
「『大丈夫だよ』と言ってくれる人がいないし、言ってくれたとしても適切な言葉じゃないことがある」
「『ちゃんと子育てできてる?』『子どもの育てちはこれでいい?』と一生懸命になり過ぎている気持ちを緩めたい」
発言の一つ一つに、会場の参加者がうなずいていました。
「らいーな」では、子育てサロンや季節の行事などの楽しいイベントが目立った活動になっていますが、実はイベントの日以外にも、見学や子育て相談を受け付けている園があります。電話相談も受け付けています。
「保育園には関係者じゃないと行きづらい」
「園児の家族でなければ遊びに行ってはいけないと思っていた」
未就園のお母さんからそう打ち明けられるそうですが、「そんなことは全くない」とのこと。イベントをきっかけに、「親子で行って楽しかったな」「またあの先生と話してみたいな」という園をぜひ見つけてくださいね。
「らいーな」のイベントをココハレで毎月紹介しています。