土佐清水市で「漁師が作る漁師飯」「農家が作る農家飯」を提供したい!|ランチもできる人気鮮魚店「鮮魚一八」の新たな挑戦
土佐清水市に「ランチもできる鮮魚店」があるのをご存じですか?
元カツオ漁師の山下敬二さんが営む「鮮魚一八(いっぱち)」。「本物のカツオの味をたくさんの人に知ってもらいたい」と 6 年前に開業し、全国から観光客が訪れる人気スポットとなっています。
山下さんは現在、お店の販売、飲食スペースを拡充しようと挑戦中。「漁師が作る漁師飯」や「農家が作る農家飯」をメニューに加えるなど、「生産者と消費者が直接つながる機会を増やして、生産者を元気にしたい」と考えています。
地域の生産者と消費者をつなぐ拠点に 土佐清水市の鮮魚店「鮮魚一八」 “漁師飯”“農家飯”提供へ店舗改修―EINEE高知
(高知新聞PLUS 2024 年 9 月 10 日掲載)
「生産者と消費者が直接つながる機会を増やしたい」と挑戦する元カツオ漁師の男性がいます。土佐清水市養老で鮮魚店「鮮魚一八(いっぱち)」を営む山下敬二さん。店内の販売、飲食スペースを拡充し、「漁師が作る漁師飯」や「農家が作る農家飯」を提供しようと、クラウドファンディングで支援を呼びかけています。
「本物のわら焼き」にこだわり
土佐清水市の市街地から国道 321 号を西に 5 分ほど。黒い外観にのぼりがはためく店舗が「鮮魚一八」です。店主の山下さんが「本物のカツオの味をたくさんの人に知ってもらいたい」と、6 年前に開業しました。
こだわりは「本物のわら焼き」。米農家から提供されたわらを焼いた火力だけで焼いたタタキを販売しています。通信販売では冷凍ではなく、生のカツオをその日にわら焼きして届ける独自の方法で販路を拡大しました。
さらに 2 年前からはランチ営業も開始。「土佐清水には午後 2 時以降に食事ができる店が少ない」と聞いたのがきっかけで、今では全国から観光客が訪れる人気スポットとなっています。
「生産者の立場の弱さ」を痛感
山下さんがカツオの味に魅了されたのは、中学生の時。17 歳でカツオの一本釣り漁船に乗り、カツオ漁師となりました。
漁の現場は厳しく、過酷な環境。それでも、経験とともに上がっていく腕前や、大漁の時の満足感など、充実の日々を過ごしていましたが、腰を痛め、27 歳で船を降りました。
漁師を引退した後は、梱包(こんぽう)材などを市場に卸す会社に勤務。海とつながりながら働きました。その後、仲買人になり、「漁師が釣ってきた魚の値段の安さに驚きました」。
「安くたたかれる魚もあれば、味はいいのに一般に知られてないため値が付かない魚もある。どの魚も市場に着くまで同じ労力がかかるのに、やっぱりちょっと無情ですよね」
漁師時代からうすうす感じていた「生産者の立場の弱さ」。さらに、仲買人の仕事を通して感じた「買い手側の都合で値段が決まっていく」という流れが漁業だけでなく農業にもあると知り、「生産者の立場をもっと向上させたい」と考えるようになりました。
「生産者が主役になれる拠点」をつくりたい
漁師、仲買人、鮮魚店の経営と、それぞれの立場を経験してきた山下さん。生産者の立場を向上させるために目指すのが「生産者が主役になれる拠点づくり」です。
「漁業も農業も、土佐清水の食材は一級品。それを生産者の利益にちゃんとつながる価格と方法で販売する場があってこそ、みんなの未来につながると思う」
「生産者が主役になれる拠点」として、具体的には「漁師が作る漁師飯」「農家が作る農家飯」など、生産者が調理して提供できる場と、海産物や農作物を直接販売できる場を想定。しかし、実現するには「今の店舗の能力では足りない」と感じています。
現在の店舗はカラオケボックスを改装しており、拡充は可能とのこと。飲食スペースを現在の 18 席から 50 席に増やし、生産者が使える新しい調理場や陳列場所を造る計画です。
店舗拡充に向け、今回クラウドファンディングに挑戦する理由を尋ねると、山下さんは「生産者の現状をより多くの人に知ってほしいから」と力を込めました。
「生産者と消費者が直接つながる機会が増えれば、生産者はもっと元気になれる。自分一人の思いだけでなく、多くの人と一緒に挑戦していきたい」(森本裕文)
クラウドファンディングの目標額は 400 万円で、10 月末まで。支援は店舗の改修費用に活用されます。詳しくはこちらから
「鮮魚一八」のインスタグラムはこちら
「EINEE高知」は高知県内の地域振興の取り組みを支援するクラウドファンディングです。四国銀行、READYFOR、高知新聞社の 3 社が運営しています。
こちらのプロジェクトでも支援を呼びかけています。
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