「赤ちゃん会」の新たな試み…高知で生まれる全ての子どもたちを支えたい!|県内の病院、子育て支援団体を応援する物品を寄贈しました
「第 92 回赤ちゃん会」が 2026 年 4 月 12 日に高知会場、26 日に幡多会場で開かれます。
高知の子どもたちのすこやかな成長をお祝いしてきた「赤ちゃん会」に今年から、新たな試みが加わりました。高知で生まれる全ての子どもたちを支える「社会貢献事業」として、県内の病院や子育て支援団体に必要な物品が贈られます。
今年は高知医療センター、高知大学医学部附属病院、児童家庭支援センター「高知みその」が対象となり、4 月 10 日に寄贈セレモニーが行われました。
高知の子育てを応援する皆さんが集まった会場の様子を紹介します。
目次
【赤ちゃん会・社会貢献事業とは】子ども、子育て支援に携わる施設・団体に寄贈します
赤ちゃん会は 1929 年に「赤ちゃん審査会」として始まりました。当初は赤ちゃんの体格を競うコンクール色の強いものでしたが、時代に合わせて月齢に応じた発育や体のバランスを見るようになりました。
1989 年に「赤ちゃん会」に名前が変わり、次代の宝である赤ちゃんたちの成長をお祝いしてきました。
コロナ禍での中断を挟み、2026 年の赤ちゃん会で 92 回目となります。
赤ちゃん会は高知の赤ちゃんたちの成長を祝うイベントとして定着していますが、さまざまな事情で会場に来られない赤ちゃんもいます。
そこで、今年スタートしたのが「社会貢献事業」です。
「高知で生まれる全ての子どもたちの健康と幸せな成長を支えよう」をコンセプトに、医療や福祉など、子どもや子育て支援に携わる施設や団体に必要な物品を寄贈していくことになりました。
物品を購入する費用は、赤ちゃん会を主催する高知新聞社、RKC高知放送が拠出。さらに、赤ちゃん会の趣旨に賛同した協賛企業による協賛金の一部も活用します。2026 年は次の 12 社が協賛しました。
第92回赤ちゃん会・協賛企業
- アイ工務店
- アビリティーセンター
- 建匠
- こうち生活協同組合
- 積水ハウス高知支店
- ふくのたね保育園
- 四国家電
- ネッツトヨタ高知
- ネッツトヨタ南国
- 川渕牧場
- 公文教育研究会
- 濱田電工
ミルク、肌着、絵本…赤ちゃんや家族のケアで必要な物品を届けます
今年の社会貢献事業では、次の 3 施設・団体に物品を寄贈します。
寄贈額はそれぞれ 20 万円で、赤ちゃんやご家族のケアでいま必要としている物品を選んでもらいました。
高知医療センター
高知県内で唯一となる総合周産期母子医療センターを運営。妊娠 22 週から出生後 7 日未満までの「周産期」に突発的、緊急的に発生する母体・胎児や新生児の生命にかかわる事態に対し、お母さんと赤ちゃんの命を守る医療を提供しています。
今回は家族の面会時に活用するパーテーションなどが寄贈されます。
高知大学医学部附属病院
周産母子センターを運営。重症妊娠高血圧症や、さまざまな疾患との合併妊娠の管理を行う産婦人科と連携を取り、早産や低出生体重で生まれた赤ちゃんや、さまざまな問題を抱えた赤ちゃんの命を守る医療を提供しています。
今回は家族の面会時に活用するパーテーションなどが寄贈されます。
児童家庭支援センター高知みその
経済的困窮や病気、障害など、困難を抱える子育て家庭を数多く訪問し、物心両面におけるサポートを提供しています。思いがけない妊娠や困難に直面している女性を支える「にんしんSOS高知みそのらんぷ」も運営しています。
今回は子育てに課題を抱える家庭への支援物資として、ミルクや乳幼児用肌着、絵本などが寄贈されます。
「子どもたちが希望を持って成長できる社会」に向けて取り組みます
寄贈セレモニーは 4 月 10 日、高知市本町 4 丁目の高知新聞社で行われました。
主催者を代表して、高知新聞社の中平雅彦社長があいさつ。赤ちゃん会の歴史を振り返りながら、「医師、歯科医師、看護師、助産師、保健師、栄養士、歯科衛生士をはじめ、医療福祉を学ぶ学生さんたち、多くの関係者のご協力があり、続けてこられました」と感謝しました。
その上で、「さまざまな理由で赤ちゃん会に参加できないご家庭もある」と語り、社会貢献事業の意義を説明。「100 回目を見据えて、郷土の宝、人類の宝である子どもたちが希望を持って成長できる社会であることを願い、皆さんのお力をお借りしながら進めていきたい」と決意を述べました。
来賓のあいさつでは、ココハレでもおなじみの小児科医・吉川清志さんが登場しました。
吉川さんは 1989 年から赤ちゃん会に携わっています。県内の小児科医を代表し、運営の在り方を考える会にも参加しています。
吉川さんは進化論を唱えたダーウィンについて触れ、「唯一生き残るのは変化に最もよく適応した者。赤ちゃん会も時代の変化に適応しながら変わってきたから、今日があります」と語り、「高知県民の心に刻まれる赤ちゃん会を継続していきましょう」と呼びかけました。
来賓あいさつでは、高知県子ども・福祉政策部長の近藤由佳さんも登場しました。子ども・福祉政策部は、病気などのハンディを乗り越えて育児に取り組んでいる保護者の努力をたたえる「子育て応援賞」を赤ちゃん会で選奨しています。
近藤さんは県の子育て支援策などを紹介。「赤ちゃん会の取り組みとも連携しながら、高知県の未来を担う赤ちゃんたちが夢と希望を持ってすこやかに成長できる環境づくりを進めていきたい」と語りました。
「赤ちゃんを安心して産み、育てられる高知」を目指します
セレモニーでは高知医療センター、高知大学医学部附属病院、児童家庭支援センター高知みそのの代表者に、中平社長から目録が手渡されました。
目録の贈呈の後、代表者の皆さんがあいさつしました。
高知医療センター病院長・林和俊さん
このたびは温かい心のこもった品々をお贈りいただき、ありがとうございました。
私は産婦人科医です。取り上げた赤ちゃんたちが少しずつ大きくなって、家族に囲まれて、笑顔で育っていく。これが周産期医療に関わる私たちの喜びであり、願いです。
出生数が過去最低となる中、高知医療センターでは昨年、 900 人を超える赤ちゃんが生まれました。そのうちの 1 割の赤ちゃんがNICU(新生児集中治療室)に入院します。入院期間は平均で 2 週間ですが、早産の赤ちゃんは数カ月入院することがあります。
当院はご家族をケアの中心に置くポリシーを持ち、面会時には赤ちゃんを囲んで笑顔でいられる環境づくりに取り組んでいます。今回頂いた品々はその環境をよりよいものにするために使わせていただきます。
高知県で安心して産んで育てられる環境をつくる責務をこれからも尽くしていきたいと思います。
高知大学医学部小児思春期医学講座教授・池田真理子さん
私は高知医科大学を卒業し、関西や愛知で働いてきました。赤ちゃん会のような取り組みをほかでは聞いたことがなく、世界に誇れる文化だと思います。今年初めて参加できることにわくわくしています。
今年は残念ながら、小児科に入局する若い先生がいませんでした。「忙しそう」「子どもには手間がかかる」などいろいろ理由がありますが、医学部生には小児科希望が多いんです。子どもに興味を持っている学生はたくさんいますが、子どもと触れ合う機会が減っています。
学生たちは小児科の実習で、目をキラキラと輝かせます。今年の赤ちゃん会では学生たちが「赤ちゃんサポーター」として活動します。子どもに興味を持つ学生がどんどん増えると、高知の小児医療ももっと発展するのではと感じています。
高知の子育てを応援してくださる企業の皆さまがいらっしゃることに、身の引き締まる思いです。高知の小児医療に頑張って取り組んでいきます。
児童家庭支援センター高知みそのセンター長・武樋保恵さん
私は子どもが 4 人いまして、赤ちゃん会には 4 回参加しました。子育て家庭にとって楽しみで、なくてはならないイベントだと思います。
子育てをしていると、さまざまな悩みを抱えたり、葛藤を抱いたり、困難に陥ったりすることは誰にでも起こります。
私たちは子育て家庭のそばに寄り添い、一緒に悩み、考えながら、子どもたちが自分らしく育っていけるよう、保護者を支援したいと思って活動しています。
残念ながら、日本では不適切な養育や虐待を受け、傷つきながら育っている子どもは決して少なくありません。今回ご寄付いただいたミルクや絵本は、それぞれの家庭に大切に届けます。
厳しい状況にある子どもたち、さまざまな難しさを抱えながらも一生懸命子育てをしているご家族を皆さまが温かく応援してくださっているということを心に刻み、ご家族と一緒に子どもの育ちを支えていきたいと思います。
目録の贈呈後は、高知県子育て支援課の課長・宅間裕修さんが基調講演を行いました。「『こどもまんなか社会』の実現を目指して」と題し、県内の妊娠、出産、子育ての現状や課題、県の施策を紹介しました。
セレモニーには医療、福祉、行政、民間企業と立場の異なる皆さんが集まり、「高知の子どもたちのすこやかな成長と幸せを願う」という共通の思いをあらためて確認する場となりました。
今年の「第 92 回赤ちゃん会」は 4 月 12 日に高知会場、26 日に幡多会場で開催されます。
社会貢献事業は、赤ちゃん会の第 100 回開催を目指し、来年以降も続けていきます。
この記事の著者