子どもと英語を楽しみたい!英語が苦手な親が家庭でできることは?|「ママのためのおうち英語部」に行ってみた
「おうち英語」は「小さいうちから」「お互いが乗り気の時に」。自然に英語に親しむポイントを紹介します!
2020 年度から小学校の教科となった英語。英語遊びを取り入れている幼稚園や保育園もあり、保護者としても気になるところ。「英会話教室に通わせている」というご家庭もあると思います。
「本格的に習わせるまでは考えていないけれど、英語に興味は持ってほしい。でも、私は英語が苦手…」というココハレ編集部・門田が高知市内で開かれたお母さん向けの英語講座「ママのためのおうち英語部」を体験してきました。
親子で英語を楽しむ「おうち英語」のポイントは「小さいうちから始める」「お互いが乗り気の時に行う」だそう。詳しくご紹介します。
英語といえば「読む・書く」でしたが、今は小学3年生から「聞く・話す」だそう
小学校では現在、3、4 年生で「外国語活動」を行い、5、6 年生で教科として英語を勉強しています。外国語活動では「聞く・話す」が中心。英語では「読む・書く」も学び、成績として評価されています。
英語といえば、鏡で口の動きを見ながら「L」「R」や「th」を発音することに恥ずかしさを感じ、「聞く・話す」を早々に諦め、受験用の「読む・書く」のみを重視してきた 40 代の私からすると、隔世の感…。保育園時代に英語遊びを経験した長女(小学 1 年生)が「バナナ」を発音記号通りに「バナーナ」と発音するのを見ると、「やっぱり小さいうちから必要…?」と迷います。
そんな折、知ったのが「ママのためのおうち英語部」。「子どもに話しかける時に使える日常英会話や英語の手遊び歌を行う」「英語が苦手でも大丈夫」と聞き、早速参加しました。
「Row Row Row Your Boat」覚えてますか?
「ママのためのおうち英語部」は、岡林華さんが運営する英会話教室「Smile English」の主催。岡林さんは子ども向け英会話教室の講師を務めた経験を持ち、家庭では小学 2 年生と年少児の姉妹のお母さんです。
私が参加したのは 2022 年 6 月 6 日に高知市の「高知 蔦屋書店」で開かれた講座。他に 3 人のお母さんがいて、「英語をしゃべる機会がないので興味があった」「わが子に伝えられるように英語のボキャブラリーを増やしたい」と話していました。
参加前に「本当にびっくりするぐらい、英語が話せない」と打ち明けていた私ですが、「ママのためのおうち英語部」では「間違ってもOK」。岡林さんが手書きのパネルを示しながら、かなりゆっくりしゃべってくれるので、安心して参加できました。
まずは歌から。「Row Row Row Your Boat」を覚えていますか?「row」の発音をおさらいし、みんなで歌いました。
手遊びは英語で「Finger play」。この日は体の部位を指さしながら歌っていく「One Little Finger」でした。「鼻=nose」「足=foot」…「そうそう、そうだった」と、少しずつ英語の記憶がよみがえってきました。
自己紹介、共通点探し…英語で話す緊張と、楽しさと
「Self introduction(自己紹介)」では、それぞれが自分自身と子どもについて説明してみました。私の場合だと、こんな感じ。
- My name is Tomomi Kadota.
- This is ○○(子どもの名前). She is six years old.
- I like sleeping.
- She likes piano.
自己紹介が終わると、「Find our common」。2 人 1 組になってお互いの共通点を見つけました。「I like coffee. Do you like coffee?」というふうに、自分の好きな物を相手が好きかどうか、一つずつ尋ねていきます。
どれも簡単な英語ですが、実際に話すとなると、久しぶり過ぎて戸惑い、緊張します。ですが、完全に忘れているかというとそうではなく、単語や文章を聞くたびに、「あー、習った習った!」と思い出しました。6 年間の積み重ねがちゃんと残っているんだなと実感しました。
加えて、話しているうちに恥ずかしさが消え、何だか楽しくなってくるのは新しい発見でした。この楽しさを中学生の頃に知りたかったなぁ…としみじみ。
参加したお母さんたちも「英語に触れる頻度を増やして、子どもと楽しめるようになりたい」と笑顔で話していました。
毎日の生活で使える英語はこちら
終了後、岡林さんに話を聞きました。「ママのためのおうち英語部」を始めたのは 2021 年。自身の子育ての経験から、「お母さん同士の交流」に「英語」をプラスし、親子で楽しめて将来にも役立つ場をつくっていこうと企画しました。
「おうち英語」を始める前に確認しておきたいのが、英語を始める目的です。
「『本格的に英語を学ばせたい』というのであれば、長時間、英語のみで過ごすことのできる幼稚園や英会話教室に通うのがいいと思います。そうでないならば、英語を聞くことと、日常的に英語に触れていくことをしていけば十分です」と岡林さんは語ります。
「聞く」という点では、「今はDVDやYouTubeがあるから便利ですね」。例えば、子どもが好きな映画を英語で見せると、何回も繰り返して見て覚えるそう。「文法を教えるとかはしなくていいです。子どもはその場面をそのまま英語で覚えるので、同じような場面で使えるようになっていきます」
「日常的に英語に触れる」では、親の出番。子どもに話しかける時に英語を少し取り入れると、子どもが自然と親しんでいけるそうです。
毎日の生活で使える英語を教えてもらいました。
- Let’s change your diaper!:「おむつを替えようね」。おむつは「diaper(ダイパー)」。「socks(靴下)」「T-shirt(Tシャツ)」など応用できます
- Let’s get dressed!:「着替えようね」。「Let’s」を外すと、「着替えなさい!」
- It’s time to go to bed.:「寝る時間だよ」
- Tidy up!(Clean up!):「片付けて」
- Turn on the light.:「電気をつけて」。「電気を消して」は「Turn off the light.」
- Good job!:「いいね!」など褒める時に使いやすいです
岡林さんは「電気つけようねー。Turn on the light.」と話しかけながら電気を付けるといったように、動作も加えて取り入れてきたそうです。「『子どもに英語を教えなきゃ』とわざわざ勉強しなくても、ペンを持って『It’s a penやね』からで大丈夫」。大事なことは「英語への興味付け」と「英語は楽しいものだと思ってもらうこと」だそうです。
注意点は、決して強制しないこと。「わが家でも私が英語で話しかけて、娘に『今は日本語で話して』と言われることがあります。お互いに乗り気の時にやってみるのが一番です」
小学校での英語教育の必修化については「早いうちから学んだ方が身に付きやすい」「英語より先に日本語をしっかりと学ぶべき」などと賛否がありました。今回、「ママのためのおうち英語部」を体験してみて、英語の楽しさを先に知っておくと、授業が始まってからも積極的に学べるのではと感じました。
家庭で英語を話す……ちょっとハードルが高いですが、歌からなら自然と入れそうです。おうち時間の楽しみの一つに、いかがですか?