ミニチュア?本物?日常の遊び心を楽しもう!|高知県立美術館「Mozu ARTWORK―ちいさなひみつのせかい―」に行ってみた
Mozuさんの展覧会が四国初開催!精巧なミニチュア、トリックラクガキ、コマ撮りアニメを紹介します
リアリティーあふれるミニチュア作りで話題のクリエーター・Mozu(モズ)さんの展覧会「Mozu ARTWORK―ちいさなひみつのせかい―」が 2023 年 4 月 7 日(金)~ 5 月 21 日(日)、高知市高須の高知県立美術館で開かれます。四国で初めての開催です。
精巧なミニチュア、トリックラクガキ、コマ撮りアニメなど、親子で楽しめる作品が展示されると聞き、ココハレ編集部が 4 月 6 日に会場を取材。Mozuさんにお話を聞きました。
「子どもの頃からものづくりに没頭してきた」というMozuさん。会場の様子とMozuさんからのメッセージをご紹介します。
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「自分の部屋」がTwitterで大バズり!Mozuさんとは?
Mozuさんこと水越清貴さんは 1998 年生まれの 24 歳。コマ撮りアニメ、ミニチュア、トリックラクガキの 3 分野で活躍しています。
小学生の頃から絵を描いたり、工作をしたりするのが好きで、ものづくりに没頭してきました。
世に知られるようになったのは高校 2 年生の時。自分の部屋を再現したミニチュアがTwitterで拡散され、大バズりしました。
21 歳で、同い年のデザイナーと起業。スターバックス、クレヨンしんちゃん、かいけつゾロリなど、大手企業や人気コンテンツとのコラボも手掛け、多方面で活躍しています。
今回の展覧会では大バズりした「自分の部屋」も展示されています。会場の様子をご紹介します。
会場は県民ギャラリー。写真、動画の撮影OKです!
会場の県民ギャラリーに足を踏み入れると、「こびと」のシリーズでおなじみのコンセントが!でっかくなってる!
作品は、ミニチュア、一筆書き、こびとシリーズ、トリックラクガキ、コマ撮りアニメの上映と進みます。
大バズりした「自分の部屋」がこちら。部屋の隅の段ボール、机に掛けられたユニクロの袋、壁の張り紙やカレンダー…リアル過ぎます!
ミニチュア作品でその精巧さに圧倒されたココハレ編集部員がさらに驚いたのが一筆書き。最初から最後まで、一本の線で描かれているそうで…信じられない!!
「描いてみたい!」というお子さんもいそうです。
さらに小さい「こびと」シリーズ。リアルなミニチュアをじっくり鑑賞してください
会場を進み、「こびと」のシリーズへ。スイッチやコンセントの横に、こびとの世界が現れます。
作品にコンセントやスイッチを取り入れた理由は「作品がリアル過ぎて、写真ではミニチュアだと気付いてもらえないから」。
コンセントやスイッチと一緒に撮影する中で、「小さくなって大冒険する」という幼少期の空想が加わり、「こびと」のシリーズが誕生しました。
どう見ても立体!トリックラクガキは角度を変えて楽しもう!
トリックラクガキは、平面に描かれているのに立体に見えるトリックアートです。
「立体にしか見えない!なぜー?!」と、リアルな三角定規に思わず声が出たココハレ編集部員でした。
作品には、撮影位置を示す赤い矢印が付けられています。いろんな角度から見て、トリックラクガキの妙を楽しんでくださいね。
会場ではコマ撮りアニメの作品が上映されています。Mozuさんの創作ノートや絵コンテ、「クレヨンしんちゃん」とのコラボ作品も展示されています。このエリアは撮影NGですのでご注意ください。
両親が褒めてくれることが、自信につながりました
子どもの頃から、ものづくりに没頭してきたMozuさん。両親はそれぞれの方法で、Mozuさんを応援してきました。
――ものづくりを始めたのはいつからですか?
Mozu:覚えてないくらい前ですね。両親がものづくりが好きで、父と絵を描いたり、母と工作をしたり。一人っ子だったので、両親が仕事で忙しい間は一人で黙々と作って。自分で自分を楽しませてきました。
――大好きなものづくりを仕事にされたきっかけは?
Mozu:ミニチュアを作るのが自分の中では当たり前だったので、僕も両親もこれが特にすごいことだとも思ってなくて。自分の部屋のミニチュアを友達がTwitterに投稿してくれて、「すごい!」「天才だ!」と言ってもらって、「自分の当たり前が、誰かにとってはすごいことなのかも」と初めて思いました。バズって、企業からいろんな依頼が来て、今につながっています。
――自分の才能に、ご自身では気付いていなかったんですね。
Mozu:そうなんです、当たり前過ぎて(笑)。でも、「人に見せよう」と思ったのは、幼い頃から両親が褒め続けてくれたからです。ちょっとした絵を描いたら、父が「すごい!天才だ!」と言って、自分も「僕ってすごいんだ!」と。父が僕を信じて何でもやらせてくれたのはうれしかったです。
――お父さん、ステキですね。でも、子どもが勉強ではない何かに没頭すると、親としては心配な面もあり…。
Mozu:僕は宿題もせずに作ってばっかりだったので、勉強が全然駄目で。母はとても心配して、勉強のサポートをしてくれました。当時はすごく嫌だったんですけど(笑)。
――「あれもこれも作りたいのに!」って。
Mozu:「何で勉強しなくちゃいけないんだ!」と(笑)。でも、美術系の高校に行くためには勉強が必要で、母のサポートをありがたく感じました。ものづくりを仕事にした当初は締め切りを全然守れなくて、「あーそうか、中間、期末テストは計画性を身に付けるためのものなのか」とも気付きました。
――確かに、社会人には計画性が必要です。
Mozu:よく勘違いされるんですけど、好きなことで生きていくのに、勉強が必要ないわけじゃない。子どもたちには「学力は好きな道へ進むためのチケットなんだよ」と伝えたいです。
子どもの「好き」を全力で応援してあげてください!
――Mozuさんの展覧会を、親子でどう楽しんでもらいたいですか?
Mozu:ミニチュアの良さを、生でじっくり味わってほしいです!
――なるほど。撮影OKなので、いろんな構図を試して本物っぽく撮りたくなりますが…。
Mozu:写真は僕のTwitter(@rokubunnnoichi)に完璧な構図でアップしてますので、ほどほどで(笑)!僕の作品の題材は日常的なもので、子どもたちにとっても見たことのあるものばかりです。作品を見ながらお子さんといろんな話をして、「ありふれた日常でも、見方を変えたらこんなに面白いものが見つけられるんだ」と気付いていただけたらと思います。
――「Mozuさんみたいにミニチュアを作ってみたい!」「一筆書きにチャレンジしてみたい!」というお子さんもいそうです。
Mozu:これからは簡単な仕事はAIが担っていく時代になるので、何か秀でたものを持っていると、とても生きやすくなると思います。「好き」が自分にとって一番力になるし、人の心も動かします。ものづくり、勉強、スポーツ、音楽、何でもいいので、お子さんに好きなことがあれば、徹底的にバックアップし、全力で応援してあげてください。
「Mozu ARTWORK―ちいさなひみつのせかい―」は高知県立美術館・県民ギャラリーで 5 月 21 日(日)まで開かれています。
- 開催期間:2023 年 4 月 7 日(金)~5 月 21 日(日)
- 場所:高知県立美術館・県民ギャラリー(高知県高知市高須 353-2)
- 時間:9:00 ~17:00(最終入場は 16:30 まで)会期中無休
- 入場料:一般 1000 円(前売り 800 円)、小学生~高校生 600 円、未就学児は無料 ※小学生~高校生は当日券のみ。前売り券は、県立美術館ミュージアムショップ、県立県民文化ホール、ローソンチケットなどで販売しています
- 駐車場:あり