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【つむサポ講座・参加団体】Smile Support Kochi(スマイル・サポートこうち)|病気、障害のある子どもを育てる家族をつなげたい

【つむサポ講座・参加団体】Smile Support Kochi(スマイル・サポートこうち)|病気、障害のある子どもを育てる家族をつなげたい

高知の新しい子育て支援「みんなでつむサポ」。講座を企画している皆さんを紹介します

妊娠期からの切れ目ない子育て支援を目指す高知県の施策「高知県版ネウボラ」に 2021 年度、「みんなでつむサポ」という新しい取り組みが加わりました。高知県内で子育て講座を企画する団体をつなぐことで、気軽に子育て相談や交流ができる場を地域に増やしていこうと、8 団体・個人が活動しています。

この記事では「Smile Support Kochi(スマイル・サポートこうち)」の活動を紹介します。病気や障害のある子どもを育てる家族のサークルです。コロナ禍の現在はオンラインで勉強会やおしゃべり会を開き、楽しい時間を過ごしながら、つながりをつくっています。

障害児を育てる先輩ママと出会える場を

「Smile Support Kochi」は病気や障害のある子どもを育てる家族のサークルとして、2011 年に活動を始めました。代表を務めるのは山下君江さん。重い障害のある次男・皓義(こうき)さんと高知市内で暮らしています。

皓義さんは 19 歳。妊娠中の交通事故が原因で、生まれてすぐに「脳性小児まひ」と診断されました。

山下君江さんと次男の皓義さん
山下君江さんと次男の皓義さん

皓義さんが生まれるまで、「障害者問題や福祉にはほとんど関心がなかった」という山下さん。葛藤の末、障害があることを受け入れることで、前に進み始めました。

その中で、「障害のある赤ちゃんを連れて集まる場所がない」と感じました。「同じような子どもを育てる先輩ママに会いたい」と考え、ママ友たちに声を掛けてサークルをつくりました。

当初は、仲間同士で支え合う「ピアサポート」として相談をメインとしていましたが、参加者のニーズに合わせ、みんなで集い、楽しむ会になりました。月 1 回のペースで、おしゃべり会やお楽しみ会、勉強会を企画しています。

コロナ禍でZoomを活用。「お絵描き講座」が開かれました

新型コロナウイルスの影響で、2020 年は計画していた活動を中止しました。「みんなで顔を合わせることを大事にしてきましたが、子どもたちの体調が一番大事」と山下さん。Zoom(ズーム)を取り入れ、2021 年 3 月に再開させました。

8 月は「お絵描き講座」が開かれました。きょうだい児も参加できる夏休み企画として、塩を使った水彩画にチャレンジ。親子 3 組が参加しました。

はじめに自己紹介を兼ねて、お母さんが「子どものいいところ」を発表しました。「お姉ちゃんと妹を大事に思ってくれてます」「弟の障害を恥ずかしがらず、優しく面倒を見てくれています」。お母さんからの言葉に、照れる子どもたち。和やかな雰囲気でお絵描きへと進みました。

お絵描きの先生は、水彩画のキャリアのあるお母さんが務めました。「ウェット・イン・ウェット」という手法で、水を塗った画用紙に好きな色を加え、画用紙を揺らしてグラデーションを付けていきます。

「生乾きの状態の絵に塩を置くと、白く抜けて模様ができる」とのこと。絵を画面で見せ合いながら、「わぁ、きれい」「そんな模様もできるんだね」と楽しみました。

お絵描きの後は「アートセラピー」も体験。「絵を描くことで癒やされた」「画面越しですが、コロナ禍で人と会ってつながれたのがうれしかった」という感想が寄せられました。

日々の出来事や気持ちをおしゃべりしませんか?

皓義さんの介護をしながらの運営には苦労もありますが、「笑顔になって帰っていくお母さんを見ると、うれしくなります」と山下さんは語ります。

皓義さんが口から食べるのが難しくなり、胃ろうの手術をした時期には、小児科の先生を招いた勉強会を開きました。山下さんと同じ悩みを持っていた参加者から「不安で仕方なかったけれど、必要なこととして前向きに受け止めることができた」と聞きました。

「知識やケアの方法を学び、わが子に必要だと気付くことで、初めて前に進んでいけるんだとあらためて感じました」と山下さんは振り返ります。

新生児医療が進歩し、赤ちゃんの命が助かるようになった今、たんの吸引や人工呼吸器、胃ろうなどが必要な「医療的ケア児」が増えています。全国で約 2 万人が自宅で暮らしていますが、介護を担う保護者への支援は十分ではありません。

活動は 10 年を超え、「障害児を育てる家族の横のつながりはできました。私たちの子どもが大きくなった今、コロナもあり、小さい子どもとその家族に出会えていないのが現状です」。障害のある乳幼児を育てる世代とつながりをつくりたいと考えています。

「親だけで頑張っていけるものではなく、周りのサポートが必要です。経験したからこそ、伝えられることがあります。1 人で抱え込まずに、日々の小さな出来事や気持ちをおしゃべりしませんか?若いお母さんにとって、ほんの少し先を行く先輩ママと出会い、つながる場になればと思っています」

 

「Smile Support Kochi」はZoomを使い、月 1 回のペースで活動しています。活動予定はFBで紹介しています。申し込み、問い合わせはメール(smile.suppo@gmail.com)で受け付けています。

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

小 3 と年長児の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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