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【つむサポ講座】ママのカラダケア教室|妊娠・出産で変化する体。姿勢や日常の動作を見直しましょう

【つむサポ講座】ママのカラダケア教室|妊娠・出産で変化する体。姿勢や日常の動作を見直しましょう

高知の新しい子育て支援「みんなでつむサポ」から、講座の様子を紹介します

2021 年度に始まった高知県の新しい子育て支援「みんなでつむサポ」では子育てサークルなど 8 団体・個人が「つむサポ講座」を企画しています。

今回ご紹介するのは「ママのカラダケア教室」。妊婦さんと産後 1 年以内のお母さんを対象に、妊娠・出産による心と体の変化や、セルフケアの大切さを伝えます。

産前産後の体の不調に悩んでいる方は、普段の姿勢や日常での動作を見直してみませんか?

※ 2021 年 12 月 2 日更新。11 月 25 日に土佐市で開かれた講座の様子を加えました。

 

つむサポ講座「ママのカラダケア教室」は土佐市の助産師・森木由美子さんとNPO高知市民会議が協働で開催しました。

講師は岩佐恵子さん。理学療法士として近森リハビリテーション病院で働いています。10 歳と 6 歳のお母さんでもあります。

9 月 17 日にオンラインで開かれた講座には、妊婦さんと産後 2 カ月のお母さん 3 人が参加しました。11 月 25 日には土佐市複合文化施設「つなーで」で開かれ、乳幼児の親子 4 組が参加しました。

理学療法士の岩佐恵子さん
理学療法士の岩佐恵子さん

猫背、反り腰、腰痛、ぽっこりおなか…出産後の変化

妊娠・出産による心と体の変化を考える前に、岩佐さんは「思い当たることはないですか?」と次の項目を挙げました。

・お尻を前滑りにして座る

・脚を組む、横座り(特に同じ方ばかりになる)

・赤ちゃんのお世話の時、猫背・反り腰になる

・抱っこで手首や肩が疲れる

・片方の腰骨の上に赤ちゃんを乗せて立つ

・尿漏れがある、膣にお湯や空気が入る

・ぽっこりおなかが治らない

・自分はいいママじゃない気がする

 

これは岩佐さんが 1 人目の出産後に経験したことだそうです。参加者からも「朝起きると、腰痛でしんどい」「肩こりを解消したい」などの声が挙がりました。

妊娠によって姿勢が変化し、筋肉の使い方が変わります

妊娠中や産後のマイナートラブルには、例えば次のようなものがあります。

  • 肩こり
  • 腱鞘炎(けんしょうえん)
  • 頭痛
  • 腰痛
  • 尿漏れ、お湯漏れ
  • 便秘
  • 精神的な不安

 

マイナートラブルとは「病院に行くほどではない不調」のこと。心の不調については、産後のホルモンの変化と、子育てによる睡眠・栄養不足、環境の変化が影響しています。産後うつは「男性にもある」と言われています。

体も、赤ちゃんの成長に合わせて大きく変化します。

赤ちゃんが過ごす子宮が大きくなることで、おなかの筋肉が伸ばされます。さらに、大きくなったおなかを支え、バランスを取るために姿勢が変化します。姿勢の変化は、おなかを前にせり出す「反り腰」になる、背中と腰を丸める「猫背」になるなど、人ぞれぞれです。

もう一つ知っておきたいのが「骨盤底筋群」。骨盤の底でハンモックのように内臓を支えている筋肉のことです。骨盤底筋群の筋力が低下すると、尿漏れや失禁、内臓が膣から外に出てしまう「臓器脱」のリスクが高まります。

妊娠・出産のホルモンの変化によって緩んだ骨盤の靱帯(じんたい)は、産後徐々に戻ってきます。しかし、「姿勢の変化で休んだり、伸ばされて弱くなったりしている筋肉は、正しく使っていかないと、なかなか戻らないことがあります」と岩佐さんは説明します。

骨盤ベルトについては「筋肉をサポートしますが、『巻けばOK』ではなく、自分の筋肉で支えられるように運動することが大切です」。使う場合は、腰骨と股関節の間に巻くといいそうです。「ぎゅっと巻けばいいというものではありません。自分で巻いて心地よい強さにしてください」

産後1カ月~1カ月半は「重力」が敵!横になってできる深呼吸から

「出産で落ちた筋力を元に戻し、おなかも引っ込めたい!」。体の変化を知ると、産後すぐに運動せねばと感じますが、「産後 1 カ月~ 1 カ月半は重力が敵です」と岩佐さん。お母さんの体は「赤ちゃんが出て、内臓が下がっているけれど、支える筋力がない状態」だそう。「まずは寝てする体操から始めましょう」

おすすめは深呼吸。横になった状態で行います。息を吐く時、吸う時におなかを動かすのがポイントです。

【深呼吸】

息を吸う…おなかを膨らませる

息を吐く…おなかをへこませる。どこにも力を入れず、「はーっ」と 8~10 秒くらい力を入れて吐ききる

(妊婦さんは座った状態で行ってください)

 

おなかをへこませるのは息を吐く時です。逆にならないように注意しましょう。

深呼吸ができるようになったら、骨盤底筋肉を動かす運動を取り入れます。

【骨盤底筋に力を入れてみよう】力の入れ方=膣や肛門を締める。体の奥や恥骨に向けて引き上げる

息を吐く…骨盤底筋が上に上がる

息を吸う…骨盤底筋肉が下に下がる(緩む)

(妊婦さんは座った状態で行ってください)

 

「深呼吸はやってみたら、奥が深いですよ」と岩佐さん。骨盤底筋の運動は尿漏れの予防や改善にもなりますので、産後 1 年以上たった人もやってみてください。

ストレッチで体をリセットしましょう

このほか、肩こりや腰痛予防のストレッチを体験しました。

肩回りのストレッチは授乳後に行うと、体がリセットされるそうです。あぐらをかいて行います。

  • 両手を組んで腕を前に伸ばし、背中を丸める
  • 両手を後ろで組んで腰の方向に伸ばし、背中を反らして天井を見る
  • 片手を上げて反対側に倒す。そのまま前に倒し、「気持ちいいな」という角度で止める。反対側も行う

腰痛予防のストレッチは寝て行います。試してみてください。

日常生活では骨盤を立て、前かがみを避けて

最後に、日常生活でのこつについて説明がありました。正しい姿勢を保つためのポイントは次の二つです。

  • 骨盤を立てる
  • 体幹を伸ばす

 

正しい姿勢を意識すると、できるだけまっすぐ立つこと、前かがみの姿勢を避けることに注意が向くようになります。

  • 床に寝ている赤ちゃんを抱っこする…骨盤を立て、片膝をついて赤ちゃんに近づいてから抱っこする。立った姿勢から前かがみになって抱っこしないように
  • 立って抱っこする…自分の姿勢をまっすぐに保つ。腰骨を突き出して赤ちゃんを乗せて抱っこしない
  • 料理…おなかがシンクにもたれていると体が傾く。「もたれずに立つ」「膝を少し曲げる」「足を前後に開く」などで姿勢を保つ

 

体のケアは日常の中で姿勢や動作を意識することから始まります。さらに、産後の体の変化に合わせた筋トレを無理なく取り入れることで、マイナートラブルを予防し、より健康に過ごすことができます。

「お母さんが元気であることが、家族の元気になる」と岩佐さん。子育ては完璧を求めると、しんどくなります。

「産後ぼろぼろになった体で、赤ちゃんにつきっきりでお世話するのは大変です。『いいお母さんじゃないといけない』と考えるのではなく、『今日は頑張って抱っこした』『授乳の後でストレッチできた』と自分を褒めてあげてくださいね」

「ママのカラダケア教室」は1 月 24 日(月)にも開催します

ママのカラダケア教室」は 1 月 24 日(月)にも開催します。会場は土佐市複合文化施設「つなーで」。新型コロナウイルスの感染状況によってはオンライン開催に変更します。

対象は妊娠中の人と産後 1 年以内の人。申し込み・問い合わせは助産院はぐはぐLINE公式アカウントで受け付けています。

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

小 3 と年長児の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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