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子どもの靴選びで親が注意したいことは?|サイズ選び、足に合うタイプの靴について、理学療法士・相原一輝さんに聞きました【子どもの靴選び・前編】

子どもの靴選びで親が注意したいことは?|サイズ選び、足に合うタイプの靴について、理学療法士・相原一輝さんに聞きました【子どもの靴選び・前編】

子どもの靴は「大きめ」を選びたいところですが…中敷きでサイズを確認し、正しいサイズの靴を履きましょう!

子育てには何かとお金がかかります。子どもの靴もその一つ。決して安くはない上に、足もすぐに大きくなるため、「大きめのサイズ」を選ぶ人もいるのではないでしょうか。

サイズの合わない靴を履き続けると、外反母趾(ぼし)や巻き爪などの足のトラブルを引き起こすことがあります。子どもの頃から正しいサイズの靴を履く習慣をつけることが、足の健康を守る上で大切だと言われています。

では、子どもに合った靴をどう選べばいいのでしょうか。高知市内でフットケアに取り組む理学療法士の相原一輝さんに聞きました。

※この記事は 2023 年 6 月 7 日に再公開しました。

「子どもの靴選び」の後編はこちら

 

相原さんは、高知県内の病院でリハビリに取り組んできた経験を生かし、「インソール&フットケアあしすと」(高知市越前町 2 丁目)を拠点にフットケアに取り組んでいます。巻き爪などの「足病変」の早期発見・治療を呼び掛けるグループ「土佐足研究会」でも活動しています。

家庭では 2 児のパパ。5 歳と 3 歳の息子を育てています。

理学療法士の相原一輝さん
理学療法士の相原一輝さん

【靴のサイズとは】「大きい靴」を履くと、つま先が詰まる?!

足のトラブルといえば、代表的なのが外反母趾や巻き爪です。悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

【足のトラブル】

  • 外反母趾…足の親指の関節が人さし指の方向に「く」の字に曲がった状態。突き出した部分が靴にこすれ、痛みが出ます
  • 巻き爪…爪が曲がって伸び、皮膚に食い込んだ状態。主に親指に起こり、化膿(かのう)したり、歩きづらくなったりします

 

外反母趾
外反母趾
巻き爪
巻き爪

相原さんによると、足にトラブルを抱える人のほとんどが「きつい靴」ではなく、「大き過ぎる靴」を履いているそうです。大きい靴がなぜいけないのでしょうか。

答えは「足の固定」です。大きい靴は靴の中で足が固定されず、前に滑ってしまいます。すると、指がつま先で図のように詰まり、痛みが出ます。

「指がつま先で詰まったことを『靴がきついから』と誤解し、さらに大きい靴を選んで痛みが増してしまうという人もいます」

イラスト・岡崎紗和
イラスト・岡崎紗和

子どもの時に大きい靴を履くことがすぐに足のトラブルにつながるわけではありません。ですが、大きいサイズを履かせ続けると、大きいサイズを「普通」だと覚え、正しいサイズがきつく感じられるようになるそうです。

「長年の習慣はなかなか変えられません。足のトラブルを防ぐためには、幼い頃からジャストサイズに慣れることが大切です」

【サイズ選び①】子どもの足のサイズは「中敷き」で確認しましょう

靴が「大きい」「きつい」は、履いた本人の感覚が大きく左右します。「子どもは自分で『大きい』『小さい』が言えないし、言ったとしても当てになりません」と相原さん。

そこで便利なのが、靴の中敷きです。子ども向けのスニーカーは簡単に外れるものがほとんどだそうです。

子ども用のスニーカーの中敷き。簡単に外れます
子ども用のスニーカーの中敷き。簡単に外れます

サイズ確認では中敷きを床に置き、かかとをぴったり合わせて、つま先部分を見ます。靴のつま先には「捨て寸」と呼ばれる余裕があります。

捨て寸の長さはメーカーによって異なりますが、だいたい 1 センチ弱程度だそうです。つま先に 1 センチ弱の余裕があれば、「ジャストサイズ」と判断してOKです。

ジャストサイズの靴。つま先に1センチ弱の余裕があります
ジャストサイズの靴。つま先に1センチ弱の余裕があります
つま先に余裕がないので「きつい靴」
つま先に余裕がないので「きつい靴」
つま先に余裕があり過ぎるので「大き過ぎる靴」
つま先に余裕があり過ぎるので「大き過ぎる靴」

【サイズ選び②】「かかとに指が1本入る靴」は「大き過ぎる靴」です!

靴のサイズ選びでは、昔から「かかとに指が 1 本入る靴」と言われています。これを子どもの靴でやると、「大き過ぎる靴」になる可能性があります。やはり、中敷きでの確認が確実だそうです。

さらに、同じように見えるスニーカーでも、メーカーごとに形が異なります。同じサイズの中敷きを合わせてみると、微妙に違うことが分かります。

同じサイズの中敷き。つま先の親指部分のゆとりが少し異なっていました
同じサイズの中敷き。つま先の親指部分のゆとりが少し異なっていました

【靴のタイプ】つま先の形はひとそれぞれ。中敷きの形と見比べてみましょう

つま先の形も人それぞれだそうです。

【つま先の形】

  • エジプト型…親指が最も長く、小指にかけて短くなる足
  • スクエア型…親指、人さし指、中指がだいたい同じ長さの足
  • ギリシャ型…親指よりも人さし指が長い足

つま先の形によって、合いやすい靴の形も異なります。

「つま先の形と中敷きの形を見比べて、より近い靴を選ぶと、足に合いやすいですよ」

これは大人の靴選びでも大事なポイントですね。ご家族の足をチェックしてみてください。

【足のお悩み】子どもの「扁平足」への対応は?

子どもの足について、相原さんがよく質問を受けるのが「扁平足(へんぺいそく)」についてです。

うちの子、土踏まずがなくて扁平足気味なんです。大丈夫でしょうか

扁平足とは、足の裏に「土踏まず」がなく、平らになった状態のことです。土踏まずがないと体重をうまく支えられず、長く歩くと疲れやすいと言われています。

相原さんによると、「扁平足気味の子どもは珍しくはない」とのこと。成長するに従い、土踏まずができるそうです。

扁平足気味の子どもの足
扁平足気味の子どもの足

「 7 歳前後ぐらいまでは、元気に活動してるのであれば問題のない場合がほとんどです。歩く、走る、つま先立ちをする、ジャンプするなどの運動を取り入れて、足裏や足首の筋肉を鍛えてあげてください」

反対に歩きたがらなかったり、歩く時に痛がったりするようであれば、受診しましょう。

「子どもの靴選び」後編では、足の成長に合わせたサイズ選びについて紹介します。

 

 

 

相原さんは「インソール&フットケアあしすと」で足の相談に乗っています。電話相談も受け付けています。カウンセリングは予約制です。

インソール&フットケアあしすと

  • 住所:高知市越前町 2 丁目 1-1 コーポ桜 1 階
  • 電話:080-3921-3661
  • 受付時間:月~金曜日 10:00 ~ 18:00
  • 定休日:日曜日
  • 駐車場:あり
  • 公式LINE:https://page.line.me/594zpgvt?openQrModal=true

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

小 3 と年長児の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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