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インフルエンザの予防接種は必要?新型コロナが終息してないので心配… |「教えて!吉川先生」インフルエンザ

インフルエンザの予防接種は必要?新型コロナが終息してないので心配… |「教えて!吉川先生」インフルエンザ

子どもの病気やけがについて、ココハレかかりつけ小児科医・吉川清志先生が解説します

子どもの急な発熱に「さっきまで元気だったのに…」と焦ったり、病気やけがについてインターネットで調べてみたりしたものの、「本当に正しい情報なの?」と迷った経験はありませんか?

「教えて!吉川先生」は、そんなお父さん、お母さんの疑問や悩みに答えるコーナーです。先生は、高知県内でたくさんの子どもたちを診察してきた小児科医、吉川清志(きっかわ・きよし)さん。「ココハレかかりつけ小児科医」として、子どもたちの病気やけがについて解説します。

今回のテーマは毎年冬に流行する「インフルエンザ」。予防接種について「毎年必要なの?」「接種したのに、かかるのはなぜ?」という疑問を持つ人もいるのではないでしょうか。新型コロナウイルスの影響も含め、吉川先生に聞きました。

 

※インフルエンザワクチンの接種時期について、情報を更新しました( 2020 年 9 月 23 日)。

インフルエンザはそもそもどんな病気ですか?

Q
インフルエンザはそもそもどんな病気ですか?
A
症状は「風邪の症状プラス全身症状」です

 

インフルエンザはインフルエンザウイルスに感染し、発症します。

潜伏期間は 1 ~ 3 日。まず、38 ~ 39 度台の高熱が出ます。喉の痛み、咳、鼻水といった風邪の症状に加えて、関節痛、筋肉痛があり、倦怠感などの全身的な症状が強いです。中学生以上になると、熱はそれほど出ず、37 度台のこともあり、症状に幅があります。

 

「A型」と「B型」の違いは?

Q
「A型」と「B型」の違いは?
A
A型が流行した後、B型が流行します

 

日本で流行するインフルエンザにはA型とB型があります。A型は高熱が出やすいという特徴があります。B型はA型に比べると症状は軽いですが、筋肉痛が強いことや、熱が 2 回出ることがまれにあります。

A型の流行が始まるのは例年、12 月の終わりごろから 1 月初め。1 月末から 2 月にかけてピークを迎えます。B型は 2 月の終わりから 4 月の前半ぐらいにかけて流行します。

なぜ、子どもは予防接種が2回必要なんですか?

Q
なぜ、子どもは予防接種が2回必要なんですか?
A
免疫効果を高めるためです

 

インフルエンザの予防接種は 1 シーズンごとに、13 歳未満は 2 回、13 歳以降は 1 回となっています。6 カ月から 3 歳未満は 0.25 ccを 2 回、3 歳から 13 歳未満は 0.5 ccを 2 回、13 歳以上は 0.5 ccを 1 回接種します。つまり、3 歳から 12 歳は大人と同じ注射を 2 回打ちます。

インフルエンザワクチンは、ウイルスや細菌の病原性をなくした「不活化ワクチン」です。不活化ワクチンは自然感染や「生ワクチン」に比べると、体の中にできる免疫が弱いため、追加接種が必要です。

インフルエンザの場合は、13 歳以上になると一定の免疫が体の中にあるので、1 回の接種で効果を保てます。乳幼児や小学生は 1 回の接種では十分な免疫を得られないので、2 回の接種が必要とされています。3 ~ 4 週間ほど間を空けて 2 回目を打つことで、効果が高まります。

接種したのにインフルエンザにかかりました。なぜですか?

Q
ちゃんと接種したのにインフルエンザにかかりました。なぜですか?
A
発症を防ぐ効果は 40 ~ 50 %程度。重症化を防ぐ目的で接種しています

 

インフルエンザワクチンは、麻疹(はしか)などのワクチンように、「接種したらほぼ発症しない」という高い予防効果があるわけではありません。さまざまなデータがありますが、発症することを防ぐ効果は「40 ~ 50 %程度」とされています。

最も大きな効果は「重症化」を予防することです。「重症化」というと、「熱が高くなる」「症状が長引く」というイメージを持っていると思いますが、ごくまれに起こる脳炎(脳症)や心筋炎、肺炎などのことで、「命に関わる重篤な状態」を防ぐのに一定の効果があるとされています。もちろん、ワクチンを打っていたからかからなかった、症状が軽く済んだということもあります。

インフルエンザには、ウイルスが体内で増殖することを防ぐ有効な治療薬があるので、発症後の治療が可能です。「重症化を防ぐために予防接種をする」という選択肢、そして「重症化するリスクがあるということを理解した上で接種しない」という選択肢があります。どちらを選ぶかは保護者の判断になります。

定期接種のように「必ず接種してください」というものではありませんが、高齢の方や基礎疾患のある方が近くにおられる場合や、医療関係者や保育士、教師など特定の職業の方には接種をお勧めします。さらに、新型コロナウイルス感染症の流行がしばらく続くと推測されますので、今年は例年以上に接種をお勧めします。

毎年接種しないといけないんですか?

Q
毎年接種しないといけないんですか?
A
その年に流行するウイルスを予測してワクチンを作っています。「昨年接種したから大丈夫」というものではありません

 

インフルエンザワクチンは毎年、そのシーズンに流行が予測されるウイルスを使って製造されます。昨年と今年のワクチンは異なりますし、免疫の効果は 5 ~ 6 カ月ほどですので、「昨年接種したから、大丈夫」というものではありません。接種するのであれば、毎年必要です。

いつごろ接種すればいいですか?

Q
いつごろ接種すればいいですか?
A
11月終わりまでに完了するといいでしょう

 

インフルエンザの流行が始まる 12 月末から 1 月初めごろには、十分な免疫ができるようにしておかないといけません。接種後、免疫ができるまでには 2 週間必要です。できれば 11 月の終わりごろまでに、遅くても 12 月中ごろまでに接種を終えてください。子どもの場合は 3 ~ 4 週間空けて 2 回の接種が必要です。

今年は新型コロナウイルスとの同時流行に備え、インフルエンザワクチンの接種に優先順位が付けられることになりました。厚生労働省によると、65 歳以上の高齢者以外は「 10 月 26 日以降」とされていますが、基礎疾患のある人はかかりつけ医と相談してください。

基礎疾患のある大人や小児は重症化するリスクがありますので、10 月 26 日以前の接種でもかまわないと考えます。混雑する可能性もありますので、かかりつけ医と相談して接種時期を決めるといいでしょう。

※厚生労働省は、65 歳以上の高齢者への優先接種を10月1日から始めると発表しました。それ以外の人は、10 月 26 日から接種できます。ただ、医療従事者や、高齢ではないが重症化のリスクが高い持病のある人、妊婦、生後 6 カ月~小学 2 年の子どもができるだけ早く接種できるようにしてほしいとしています。(高知新聞 2020 年 9 月 12 日朝刊より)

コロナが終息していないので心配です。感染予防について教えてください

Q
コロナが終息していないので心配です。感染予防について教えてください
A
コロナもインフルも手洗い、マスク、「3密」を避けることで予防できます

 

新型コロナウイルスもインフルエンザも、感染した人の咳やくしゃみ、会話の時に拡散されたウイルスを吸い込む「飛まつ感染」と、ウイルスに直接触れる「接触感染」で感染します。感染経路は同じですので、手洗いをしっかり行う、マスクを着用する、「 3 密」を避けるといった対策が有効です。現在の予防方法に引き続き、取り組んでください。

お父さん、お母さんへ

今年の冬は新型コロナウイルスとインフルエンザの同時流行が心配されていますが、予防方法は同じです。コロナ対策をしっかりやっていれば、インフルエンザの流行を小さくできるかもしれません。家庭では、家族全員でできる対策にしっかり取り組んでください。

どんなに気を付けていても、感染する時はします。感染したから悪いということでは決してありません。その場合は指示通りに治療を受け、次に他の人に広げないように適切に行動すればいいのです。過度に心配することなく、家族で規則正しく、楽しい生活を送って免疫力を保ってください。

 

吉川先生のインタビュー記事はこちら

「教えて!吉川先生」の「予防接種」はこちら

(イラストは岡崎紗和が作成しました)

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この記事の著者

門田朋三

門田朋三

アナ雪のエルサになりたい5歳と、おてんばな1歳の娘がいます。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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