11月は「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策強化月間…赤ちゃんの命を守るため、「あおむけ寝」が推奨されています
眠っている赤ちゃんが突然亡くなる「乳幼児突然死症候群(SIDS)」。11 月は対策強化月間だそうです。
SIDSが起きる原因ははっきりとは分かっていませんが、リスクを下げる対策として「あおむけ寝」が推奨されています。
こども家庭庁はさらに、窒息を防ぐ対策として、「枕やタオル、ぬいぐるみを置かない」「布団やマットレスは固めのものを使う」なども挙げています。
大切な命を守るため、赤ちゃんの睡眠環境をチェックしてみてくださいね。
赤ちゃんの突然死防ごう 11月はSIDS対策強化月間 高知県内34市町村で産後支援 あおむけ寝など推奨
(高知新聞 2025 年 11 月 7 日掲載)
11月は、睡眠中の赤ちゃんが突然亡くなる「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策強化月間。国は、あおむけに寝かせるなどのリスク軽減策の周知を図っている。県内の保育園や病院の取り組み状況を取材した。
10月下旬の昼下がり。高知市内の民間保育園を訪ねると、0歳児クラスはお昼寝の時間だった。1人が寝返りしてうつぶせになると保育士がさっと近づき、体をあおむけに直す。
この園では保育士が常に子どもの昼寝を見守り、15分おきに一人一人の呼吸や体勢、顔色、体温を用紙に記録する。園長の女性は「同じような用紙は市内のほとんどの園が導入しているはず。命を預かる場所。安全が最優先です」とすやすや眠る子どもたちを見つめた。
SIDSは既往歴や予兆がなくても発生し、はっきりした原因は分かっていない。生後2~6カ月の発症が多く、国内の死亡例は1990年代後半に年500人を超えていた。
同じ頃から、世界的にあおむけに寝かせることが推奨され、死亡数は減少。2015~24年は年間47~109人になった。高知県内はおおむね1~3人で、18年と23年はゼロだった。
小児科医で南国市の土佐希望の家医療福祉センター長の吉川清志医師(73)によると、乳幼児は脳の呼吸中枢が未熟で、正常な呼吸を維持できなくなる時がある。「あおむけよりうつぶせの方が眠りが深くなりやすく、呼吸中枢の働きがさらに鈍くなると考えられる」という。
こども家庭庁は国内外の調査を根拠に、あおむけ寝がSIDSのリスクを下げるとして推奨。他に、無理のない範囲で母乳で育てる▽妊娠中や子育て中にたばこを吸わない―も挙げる。
吉川医師は、赤ちゃんが初めて保育園に預けられる時など、ストレスのかかる状況ではさらに注意が必要だと説明。「SIDSはどれだけ対策しても100%起きないとは言えない。可能な限りリスクのない睡眠環境を整え、そばで様子をみることが大切」と呼びかける。
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