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家ではマスクを着けず、子どもと密に関わりましょう

保育士のマスク着用により、子どもたちとの意思疎通が難しくなったという声が保育現場から上がっています。新型コロナウイルスの影響で気掛かりなことはないか、医師や保育士のOBらでつくる団体が 8 月にアンケートを行いました。

「子どもは顔全体の動きで心の動きをキャッチしている」そうです。マスクでは「意思が伝わりにくい」などの問題を感じており、保育現場ではできない密な関わりを家庭で補ってほしいと呼び掛けています。たくさんハグをするなど家庭だからこそできるコミュニケーションを積極的に取ってみてはいかがでしょうか。

県内保育士 マスクで苦労 意思疎通に壁 「家庭で密な関わりを」

「いないいないばあ」で遊ぶゼロ歳児クラスの園児たち。保育士は常時マスクを着用している(高知市内の保育園)
「いないいないばあ」で遊ぶゼロ歳児クラスの園児たち。保育士は常時マスクを着用している(高知市内の保育園)

(高知新聞 2020 年 10 月 23 日朝刊より)

新型コロナウイルス禍により保育現場でもマスク着用が定着する中、県内の保育士たちが「子どもの表情が乏しくなった」「意思が伝わりにくい」などの問題を感じていることが、医師や保育士OBらでつくる団体のアンケートで分かった。調査に関わった専門家は「子どもは顔全体の動きで心の動きをキャッチしている。家庭では笑顔で話し掛け、たくさんハグしてあげて」と呼び掛けている。

アンケートは、高知市の小児科医、沢田敬さん(81)ら保育関係者らによる「フォー・ウインズ高知」が8月に実施。同グループは乳幼児を抱える家庭の支援などに取り組んでおり、同市と須崎市の保育所約10カ所で、コロナの影響で気掛かりなことなどを自由に記述してもらった。

その結果、保育士が常時マスクを着けているために、園児に意思が十分伝わらない▽表情が乏しい子どもが増えた▽歯磨きや離乳食の食べ方を教えるのが難しい―との声が目立ち、「職員がマスクを外すと不思議そうに見る」という体験談も。

また、子どもの成長を促し、地域とのつながりを深める園行事ができないことを危惧する声や、異年齢での交流が難しくなった、送迎時などに保護者とのやりとりが減った―という悩みや、「家でゲームをする子が増えた」「異常に手洗いをする子がいる」と生活面や精神面での影響を懸念する声もあった。

沢田さんは「感染予防は必要だが、保育現場では子どもの情緒や社会性の発達に響くのではないかと心配もある。園でできないことを家庭で補ってほしい」。家族で過ごす時はマスクを着けない▽見つめ合って話す▽歌や遊びを積極的にする▽家族の誕生日会などの行事を大切にする―といった“密”なコミュニケーションを勧めている。

沢田さんは「子どもたちと距離を取ってマスクを外したり、大げさな動作で表現したりと、さまざまな工夫も聞かれた。園と家庭が協力し、意識して子どもと接することが大切」と話している。(松田さやか)

この記事の著者

ココハレ編集部

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部員は高知新聞の社員 6 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

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