イルミネーションで「ありがとう」|週間高知の子どもニュース(2021年2月28日~3月5日)
春は別れの季節。宿毛市では 2020 年度末で閉校になる松田川小学校でお別れの行事が行われました。子どもたちが歌や踊りを披露。「ありがとう」のメッセージが浮かぶイルミネーションで校舎を飾り付け、にぎやかな時を過ごしました。子どもたちだけでなく、地域の人にとっても思い出に残る日になりました。
2021 年 2 月 28 日~ 3 月 5 日に高知新聞に掲載された子どもたちのニュースをお届けします。
目次
宿毛市・松田川小学校の閉校惜しむ 児童や保護者ら記念行事
(高知新聞 2021 年 3 月 1 日掲載)
200人が「ありがとう」
2020年度末で閉校する高知県宿毛市和田の松田川小学校で2月27日、記念行事が行われた。保護者や住民200人余りが子どもたちの歌や踊り、校舎の電飾などを楽しみ、約半世紀続いた学校を惜しんだ。
松田川小学校は1972年、和田小学校と二ノ宮小学校が統合して開校。現在は全校児童41人で、2021年度に宿毛中学校との合築校舎で授業が始まる宿毛小学校に統合する。跡地には宿毛市の学校給食センターが整備される方針が固まっている。
PTAや教員らが1年近く準備してきた閉校記念行事では、児童がソーラン節や詩の暗唱などを精いっぱい披露。全校児童の合唱では、感極まって涙ぐむ保護者もいた。
夕方からは宿毛商工会議所青年部が協力し「ありがとう」とのメッセージが浮かぶイルミネーションで校舎を飾り付け。地元バンドの演奏やマジックショー、花火の打ち上げなどが次々と行われ、終日盛り上がった。
6年の上岡吟偲朗(ぎんじろう)君(12)は「めっちゃ寂しい。けど、今日は思い出に残る日になった」。自身も卒業生のPTA会長、山陸三郎さん(42)は「教育環境を考えたら仕方のない面もある。子どもたちには残りを目いっぱい楽しんでほしい」と校舎を見つめた。
敷地には記念碑も建てられ、この日披露された。イルミネーションは卒業式と閉校式が行われる3月24日まで、午後7~9時に点灯される。(新妻亮太)
高知県立美術館で「こども県展」開幕 伸び伸び2520点
(高知新聞 2021 年 3 月 3 日掲載)
「第71回こども県展」(高知新聞社、RKC高知放送、県教育文化祭運営協議会主催)が2日、高知市高須の県立美術館で開幕した。図画、毛筆、硬筆、条幅の4部門で推薦、特選に入賞した、県内の小中学生の作品計2520点を展示している。7日まで。入場は無料。
今回の応募総数は計6万7862点。新型コロナウイルスの感染拡大による休校があったものの、児童生徒が意欲的に取り組んだ力作が並んだ。
図画の部は小学1年生がクレヨンで伸び伸びと描いた絵から、中学3年生が緻密に表現した水彩画までバラエティー豊か。マスク姿で腕相撲をする絵など、生活の変化を映した作品も目立った。
昨年はコロナの影響で作品展示が中止となっただけに、訪れた女性(66)は「作品に迫力がある。コロナがあったけど、普段以上に頑張ったことが伝わってきた。発表の場があることはいいですね」と話していた。
孫や子どもの作品を見に来た家族連れもおり、「よう、書けちゅう」「お友達の子も特選やね」などと話しながら、鑑賞を楽しんでいた。(沢田万亀)
地球33番地の未来を小学生が描く 高知市で3月13日まで展示
(高知新聞 2021 年 3 月 3 日掲載)
緯度と経度の数字に「3」が12個も並ぶ地球33番地(高知市南金田)の理想の未来などをテーマに、小学生が描いた絵画展が2日、高知市秦南町1丁目のイオンモール高知で始まった。実行委員会の主催で13日まで。
地球33番地は北緯33度33分33秒、東経133度33分33秒。高知市南金田と弥生町の境を流れる江ノ口川の中に、モニュメントが設けられている。
近くの江陽小と昭和小の3年生が描いた146点を展示。澄んだ流れの中で魚と一緒に泳ぐ子どもや、釣りを楽しむ人の姿などが明るい色調で描かれており、孫の作品を見に来た辻満美さん(67)=高知市東雲町=は「生き物の生命力が伝わってくる。住民できれいな川にしていきたい」と話していた。
優秀10作品が、テレビCMや新聞広告などで使われる。(乙井康弘)
SDGs学び実践へ 高知市の春野西小学校6年生が行動宣言
(高知新聞 2021 年 3 月 3 日掲載)
2030年までに達成すべき国連のSDGs(持続可能な開発目標)を学ぶ授業が1日、高知市の春野西小学校で行われた。6年生32人が絵本を基に学習。一人一人が行動宣言を仕上げた。
SDGsは世界の貧困や環境問題などを解決する目標。春野西小学校で20年以上読み聞かせをしている川田真由美さん(58)が「絵本を使えば小学生もイメージしやすく、行動を考えるきっかけになるのでは」と、SDGsを広めているミタニ建設工業(高知市)と企画した。
授業では川田さんが、子どもを社会全体で育てようと訴える「村じゅうみんなで」や、人と動物が一緒に楽しく暮らす街を描いた「ぼくらのまちにおいでよ」など、国内外の絵本を読み聞かせ。
その上で「どんな春野に、どんな世界にしたい?」と質問。6年生たちは「資源を守るためにプリントの裏も使う」などと行動宣言をまとめた。
伊能あかねさん(12)は「生き物がいないと私たちも生きていけない。生態系を壊さないよう、自然を大切にしたい」と話していた。(上野芙由子)
ひな祭り版フラフで桃の節句祝う 香美市の染工場制作
(高知新聞 2021 年 3 月 3 日掲載)
きょうは、楽しいひな祭り―。桃の節句はひな人形を飾って祝うのが一般的だが、高知県香美市土佐山田町では特産のフラフを生かした“ひな飾り”を制作している。
フラフは、男児の健やかな成長を願い、こいのぼりとともに端午の節句に揚げられる。創業119年の三谷染工場は、注文があれば「ひな祭り版」を制作してきた。
「女の子にもフラフを贈りたい」と話すのは、高岡郡四万十町家地川の会社員、友村幸さん(36)。生後5カ月の長女、有花ちゃんの初節句を祝うために注文した。
縦175センチ、横110センチのフラフは巨大なタペストリータイプで、室内に飾ることを想定している。有花ちゃんの名前とともに、色鮮やかなおひなさまが描かれている。
出来栄えを見た友村さんは「フラフは男の子のイメージがあるので、新しい。華やかで迫力もある。場所も取らないので居間に飾りたい」と笑顔だった。
三谷染工場は今後、ひな祭りフラフを定番商品のラインアップに組み込むという。4代目の三谷泰清さん(41)は「高知のフラフ文化を広く伝えるきっかけになれば」と話している。(小笠原舞香)
四万十町「赤灯台」の銘板が完成 興津中学生が揮毫
(高知新聞 2021 年 3 月 4 日掲載)
高知県高岡郡四万十町興津の興津中学校生徒が揮毫(きごう)した再建中の通称「赤灯台」の銘板が完成した。高知海上保安部がこのほど生徒らに披露し、生徒らは再建予定地の堤防が見える海岸で記念撮影した。
学校近くの浦分漁港入り口にあった赤灯台は2019年10月、台風19号による十数メートルの大波で根元から倒壊した。高知海上保安部が再建を進めており、今月下旬に完成する予定。
銘板は縦約20センチ、横約30センチの青銅製で、生徒が昨年11月に書いた「浦分港防波堤灯台」の文字を刻んだ。生徒は1日、高知海上保安部職員から手渡された銘板を掲げ、笑顔でカメラに納まっていた。
字は納得がいくまで何度も書き直したそうで、浜崎恵里さん(15)は「自分たちが書いた字がこんなにきれいな銘板になるとは思わなかった。学校が閉校になった後も残っていくので良かった」と喜んでいた。(井上太郎)
ビキニ被ばく忘れない 佐川町の斗賀野小学校に平和のバラ
(高知新聞 2021 年 3 月 4 日掲載)
核兵器廃絶への願いを込めた〝平和のバラ〟が2日、高知県高岡郡佐川町の斗賀野小学校に寄贈され、児童が核なき世界への思いを新たにした。
バラはビキニ環礁の水爆実験(1954年)で被ばくし、半年後に40歳で亡くなった第五福竜丸の無線長、久保山愛吉さんが育てていたもの。県内漁船の被ばく実態を調査していた幡多ゼミナールの高校生らが、約30年前に妻のすずさん(故人)から挿し木を譲り受け、県内で育てられた。
昨年5月、元小学校教員、橋田早苗さん(67)=香南市野市町みどり野=が、斗賀野小でビキニ被ばくを伝える紙芝居を披露し、バラのことも紹介。その際、子どもたちから「学校に欲しい」との声が上がっていた。
この日、幡多ゼミの卒業生らが宿毛市に残る株から昨年6月に挿し木した1鉢を届けた。児童を代表し藤本健吾君(12)が「ビキニ被ばくのことを忘れないようにしたい」とお礼を伝えた。橋田さんは「色んな思いが受け継がれているバラ。平和や亡くなった人について考えてくれたらうれしい」と話していた。(楠瀬健太)