お弁当を自分で作って登校!馬路村小中学校で「馬路式お弁当の日!」|週間高知の子どもニュース(2021年11月20~26日)
宇宙アサガオに、アユ、ホタル。今週の高知の子どもたちは身近な生き物を大切にする取り組みを行いました。
子どもたちがお弁当を自分で作って登校する「馬路式お弁当の日!」が、安芸郡馬路村の馬路小中学校で今年も行われています。来年 2 月まで月 1 回行われ、自炊の力を付けていきます。
2021 年 11 月 20 ~ 26 日に高知新聞に掲載された子どもたちのニュースをお届けします。
目次
- アユで学ぶ自然の大切さ 山田小児童が産卵場観察 高知県香南市
- 宇宙アサガオの種 長者小学校から山形へ 高知県仁淀川町
- 久重のホタル守れ 児童ら手作り看板 高知市
- 「この道も使って逃げて」児童整備の避難路で訓練 高知市浦戸小 地域住民も参加
- 馬路小中学校で自作お弁当の日 自活の力向上へ月1回 高知県馬路村
- いの町川内小児童がミカン収穫体験 高知県立農業大学校
- 北ノ川小児童 除伐や植樹体験 四万十町
- 稚児行列の衣装きらびやか「いちじょこさん」盛況、高知県四万十市の一條神社
- 無病息災祈り「大国さま」秋大祭にぎわう 高知県いの町の椙本神社
- 児童ら40人招き外遊びで交流 高知・土佐清水市の「しあわせサロン」
- テニスの宮崎雅俊プロが児童らに指導 高知県室戸市
アユで学ぶ自然の大切さ 山田小児童が産卵場観察 高知県香南市
(高知新聞 2021 年 11 月 20 日掲載)
物部川漁協が香南市の物部川下流域に整備したアユの産卵場でこのほど、山田小学校(香美市)の4年生78人が観察学習を行い、命を育む自然環境の大切さを考えた。
物部川ではダムが砂利の流れを阻むなどして産卵に適した場所が減少しており、同漁協が毎秋、人工産卵場を整備。今年も河川敷を掘って幅10メートル、長さ100メートルの浅瀬を造り、河口からダンプ100台分の砂利を運び込んだ。
17日に児童らが訪れると、深さ20センチの川底を覆うようにアユがびっしり。児童は「川が真っ黒や!」と歓声を上げ、産卵後のアユを触ったり、産み付けられた卵を観察した。
同漁協は「ここだけで卵は10億個あるが、大人になれるのは千個中1個だけ」などと説明。川を濁らせないために山の保水力維持の大切さも訴えた。
立花葵さん(10)は「1匹が3万~5万個も産むんや」と驚いた様子。比与森愛徠(あいら)さん(9)は「山川海が元気じゃないと、アユは生き残れない。両親にも伝えたい」と話していた。
同漁協の松浦秀俊組合長(65)は「自然のつながりが欠けたところを漁協で埋めているのが現状。アユをきっかけに川に関心を持ってほしい」と期待している。(横田宰成)
宇宙アサガオの種 長者小学校から山形へ 高知県仁淀川町
(高知新聞 2021 年 11 月 20 日掲載)
民間企業の企画で全国の学校をリレーしている「宇宙アサガオ」を今年育てた、吾川郡仁淀川町の長者小学校でこのほど、収穫した種を次の山形県の学校へ託す引き継ぎ式が行われた。
宇宙アサガオは、2010年4月にスペースシャトルで打ち上げられ、宇宙に約15日間滞在した種の“子孫”。宇宙関連の社会教育事業などに取り組む民間会社「宙(そら)だよりスタジオ」(大阪府)の企画で昨年、香川県の小学校から種のリレー栽培がスタート。今年は長者小の全校児童23人が学校で育てた。
同校のアサガオは7月に無事開花し、9月下旬に種2610粒を採取。15日の引き継ぎ式では、同社の田中利秋副社長(72)に児童が全ての種を預けた。このうち約50粒が、山形県飯豊町の第一小学校に届けられ来年度、栽培される予定。
長者小6年の村山誠太朗君(11)は「アサガオが咲いたときはきれいでうれしかった。次の学校でも心を込めて育ててほしい」と話していた。(楠瀬健太)
久重のホタル守れ 児童ら手作り看板 高知市
(高知新聞 2021 年 11 月 21 日掲載)
ホタルがすむ環境を守ろうと20日、高知市の久重小学校の児童ら約30人が、「ホタルは久重の元気力」などと書いた手作り看板を設置するなどした。
市の助成事業「こうちこどもファンド」を活用した里山保全活動の一環。
この日は19人の子どもたちが参加し、地域住民と一緒に作った看板2枚を、重倉川近くの親水公園や田んぼのそばに設置。地元でホタルの保護活動に取り組み、“ホタル博士”と呼ばれる橋詰辰男さん(69)に「きれいな川じゃないとすめない」と聞き、真剣な表情で川の周囲のごみを拾い集めていた。
家からホタルが飛ぶ様子が見られるという同小6年の土居康久君(12)は「ホタルは久重の宝物。看板を見て、ホタルを大切に思ってほしい」と笑顔で話していた。(浜田悠伽)
「この道も使って逃げて」児童整備の避難路で訓練 高知市浦戸小 地域住民も参加
(高知新聞 2021 年 11 月 22 日掲載)
津波から命を守ろうと20日、高知市浦戸で浦戸小学校児童らが整備した避難路を使った避難訓練が行われた。児童は地域住民と一緒に歩き、「南海トラフ地震が起きたら、この道も使って逃げて」と呼び掛けた。
同校児童と地域住民は1月以降、草木に覆われていた学校南側の農道を避難路にしようと草刈りをし、でこぼこだった路面をきれいに整備。歩きやすい道に作り替えた。
この日は同校の全学年の児童34人と、地域住民約20人が参加。ヘルメット姿の児童は「おばあちゃん大丈夫?」「手を貸しましょうか」と声を掛けつつ案内し、学校から裏手の高台まで一緒に歩いた。参加したお年寄りは、「きれいにしてくれて通りやすくなった」と喜んでいた。
3年の島田樹(いつき)君(9)と河添於斗稀(おとぎ)君(9)は「地域の人とたくさん話せて仲良くなれた」「1年に1回は一緒に避難訓練したい」と話していた。(玉置萌恵)
馬路小中学校で自作お弁当の日 自活の力向上へ月1回 高知県馬路村
(高知新聞 2021 年 11 月 22 日掲載)
児童生徒が弁当を自作して登校する「馬路式お弁当の日!」が、安芸郡馬路村の馬路小中学校で今年も行われている。来年2月まで月1回、自炊の力を付けていく。
同村の子どもの大半が村外に出て高校生活を送る。自活するには食が重要として、PTAが中心となり小学5年生から中学3年生までを対象に2012年から行っている。
5年生6人は初参加で、今年2回目となった16日の課題は魚介類を1品盛り込むこと。サケの塩焼きやホタテが入った炊き込みご飯など、じっくり考えて作った弁当を持ち寄った。
浜渦ことはさん(11)のメインのおかずはサケのマヨチーズ焼きで、「マヨネーズとチーズたっぷりで作ったソースが最高においしい」とにっこり。山中瑠希乎(るきや)君(11)は「焼きおにぎりのたれにこだわった。他のおかずも工夫して彩り良くできた」と胸を張った。(植村慎一郎)
いの町川内小児童がミカン収穫体験 高知県立農業大学校
(高知新聞 2021 年 11 月 23 日掲載)
吾川郡いの町鎌田の川内小学校の児童がこのほど、同町波川の県立農業大学校で、同大学校が栽培するミカンの収穫を体験した。
川内小は毎年1、2年生が同大学校でミカン狩りしている。今年は校外学習の一環で1~5年生に拡大し、18日に42人が訪れた。
児童は、学生が育てた野菜や花などを販売する「農大ショップ」で買い物を楽しんだ後、ミカンの木へ。学生から切り方などを教わりながら、パチンパチンと一つずつ丁寧に収穫した。
5年の岡林依拓(よりひろ)君(11)は「普段あまり経験することがないので、切るのが楽しかった。早く食べたい」と笑顔だった。(山崎友裕)
北ノ川小児童 除伐や植樹体験 四万十町
(高知新聞 2021 年 11 月 23 日掲載)
高岡郡四万十町の北ノ川小学校の児童らがこのほど、同町瀬里の「四万十よんでんの森」で除伐や植樹などを行い、環境保全の大切さを学んだ。
四国電力高知支店と県、同町が「環境先進企業との協働の森づくり事業」として、町内約195ヘクタールの森林保全に取り組んでいる。
18日は、同校3年生6人、中尾博憲町長、四電社員ら約20人が参加。子どもたちは小型ののこぎりで小木などの除伐を体験した後、山の斜面にモミジやイチョウの苗木10本を植え、自分の名前を書いた木札を結び付けた。
同校3年の佐竹凜君(9)は「きれいなモミジになってほしい。カブトムシも増えるといいな」と笑顔だった。(小林司)
稚児行列の衣装きらびやか「いちじょこさん」盛況、高知県四万十市の一條神社
(高知新聞 2021 年 11 月 24 日掲載)
「いちじょこさん」として親しまれている四万十市の一條神社(中村本町1丁目)の大祭で23日、中心市街地を稚児行列が練り歩いた。きらびやかな衣装を身に着けた子どもたちが街を彩った。
一條神社の大祭は土佐三大祭りの一つに数えられ、今年は22日から3日間。稚児行列には市内外の幼児や児童72人が参加した。同市中村大橋通1丁目の須賀神社から天神橋商店街を経て、一條神社までを約30分で歩いた。
華やかな赤や緑の衣装をまとった子どもたちの頭には、金色の冠や烏帽子(えぼし)。緊張した表情あり、笑顔ありで、保護者に手を引かれてしゃなりしゃなりと歩いた。
同市中村本町1丁目の本田実也(みや)ちゃん(4)と実郁(みい)ちゃん(4)姉妹は「見てた人が手を振ってくれて楽しかった」。同市蕨岡の小林あみちゃん(4)は「パパとママと一緒に歩けてうれしかった」と笑顔いっぱいだった。
大祭は初日、御神火を奉納する提灯(ちょうちん)行列などが行われた。新型コロナウイルスの影響で一部イベントを中止し、露店数を抑制するなどしている。(今川彩香)
無病息災祈り「大国さま」秋大祭にぎわう 高知県いの町の椙本神社
(高知新聞 2021 年 11 月 24 日掲載)
「いの大国さま」として親しまれている吾川郡いの町の椙本神社で23日、秋の大祭が行われた。「おなばれ」の一行が無病息災を祈って町中心部を練り歩き、大勢の見物客でにぎわった。
ご神体のみこしが稚児行列や獅子舞、白装束の男衆らを伴って、中心商店街などを通り仁淀川河原に赴く伝統儀式。例年は約200人が行列をつくるが、今年は新型コロナウイルスを考慮して150人ほどに縮小し、みこしも担がず台車で運んだ。
太鼓や笛の音が響く中、見物客はみこしをくぐって無病息災や家内安全を祈願したり、「かわいいねえ」と目を細めながら稚児行列の写真を撮ったり。獅子舞から泣いて逃げようとする子どももおり、周囲に笑顔が広がった。
また地元有志らは、「神」にちなんで町特産の「紙」や「ジンジャー(ショウガ)」をPRする「Kami祭」を開催。神社周辺にしょうが焼きなどの出店が並び、多くの買い物客が訪れた。(山崎友裕)
児童ら40人招き外遊びで交流 高知・土佐清水市の「しあわせサロン」
(高知新聞 2021 年 11 月 25 日掲載)
土佐清水市幸町の「しあわせサロン」婦人部がこのほど、近くの中央公園に地域の子どもたちを招き、輪投げなどのゲームを用意して交流した。
サロンは住民の交流の場づくりとして、体操やイベントなどを開催。今回は、新型コロナウイルスの影響で市内のイベントなどが減っていることを踏まえ、「子どもたちに思いっきり外で遊んで楽しんでもらおう」と、市社会福祉協議会の協力で企画した。
20日、清水小学校の学童保育を利用する児童ら約40人が訪れ、輪投げや紙でかたどった魚を釣り上げるゲームなどに大はしゃぎ。サロンのメンバーは「たくさんの子が遊んでくれて良かった」と目を細め、幸町区長の小島久二年さん(81)は「地域に子どもの声が聞こえるのが一番うれしい」と喜んでいた。(山崎彩加)
テニスの宮崎雅俊プロが児童らに指導 高知県室戸市
(高知新聞 2021 年 11 月 26 日掲載)
テニスの日本ランキング9位などの実績を持つ高知県出身のプロテニスプレーヤー、宮崎雅俊さん(41)を講師に招いたテニス教室がこのほど、室戸市領家の県立室戸広域公園屋内運動場で開かれ、児童らがプロの技術を吸収した。
県地域スポーツハブ展開事業の一環で、南国市の総合型地域スポーツクラブ「まほろばクラブ南国」の主催。21日はテニスクラブ加入者ら室戸市内外の17人が参加した。
この日は、ストロークやフットワークを練習。宮崎さんは「顔やへそ、つま先を真っすぐにして、スイングするときはへそを回すイメージで」と、手本を見せながら丁寧に指導していた。
南国市から参加した久礼田小学校5年の中脇颯空君(10)は「宮崎さんの教え方はわかりやすく、楽しく学べた。アドバイスを忘れずに練習してうまくなりたい」と話していた。(板垣篤志)