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週刊高知の子どもニュース 2020年7月12~18日

久しぶりの青空がのぞいた 1 週間。小学校からは、文楽の表現を学ぶ、戦国時代の鎧兜を試着するなどユニークな授業の様子が届きました。香美市の山田小では、高知大空襲の体験を聞く平和学習がありました。

園児たちも「移動水族館」を楽しんだり、風船を作ったりと元気いっぱいです。2020 年 7 月 12 ~  18 日の子どもたちのニュースを、高知新聞の紙面からお届けします。

 

文楽の奥深さ知って 土佐清水市で人形遣いの玉翔さん授業

児童に文楽の魅力を伝える吉田玉翔さん=左=ら(土佐清水市の三崎小学校)
児童に文楽の魅力を伝える吉田玉翔さん=左=ら(土佐清水市の三崎小学校)

(高知新聞 2020 年 7 月 15 日朝刊より)

伝統芸能への理解を深めてもらおうと、高知県土佐清水市出身の文楽人形遣い、吉田玉翔(たましょう)さん(44)=大阪府=らがこのほど、土佐清水市の三崎小学校で授業を行った。語りの太夫や三味線も加わり、児童たちは文楽の表現の奥深さを学んだ。

10日の授業で太夫は子どもや女性など登場人物に合わせて、抑揚や声の高さを変えていることを説明。三味線は晴天や嵐、雪など場面に応じた演奏を披露した。

玉翔さんは人形について「280年ほど前から3人掛かりで使うようになった」などと解説。人形が笑ったり泣いたり表情を変えると、児童から驚きの声が上がった。

玉翔さんらは人気の演目「伊達娘恋緋鹿子(だてむすめこいのひがのこ)『火の見櫓(やぐら)の段』」も披露。児童らは「人形がはしごを登る仕掛けが面白かった」「他の演目も見てみたい」などと話していた。

新型コロナウイルスを考慮し、人形に触れる体験などは見送ったが、児童は語りの一部で声を出すなどして“舞台”に参加。玉翔さんは「学校に臨機応変に対応してもらえてありがたかった。距離のない授業を早くしたい」と話していた。

授業は「文楽伝統芸能振興委員会」が赤い羽根共同募金の助成を受けて開催。三崎小学校のほか、土佐清水市や香南市の計3校児童を対象に行われた。(山崎彩加)

久礼田小児童が鎧兜体験 歴民館と連携し戦国時代学ぶ 南国市

力を合わせて鎧兜のレプリカを装着する児童ら(南国市の久礼田小学校)
力を合わせて鎧兜のレプリカを装着する児童ら(南国市の久礼田小学校)

(高知新聞 2020 年 7 月 15 日朝刊より)

高知県立歴史民俗資料館(南国市岡豊町)の学芸員を講師に戦国時代について学ぶ授業がこのほど、南国市久礼田の久礼田小学校で行われた。6年生28人が鎧兜(よろいかぶと)のレプリカを試着するなどして地元の武将、長宗我部元親らに思いをはせた。

県立歴史民俗資料館との連携授業は2年前に続いて2回目。児童が後期から学び始める戦国期に興味を持ってもらおうと10日、学芸課長の西山浩生さん(51)らがレプリカを持ち込んだ。

児童らは興味津々で胴や草摺(くさずり)、面頬(めんぽお)など多様な防具を身に着けて役割を確かめた。弓矢から鉄砲へ武器が発達したのに伴い、防具が軽量化されたことも教わり、「逃げやすくしたんや」「昔の知恵がいっぱい」と感心していた。

重さ計11キロのレプリカをまとった松村朋実さん(11)は、「予想以上の動けなさ。これくらいしないと、命を守れない時代に元親さんもいたんですね」。

担任の宅間万芳教諭(61)は「本やネットだけでなく、体験することで歴史は身近になる。市内遺跡も巡って学びに生かしたい」と話していた。(横田宰成)

トラックで移動水族館 室戸自然の家が導入 園児楽しむ

タッチプールカーの荷台で海の生き物に触れる子どもたち(室戸市元甲の元保育所)
タッチプールカーの荷台で海の生き物に触れる子どもたち(室戸市元甲の元保育所)

(高知新聞 2020 年 7 月 16 日朝刊より)

国立室戸青少年自然の家(高知県室戸市元乙)が、トラックの荷台に水槽を備えた「タッチプールカー」をこのほど導入した。15日、室戸市元甲の元保育所でお披露目され、園児26人が海の生き物に触れられる「移動水族館」を楽しんだ。

自然の家の利用者が、悪天候などでシュノーケリングや磯観察などができない時にも、海の生物に親しんでもらおうと約800万円で購入。2トントラックの荷台に450リットル(幅170センチ、奥行き90センチ、高さ50センチ)の水槽や冷却装置、ろ過装置がある。

この日は、自然の家職員が室戸市内の海岸や漁港で捕ったイスズミやメジナなどの魚介類が用意され、園児は水槽に手を入れて魚をすくったり、ウニやヒトデを手のひらに載せたり。みんな笑顔で、「フグかわいい!」「ぬるぬるするー」と大はしゃぎしていた。

車は、学校への出前授業やイベントなどでも活用する予定。大向満所長は「市内外のさまざまな場所に出向き、自然いっぱいの室戸市をPRしたい」と話していた。(大野耕一郎)

「戦争が家族と日常奪った」 「草の家」館長が香美市山田小で講話

投下された実物の焼夷(しょうい)筒を見せながら児童に空襲体験を説明する岡村正弘館長(香美市土佐山田町西本町2丁目の山田小学校)
投下された実物の焼夷(しょうい)筒を見せながら児童に空襲体験を説明する岡村正弘館長(香美市土佐山田町西本町2丁目の山田小学校)

(高知新聞 2020 年 7 月 16 日朝刊より)

平和資料館「草の家」(高知市)の岡村正弘館長(83)がこのほど、高知県香美市の山田小学校で講話した。6年生82人に1945年の高知大空襲で母親と姉を亡くした体験を涙ながらに伝え、反戦と平和の尊さを訴えた。

岡村館長は学校を中心に200回以上の語り部活動を行っているが、新型コロナウイルスの影響で今年は13日の山田小学校訪問が初めて。平和学習に力を入れる山田小学校の依頼で、体験をつづった紙芝居を妻の花子さん(81)とともに披露した。

高知大空襲は1945年7月4日午前2時ごろから、高知市が受けた米軍の無差別爆撃。死者455人以上、約1万1900戸が全半焼した。

岡村館長は当時、小学2年生。防空壕(ごう)が息苦しく、母の制止を振り切って鏡川へ逃げ、朝、つぶれた壕を目の当たりにした。「まだ煙も出よった壕を兵隊がスコップで掘ったら、妹を抱いて変わり果てた母も見つかって…。今もよう忘れん」

生き残った父も1年ほどして他界。「戦争が、空襲が、家族の幸せな日常を一夜にして奪った」と何度も目頭をぬぐい、「人権を大切にできる社会こそが、戦争への道を食い止める底力になります」と語り掛けた。

香美市でも1945年7月22日に「佐岡空襲」があり、住民ら11人が死亡している。大沢良羽(りょう)君(11)は「たくさんの命が奪われていたことを知り、驚いた。お話を忘れずに、戦争のない世界を目指して努力したい」と話していた。(横田宰成)

ボランティアが園児と風船作り 南国市

園児に風船作りを教える小笠原まきさん(南国市の長岡東部保育園)
園児に風船作りを教える小笠原まきさん(南国市の長岡東部保育園)

(高知新聞 2020 年 7 月 16 日朝刊より)

高知市のイラストレーターで、ボランティアグループ「地球の子ども基金」代表の小笠原まきさん(51)がこのほど、高知県南国市下末松の長岡東部保育園を訪れ、園児27人にビニール袋やストローなどを使った風船作りを紹介した。

「地球の子ども基金」は、世界中の子どもたちを笑顔にしたいと2018年から活動を始めた高知発の団体で、全国に約100人の賛同者がいる。インドの学校に食事や制服を届けたり、新型コロナウイルス感染防止のため高知市の児童養護施設などに消毒液を贈ったりしている。

13日はコロナによる“巣ごもり”も踏まえて親子のコミュニケーションの一助にと、家庭にあるものを使った風船を紹介。園児はビニール袋にペンで色とりどりのネコやカエルの絵を描いては膨らませ、楽しんでいた。

小笠原さんは「先生やお母さんと一緒に作って、子どもの笑顔が広がれば」と話していた。(川嶋幹鷹)

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ココハレ編集部

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部員は高知新聞の社員 6 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

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