産前7カ月から利用できる「こうちあったかパーキング」|妊産婦の利用期間が産後2年間に延長。多胎児は産後3年間利用できます

車いすマークなどでおなじみの「こうちあったかパーキング」の駐車場。妊婦さんや子育て中の家庭も利用できるのをご存じですか?
妊産婦さんの利用期間は産前 7 カ月~産後 1 年間でしたが、2025 年春に「産後 2 年間」に延長されました。双子、三つ子などの多胎児を育てる場合は産後 3 年間利用できます。
- 単胎児(出産する子どもが 1 人)…産前 7 カ月~産後 2 年間
- 多胎児(双子、三つ子以上)…産前 7 カ月~産後 3 年間
申請の仕方や利用方法を高知県障害福祉課で聞きました。
「子ども連れの車移動は大変!」子育て家庭の声を受けて利用期間が延長されました
「こうちあったかパーキング制度」は移動に配慮が必要な人が優先駐車場を利用しやすいようにつくられた制度で、2011 年に始まりました。43 府県で導入され、名称はそれぞれ異なります。


対象は妊産婦のほか、障害のある人や高齢者、難病の患者、けがをした人です。
妊産婦は産前 7 カ月から利用できます。これまでは産後 1 年間までの利用でしたが、単胎児は産後 2 年間、多胎児は産後 3 年間に延長されました。
県障害福祉課チーフの前島健助さんによると、期間の延長は子育て家庭の声を受けての対応とのこと。
「お子さんが 1 歳を過ぎても車に乗せるのは大変ですし、特に双子、三つ子を育てる親御さんからは『多胎児は大変な期間が長い』と聞きました。他県の状況も踏まえて延長となりました」
妊産婦の申請は母子健康手帳が必要。電子申請も始まりました
利用方法は簡単。車いすマークなどが表示された優先駐車場を利用する際に、利用証を外から見えるように掲げます。
妊産婦には緑色の利用証が発行されます。出産予定日から 2 年後(多胎児の場合は 3 年後)の月末まで利用できます。産後は生まれた子どもを乗せる車で利用できます。


利用証の申請は、県庁 1 階にある障害福祉課のほか、安芸、中央東、中央西、須崎、幡多の福祉保健所の窓口でできます。申請書に記載の上、母子健康手帳の提示が必要です。代理申請の場合は代理人の身分証明書も必要です。
このほか、市町村の窓口でも申請できます。
前島さんによると、2025 年度から電子申請サービスも始まりました。母子健康手帳と代理申請に必要な代理人の身分証明書の写しが必要だそうです。
「県の窓口での申請は、確認ができればその場で利用証を発行します。市町村窓口や電子申請の場合は後日郵送になります」
「気持ちよく譲り合うための制度です」
「こうちあったかパーキング制度」には 2025 年 4 月現在、高知県内の 1217 施設が協力しています。
「車いす用駐車場」と「プラスワン駐車場」があり、施設によって種類や台数は異なります。
車いす用駐車場は車のドアを全開にしても使えるように幅広く設定されています。「両方空いている場合は、車いす用駐車場は車いす利用者に譲ってください」


「こうちあったかパーキング制度」では利用証が発行されますが、優先駐車場はそもそも「利用証のある・なしに関わらず、必要な人が利用できるもの」だそうです。
利用証を持っていなくても必要であれば駐車できますが、一方で本来なら必要ない人、利用条件に当てはまらない人が駐車しているという実態もあります。
前島さんは「お互いに分かりやすく、気持ちよく譲り合って利用できるようにと始まった制度ということを、より多くの人に知っていただきたい」と話していました。

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