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「子どもをかわいいと思えない」というあなたへ|子育ての悩みに寄り添う土居寿美子さんコラム「こころのとびら」⑪

「子どもをかわいいと思えない」というあなたへ|子育ての悩みに寄り添う土居寿美子さんコラム「こころのとびら」⑪

高知市の子育て支援センター「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します

子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。

コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営する特定非営利活動法人の理事長、土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。

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「この子がかわいいと思えないんです」

これまでにいるかひろばを訪れたお母さんたちから、何度となく聞いてきたつぶやきです。その思いには一人一人、理由があります。その理由をいるかひろばでは大事にしています。

Aさんもその一人でした。2 児のお母さんで、上のお子さんの時からいるかひろばを利用していました。下のお子さんを授かり、不安ながらもとても喜ばれていました。出産後は実母にヘルプをお願いしていました。

ところが、予期せぬことが起こりました。実母が病気になったのです。へルプがないまま 2 人の育児が始まり、さらに母親の介護も加わり、Aさんの心は次第に病んでいきました。

Aさんは出産から 1 カ月も立たないうちに、いるかひろばに来てくれました。心配した夫から勧められたようで、この時には病院にも通われていました。出産前からの段取りが崩れ、思い通りにいかないことへの愚痴があふれ、「この子が生まれたからこんな気持ちになった」というつらい言葉も出ました。

その後も来るたびに「下の子がかわいく思えない」という話が続きました。私は言いたいことを言いたいだけ話してもらい、最後に「話に来てくれてありがとう」と声をかけました。

「はい、どうぞ」(写真と本文は関係ありません)
「はい、どうぞ」(写真と本文は関係ありません)

半年を過ぎたころから、Aさんに少しづつ変化が現れました。他のお母さんと育児の話をするようになり、下のお子さんの成長の話も聞かれるようになりました。

そして 1 年が過ぎたころ、「下の子をかわいいと思えるようになりました」と泣きながら思いを伝えてくれました。お母さんと抱き合って泣いたことを思い出します。

その後は以前のAさんに戻り、子育てと介護をしながら暮らしました。お子さんが小学校に上がると来ることはなくなりました。先日、久しぶりに顔を見せてくれ、「子どもが卒業するんです」と報告してくれました。いろんなことを振り返っていましたが、あの当時のしんどい思いは話されず、今のうれしい気持ちや心配ごとなどを話してくれました。

「下の子をかわいく思えない」というしんどい気持ちでいっぱいになっていたAさん。その思いを否定せずに傾聴し続けてきたことが、気持ちを和らげることにつながっていったのかもしれないと、振り返ってみて思います。いるかひろばは、自分の思いを安心して吐き出すことのできる場所であり続けたいと思います。

今まさに子育て中の皆さんの中にも、「わが子がかわいく思えない」と感じ、悩んでいる方がいらっしゃるかもしれません。「かわいく思えない」と感じることは恥ずかしいことでも、ダメなことでもありません。もしよかったら、吐き出しにいらしてみませんか?

 

土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。

高知市地域子育て支援センター「いるかひろば」はこちら

土居さんへのインタビューはこちら

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この記事の著者

門田朋三

土居寿美子

高岡郡梼原町出身。保育士として2005年から高知市の港孕保育園に勤務。07年から、港孕保育園内にある地域子育て支援センター「いるかひろば」の常勤スタッフとして、親子に寄り添った支援に取り組んできました。2019年11月に特定非営利活動法人いるかひろばを立ち上げ、理事長に。2020年から、いるかひろばをNPOとして運営しています。趣味はバレーボール。洋服やケーキなど何かを作ることも好きです。好きな言葉は「一所懸命」。

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