長男の卒園式。うれしかった「おめでとう」の言葉|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら」㉚
子育ての悩みに寄り添ってきた「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します
子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。
コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営する特定非営利活動法人の理事長・土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。
保育園について、家庭では全く語らなかった土居さんの長男。土居さんは心配な気持ちを抱えつつ、苦手なことを経験しながらも嫌がらずに登園する姿を見守りました。
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保育園に行くことは嫌がっていませんでした
毎朝、犬のペソと一緒に歩いて通った保育園。長男は転園も含めて 4 年の保育園生活となりました。
お芋ほり、遠足、他園との交流、運動会、生活発表会…。年長さんになると、クッキングや、夜の保育園などもありました。家ではなかなかできない経験もあり、ありがたいなぁと思いました。
その中には、長男が好きなこともあれば、苦手なこともありました。彼なりに頑張った保育園生活だったと思います。
保育園生活について、長男から「今日○○した」といった話をほとんど聞いたことがありません。話をするのが苦手ということもありますが、その真意は分かりません。
私もあえて、こちらから聞くことはしませんでした。なぜならば、入園当初を除くと、保育園に行くことを嫌がっていなかったからです。
ただ、親からすると、子どもの年齢が上がるにつれて、心配事は増えていきました。
小学校の一日入学でウロウロ…名前も正確には書けませんでした
年長の秋ごろに、小学校の一日入学がありました。会場では、ほとんどの同級生が家族の横にいて、列に並んでいます。
長男はと言えば、いつの間にか列から離れ、体育館の中を 1 人でウロウロしていました。そのうち、気の合う仲間数人と一緒に走り回るようになりました。
最初は息子の名前を呼び、「お母さんの横においで」と声を掛けました。ですが、私が声を掛けると、彼は余計にテンションが上がりました。ウロウロの範囲が大きくなり、舞台の方まで行っていました。
困っていると、ある先生が長男に付いてくれて、こちらまで連れてきてくれました。怒るわけでもなく対応してくださり、助かったことを覚えています。
年長の後半になると、文字遊びが始まりました。長男は、文字を覚えたり、書いたりするのが苦手でした。
だから、絵本を読むのも好きではありませんでした。まだ一人で読める段階ではありませんでしたし、家で行う読み聞かせも好んではいませんでした。自分の名前も、保育園の頃はまだ正確には書けていませんでした。
これからの成長が楽しみな一方で、「小学校に入って大丈夫かな…」という思いも正直ありました。
いよいよ卒園です
保育園を卒業する日を迎えました。
卒園式では、担任の先生が園児の名前を呼び、その子のエピソードを語ります。その間に園児は、園長先生の前に進みます。親は花道にスタンバイします。
園長先生と「おめでとう」「ありがとう」のやり取りがあり、卒園証書を頂きます。園児は受け取った卒園証書を右手に高々と上げ、花道を通って親の所に行きます。
園児は親の所に来ると、「お母さん(お父さん)、ありがとう」と言いながら、卒園証書を親に渡します。親は「おめでとう」と言葉を掛けます。親にとっては感動の場面です。
長男の番になりました。これまでのことがいろいろと思い出されて感極まり、長男の番になる前から私は泣いていました。
長男が卒園証書を受け取り、私の前に来ました。
長男:「おめでとう」
私:???
長男の一言で、会場に笑いが…(^^♪ 私も思わず笑ってしまいました。私は「おめでとう」の後に、「ありがとう」の言葉も添えました。
息子の「おめでとう」を、私は「母をねぎらってくれた言葉」と解釈しました。勝手な解釈ですが、すごくうれしかったです。
こうして、長男は無事に卒園しました。そして、いよいよ小学校生活がスタートします。
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