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比島交通公園・山ちゃんです!⑩|「ままがやさしくなりますように」。子どもの心の声から考えた「ゆるいつながり」

比島交通公園・山ちゃんです!⑩|「ままがやさしくなりますように」。子どもの心の声から考えた「ゆるいつながり」

高知県立交通安全こどもセンター園長・山崎勇人さんが交通公園の楽しみ方、子どもたちとのエピソードを紹介します

高知県立交通安全こどもセンター(高知市比島町 4丁目)は「比島交通公園」の愛称で親しまれています。

園長を務めるのが「山ちゃん」こと山崎勇人さん。地域の主任児童委員も務め、交通公園を子ども、親子の居場所にしていこうと活動しています。

コラム「比島交通公園・山ちゃんです!」では、山崎さんが交通公園の楽しみ方や、子どもたちとのエピソードを紹介します。

交通公園で子どもと関わる中で、山崎さんが大切にしているのが「心の声」。子どもはふとした瞬間につぶやきます。

コラム「比島交通公園・山ちゃんです!」はココハレの「コラム」でご覧いただけます

2023年も高知の子育てを応援していきます!

あけましておめでとうございます。2023 年もコラム「比島交通公園・山ちゃんです!」の読者の皆さんと一緒に、「高知家」の子育てを応援していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

今年最初のコラムは、僕が日々、交通公園で子どもたちと関わる中で感じる、子どもたちの心の声をお伝えしたいと思います。

短冊に書かれていた「ぜったいにかなえて」

僕の印象に強く残っている心の声があります。

「ままがやさしくなりますように ぜったいにかなえて」

交通公園で開いたあるイベントで、願いごとの短冊に書かれてありました。文字からすると、小学校低学年ぐらいの子どもでしょうか。平仮名で一生懸命書いたのだろう思います。

このメッセージ、皆さんはどう感じましたか?

単に、お母さんに怒られることが多いからなのかな。勘ぐると…最悪のケースも考えられますよね。

交通公園に遊びに来る子どもたち。ボランティアもやってくれます(写真とエピソードは関係ありません)
交通公園に遊びに来る子どもたち。ボランティアもやってくれます(写真とエピソードは関係ありません)

大勢が参加したイベントなので、誰が書いたのかは分かりませんでした。

僕は子どもの声を心に留めながら、来園する子どもたちの見守りをやんわり続けています。

心の声をキャッチしていきたい

交通公園で、僕の周りにやってくる子どもたちの家庭環境は、千差万別です。

もちろん、どのご家庭でもお子さんを大切に考え、関わっていると思います。でも、日々忙しく過ごしていると、子どもの心の声をついついスルーしてしまって…子どものストレスが外へ向かうことがあるんです。

「山ちゃんはお父さんになったら、えいお父さんになるね」「僕のお父さんになって」

僕に話し掛けてくる子どもに、以前こう言われました。それとなしに聞いてみると、親御さんが忙しく、寂しい思いをしているようでした。

子どもの心の声は、ふとした瞬間につぶやかれます(写真とエピソードは関係ありません)
子どもの心の声は、ふとした瞬間につぶやかれます(写真とエピソードは関係ありません)

心の声を聞くと、今すぐ、直接解決してあげられないやるせなさを感じます。

でも、大切なのは、心の声を聞いた後。子どもとのつながりを大事にしていきます。必要があれば、主任児童委員として関係機関との連携を考えていきます。

「すぐそばにいるよ」というメッセージを子どもたちに伝えています

僕が子どもと関わる上で大切にしているのが「ゆるいつながり」です。これまでのコラムでも登場した言葉です。

子どもたちにとって、かけがえのない存在はやはり親御さんです。親子の関わりが大切な一方で、家庭だけでは得られない社会経験もあると、自分の子どもの頃を振り返ると感じます。

僕は一人っ子で、幼少期は母に付いていろいろ出かけました。関わってくれたのは母の友人や知り合い、職場の方でした。

小学校低学年ぐらいだったでしょうか。母が勤務していたパート先の事務所に、夏休みなどに行くことがありました。携帯電話のお店だったので、お店の方から要らなくなった見本の携帯をもらい、遊びながら待っていました。

母が参加する勉強会でも、周りの皆さんが声を優しく掛けてくれて、僕は退屈せずに過ごせました。

子どもたちとゆるくつながれる場所として、交通公園を運営していきたいと思います
子どもたちとゆるくつながれる場所として、交通公園を運営していきたいと思います

毎日会うわけではないけれど、僕のことを気に掛けてくださった大人たち。思い返せばそれが「ゆるいつながり」だったのだと感じています。時代が変わり、地域で自然なつながりが減っているのであれば、つくっていくのが僕の役割です。

大人に大事にされた子どもは、その次の子どもを大事にします。「そばにいるよ」「いつでもおいで」という場所は、子どもたちの安心につながります。

僕はこれからも、子どもたちに身近な大人として、「ゆるいつながり」で見守っていきたいと思います。

 

【1/29】節分の豆まき、おはなし会、昔遊びをします

節分の豆まきの後、昔遊びを楽しみます
節分の豆まきの後、昔遊びを楽しみます

1 月 29 日(日)に比島交通公園恒例の「節分まつり」が開かれます。豆まきの後は「節分おはなし会」や昔遊びを予定しています。コロナ終息への願いを込めて、元気に豆をまきましょう。

比島交通公園・節分まつり

  • 開催日:2023 年 1 月 29 日(日)
  • 時間:豆まきは 13:30~。豆がなくなり次第終了です。豆まきの後、15:30 頃まで昔遊びをします

「節分おはなし会」は小学生までの子どもが対象で、定員は 10 人程度。当日受け付けます。

 

高知県立交通安全こどもセンター・比島交通公園

  • 住所:高知県高知市比島町 4 丁目 8
  • 電話番号:088-822-0777
  • 利用時間:8:30~18:00。年末年始は休園。園内の消毒などで臨時休園があります
  • 駐車場:無料。交通公園の専用駐車場は島津病院の南側に 30 台程度。島津病院の駐車場(交通公園の正門前)は日曜日のみ利用できます

この記事の著者

門田朋三

山崎勇人

1990 年生まれ。岡豊高校卒業後、東京ディズニーシーのキャストを 5 年間務め、高知にUターン。2015 年から比島交通公園で働き、18 年に園長に就任。現在は一般社団法人オフィスポラリスの代表理事として、交通公園を運営しています。ディズニー作品のミュージカル観劇やコンサート鑑賞が生きがい。

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