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旅立ちの3月。いるかひろばは「小学生親子との交流」を新たに始めます|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら」㉞

旅立ちの3月。いるかひろばは「小学生親子との交流」を新たに始めます|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら」㉞

子育ての悩みに寄り添ってきた「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します

子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。

コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営する特定非営利活動法人の理事長・土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。

「旅立ち」という言葉で土居さんが思い出すのが、いるかひろばを 2 年ほど利用していたある一家です。いるかひろばが人生の転機や、困ったり悩んだりした時に帰ってこられる「居場所」となっていくことを願い、3 月から小学生親子に向けた新たな取り組みを始めます。

こころのとびらはココハレの「コラム」で紹介しています

いるかひろばがスタートし、丸15年となりました

地域子育て支援センター「いるかひろば」がスタートし、丸 15 年となりました。当初利用されていた子どもたちは中学生、高校生となりました。

日常の中で、いるかひろばを卒業された親子に出会うことがあります。当時の話に花を咲かせることもあります。

いるかひろばを卒業した親子に会うと、うれしくなります
いるかひろばを卒業した親子に会うと、うれしくなります

年賀状で近況を知らせてくださる方もいて、毎年楽しみにしています。

転勤族だったAさん一家

今年の年賀状に、とても懐かしいご家族の姿がありました。Aさん一家です。

Aさんは転勤族の方でした。いるかひろばには寒い日も、暑い日も、大荒れな天気の日も、ほぼ毎日、歩いて来所されていました。

通い始めて 1 カ月ほどたった頃から、Aさんは抱えてきたしんどい思いを少しずつ話すようになりました。

お母さんに甘えちゃえ(いるかひろばの写真と本文は関係ありません)
お母さんに甘えちゃえ(いるかひろばの写真と本文は関係ありません)

ご自身の生い立ち、ご主人との関係、子どもさんとの関係…。

「子どもがやけを言う」「なかなか寝ない」「ご飯を食べない」「けんかをする」「おむつが外れない」「イライラしてつい怒ってしまう」といった、皆さん共通の悩みもありました。

いるかひろばでは、Aさんの話したいことをひたすら傾聴し、必要に応じて各関係機関と連携しながら、ご家庭を見守りました。

傾聴しながら関わりました
傾聴しながら関わりました

2 年ほどが過ぎ、ご主人の転勤が決まりました。Aさんはひどく落ち込み、「今後どうしたらいいか分からない」とパニック状態のようになりながらも、少しずつ現実を受け止め、引っ越しの準備を始めました。

最後の日、いつもの「集まりの時間」で「さよならの会」をしました。Aさんは皆さんとの別れを惜しんでいました。

子どもの成長とともに、お母さんも成長していきます

引っ越しして 3 日ぐらいしてから、電話相談が来るようになりました。新天地でのコミュニティーに慣れるまで、電話相談は週に 2~3 回ほどありました。

半年を過ぎたあたりから、電話は週に 1 回となり、2~3 週間に 1 回となりました。やがて数カ月ごとになり、2 年目を迎える頃にはほとんど来なくなりました。

その後も転勤のたびに電話相談がありましたが、転勤を重ねるにつれてなくなり、年賀状で近況報告をしてくれるようになりました。今年の年賀状では、成長したお子さんの写真に、「元気に暮らしています」とのメッセージが添えられていました。

成長するのは子どもだけではありませんね
成長するのは子どもだけではありませんね

子どもの成長とともに、お母さんも成長していくのだと感じています。子育てをしていく中で、楽しい経験やつらい経験をしながら、お母さんとしてのスキルが上がっていくのでしょう。今抱えているしんどい思いも、やがて思い出となっていくのかもしれません。

いるかひろばは、人生の転機や節目、そして困ったり、悩んだりした時に、いつでも連絡が取れる居場所であり続けたいと思います。

いるかひろばで、新たな居場所づくりがスタートします

いるかひろばでは居場所づくりの一つとして、今月から小学生の親子が来所できる日を設けることにしました。高知県内の地域子育て支援センターは未就学児が対象ですので、小学生親子の来所は新たな取り組みとなります。

小学生の皆さんには小さいお友達と遊んでもらい、親御さんには先輩保護者としての思いもお話していただけたらと思っています。第 1 回は春休み中の 3 月 27 日(月)~ 4 月 7 日(金)に行います。お時間がある方は、親子でいかがですか?

いるかひろば地域連携・小学生家族との交流週間

  • 期間:2023 年 3 月 27 日(月)~ 4 月 1 日(土)、3 日(月)~ 7 日(金)※ 4 月 2 日(日)はお休みです
  • 時間:9:30~12:00、12:30~15:30(いるかひろばの平日の開所時間と同じです)
  • 申し込み:申し込みが必要です。メール、電話でお問い合わせください

春休み、夏休み、冬休みのほか、毎月土曜日に 1 回の開催を予定しています。

 

土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。

高知市地域子育て支援センター「いるかひろば」

  • 住所:高知県高知市六泉寺町22 港孕保育園内
  • 電話:088-834-1484
  • 利用時間:月~金曜 9:30~12:00、12:30~15:30  日 、土曜日(月 2~3 回)9:30 ~ 12:00
  • 駐車場:無料。4 台(身体障害者用が 1 台)。置けない場合は提携先を案内します

オンラインいるかひろばのスケジュール

  • お試しオンライン(相談も):月~金曜日 9:30~10:00
  • オンラインいるかひろば:月~金曜日。午前は 11:00~11:30 、午後は 15:00~15:30 。通所いるかひろばとつないで「集まりの時間」を行います

 

土居さんへのインタビューはこちら

【ココハレインタビュー】「いるかひろば」理事長・土居寿美子さん|しんどい気持ち、安心して話して

この記事の著者

門田朋三

土居寿美子

高岡郡梼原町出身。保育士として 2005 年から高知市の港孕保育園に勤務。07 年から港孕保育園内にある地域子育て支援センター「いるかひろば」の常勤スタッフとして、親子に寄り添った支援に取り組んできました。19 年 11 月に特定非営利活動法人いるかひろばを立ち上げ、理事長に。20 年から、いるかひろばをNPOとして運営しています。趣味はバレーボール。洋服やケーキなど何かを作ることも好きです。好きな言葉は「一所懸命」。

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