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慣らし保育、登園渋り、登校渋り…子どもを見守っていきませんか?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら」㊵

慣らし保育、登園渋り、登校渋り…子どもを見守っていきませんか?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら」㊵

子育ての悩みに寄り添ってきた「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します

子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。

コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営するNPO法人の理事長・土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。

保育園の生活に少しずつ移行する「慣らし保育」の帰りに、いるかひろばを利用する親子がいます。泣いたり、機嫌が悪かったりする子どもたちを、土居さんは見守り、受け止めています。子どもの登園渋り、登校渋りに悩む保護者には見守りをすすめています。

コラム「こころのとびら」はこちらから

子どもの入園が早くなり、子育て支援センターの利用は0~1歳が多くなりました

いるかひろばは 2007 年、地域子育て支援センターとしてスタートしました。その当時と現在とを比べると、大きく変化していることがあります。それは、子どもの利用者の年齢です。

スタート当時は 2~3 歳の子どもさんの利用が中心でした。現在は、平日の利用者は 0~1 歳の子どもさんが中心となっています。

背景には、お母さんの職場復帰があります。復帰に伴い、1 歳になると入園される子どもさんが増えました。年度途中に入園する割合も増えています。

いるかひろばの利用者は0~1歳のお子さんが中心となりました
いるかひろばの利用者は0~1歳のお子さんが中心となりました

一方で、変わっていないこともあります。

入園の際には「慣らし保育」があります。お子さんにもよりますが、1~2 週間ほどをかけて、園の生活に少しずつに慣れていけるように配慮した関わりをしていきます。

入園されたお子さんの多くは、親御さんから離れる時に泣きます。子どもにとっては、初めて社会に旅立つ時です。当たり前だと思います。いっぱい泣いてほしいと思います。

時には保護者も、つらくて泣きたい気持ちになります。これも、当たり前の感情だと思います。

いるかひろばは入園後も利用OK。慣らし保育後に利用してくださっています

いるかひろばには、慣らし保育の後に遊びに来てくれる利用者もたくさんいます。

これまでお母さん方に伺ってきた話をひもといてみると、お迎えの後、そのまま家に帰るのと、いるかひろばに寄って遊んだ後に家に帰るのとでは、大きな違いがあるそうです。

大好きなお母さんと遊んでいます(写真と本文は関係ありません)
大好きなお母さんと遊んでいます(写真と本文は関係ありません)

入園するまでは落ち着いて遊んでいたお子さんが、入園後はお母さんから離れなかったり、泣いたり、機嫌が悪かったり…。いろんな思いを出してくれます。

「保育園で頑張ってきたもんね」
「いっぱい泣いていいよ」
「お母さんに抱っこしてもらおうね」

お母さんにも子どもにも、そんな声を掛けます。すると、お子さんは徐々に落ち着き、今までいるかひろばで遊んでいた時の状態に戻っていきます。

ひとり遊びに夢中です(写真と本文は関係ありません)
ひとり遊びに夢中です(写真と本文は関係ありません)

お子さんがお母さんから離れて遊びだしたら、今度はお母さんの思いを出してもらいます。

仕事復帰への不安や、育児と仕事の両立など、いろんなことを話してくださいます。

そんなふうに親子とも徐々に慣れていき、新しい生活に移行していかれます。

「園に行きたくない」「学校に行きたくない」…親からはあえて何も聞かずに

保育園、幼稚園の登園渋りの場合、そして学校の登校渋りの場合も、慣らし保育と同じような不安な状況があると思います。

子どもが園や学校に「行きたくない」と言いだすと、保護者は不安になります。

「休ませたら、癖になる」と思うかもしれません。

「何か原因があるはずだ…」と必死に探すかもしれません。

「どうしたの?」「何かあったの?」。子どもについ、理由を聞いてばかりになる時があるかもしれません。

親としては当たり前の感情だと思います。

次は何を作る?(写真と本文は関係ありません)
次は何を作る?(写真と本文は関係ありません)

ある時、悩んでいる親御さんにこう提案しました。

「お子さんが心配だとは思いますが、親の方からあえて何も聞かずに、見守ってみるのはいかがでしょうか」

その親御さんは即、実践されたようです。その後、「何も聞かなかったら、子どもの方からいろいろと話をしてくれました」と報告がありました。

「はい、どうぞ」。いるかひろばでは見守りから、子ども同士の関わりも生まれています
「はい、どうぞ」。いるかひろばでは見守りから、子ども同士の関わりも生まれています

「見守る」という行動は、実にエネルギーを伴います。理由を聞きたい気持ちを押さえ、子どもから発信してくれるのをじっと待つ。お母さん、お父さんのご苦労に敬意を表します。

私たちいるかひろばも、「見守り」を大事にしていきます。子育ての困りごとがあれば、一緒に考えていきたいと思っています。

 

土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。

高知市地域子育て支援センター「いるかひろば」

  • 住所:高知県高知市六泉寺町22 港孕保育園内
  • 電話:088-834-1484
  • 利用時間:月~金曜 9:30~12:00、12:30~15:30  日 、土曜日(月 2~3 回)9:30 ~ 12:00
  • 駐車場:無料。4 台(身体障害者用が 1 台)。置けない場合は提携先を案内します

オンラインいるかひろばのスケジュール

  • お試しオンライン(相談も):月~金曜日 9:30~10:00
  • オンラインいるかひろば:月~金曜日。午前は 11:00~11:30 、午後は 15:00~15:30 。通所いるかひろばとつないで「集まりの時間」を行います

 

土居さんへのインタビューはこちら

【ココハレインタビュー】「いるかひろば」理事長・土居寿美子さん|しんどい気持ち、安心して話して

この記事の著者

門田朋三

土居寿美子

高岡郡梼原町出身。保育士として 2005 年から高知市の港孕保育園に勤務。07 年から港孕保育園内にある地域子育て支援センター「いるかひろば」の常勤スタッフとして、親子に寄り添った支援に取り組んできました。19 年 11 月に特定非営利活動法人いるかひろばを立ち上げ、理事長に。20 年から、いるかひろばをNPOとして運営しています。趣味はバレーボール。洋服やケーキなど何かを作ることも好きです。好きな言葉は「一所懸命」。

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