寝てくれない、置いたら起きる…赤ちゃんに手がかかるのはなぜ?|「ゆるりとHappy子育て」①助産師・森木由美子さんが子育てを楽しめる知識、技術を紹介します
「子育てを楽しみたいけれど、うまくいかない」「かわいいはずのわが子が、かわいく思えない」。そんな思いを抱えていませんか?
コラム「ゆるりとHappy子育て」では助産師の森木由美子さんが「これを知っておくと子育てがもっと楽しめる」という知識や技術を紹介していきます。
「赤ちゃんが寝てくれない」「置いたら起きる」は、乳児期の大きな悩みですね。赤ちゃんに手がかかるのはなぜなのでしょうか。授乳、抱っこ、おむつ替え…お世話の繰り返しから、赤ちゃんはあることを理解していきます。
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助産師20年目、小学生2人の母です
はじめまして。ココハレで「ゆるりとHappy子育て」を書かせていただくことになりました助産師の森木由美子です。
ご自宅に訪問して産前産後ケアを行う、助産院はぐはぐの院長をしています。産前産後ケアのほか、子育て支援センターでの子育て講座なども実施しています。
私生活では、小学生 2 人の母をしています。
今年は、助産師になり 20 年目という節目を迎えました。
今までたくさんのご家族と関わってきた中で、また自分自身も親として子育てをする中で、「妊娠・出産・子育て」で大切だなあ、これを知っておくと子育てがもっと楽しめるなあということを、このコラムでつづっていけたらと思っています。
なんで泣いてるのか分からない…赤ちゃんはかわいいだけではありません
赤ちゃんが生まれるということは、うれしくて幸せなこと。だけど、赤ちゃんはかわいいだけではありません。
生まれてすぐから始まる授乳、抱っこ、おむつ替え。1 日も休みなくお世話する日々が始まります。
昼も夜も 2~3 時間おきの授乳。飲んだから寝るわけではなく、夜通し起きてるなんてこともありますね。
赤ちゃんは全部泣いて伝えます。なんで泣いているのか分からなくて、「こっちも泣きたいよー」という気持ちになることもあるかもしれません。
私の初めての子育てのスタートも、「寝ない」「置いたら泣く」に悩まされました。
立っていても座っていても、いつでも寝られそう。そのくらい眠気との闘いだったことは、十数年たった今も鮮明に思い出されます。
赤ちゃんはお世話をされて「人っていいものだ」と理解していきます
人間の赤ちゃんが、牛や象のように生まれて数時間で立ち上がり、自分でおっぱいを飲み、親と同じように歩けたら、親が夜な夜な抱っこで過ごすことはないでしょう。
ネズミのように生まれてすぐは目も耳も閉じており、巣の中で大人しく過ごすことができたなら、背中スイッチに悩まされることもないでしょう。
そう。一人一人個性はあれど、人間の赤ちゃんは手がかかるようにできているんです。それはなぜなのでしょう。
それは、人が育つには「親子の絆」が何より大切なことだからなんです。
毎日繰り返し、たくさんのお世話をしていく中で、赤ちゃんは「人っていいものだ」「自分ってこんなにお世話してもらえる大切な存在なんだ」ということを理解していきます。専門的な言葉で「基本的信頼」と呼ばれます。
人の赤ちゃんは脳が発達していて、「生理的早産」といわれる未熟な状態で生まれます。お母さん、お父さんをはじめ、周りの大人にお世話をしてもらわないと、生きていくことはできません。お世話の繰り返しが、親子の絆をより強いものにしていきます。
子育ての知識や技術、ちょっと意識して学んでみませんか?
そうは言っても、子育ては大変。しんどくなることも当然あります。
「子育てを楽しむ余裕なんてない、毎日必死です」と言われる方もたくさんいらっしゃいます。
核家族化、都市化が進み、幼い子どもに接する機会が少なくなりました。お母さん、お父さん自身の育児の実体験も、親や地域での育児の知恵の伝承も少なくなっています。
そのため、赤ちゃんを抱っこした経験がないまま、出産後の育児が始まることも珍しくありません。
昔は暮らしの中で、成長の過程で、自然と触れることができていた「子育ての知識と技術」。現代ではちょっと意識して学ぶことが必要です。
そうして学んでいくと、育児を楽しめるようになっていきます。
「育児は育自」。ゆるりとゆっくりと、子育てをしていくためのお手伝いができたらと思っています。
この記事の著者
森木由美子
自分自身の出産、子育てを通して、産前産後のケアの重要性を痛感し、2015 年に助産院はぐはぐを開業。出張での産後ケアに取り組んでいます。
2 児の母。趣味はピアノ、クラリネット演奏。
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