「赤ちゃんに触るのが苦手」「関わり方が分からない」…日常に取り入れたい「ふれあい遊び」とは|「ゆるりとHappy子育て」⑦助産師・森木由美子さんが子育てを楽しめる知識、技術を紹介します

「子育てを楽しみたいけれど、うまくいかない」「かわいいはずのわが子が、かわいく思えない」。そんな思いを抱えていませんか?
コラム「ゆるりとHappy子育て」では助産師の森木由美子さんが「これを知っておくと子育てがもっと楽しめる」という知識や技術を紹介していきます。
核家族化が進み、「赤ちゃんと触れ合うのは自分の子どもが初めて」というママ、パパが増えています。今回は「赤ちゃんに触るのが苦手」「関わり方が分からない」という方に、日常に取り入れたい赤ちゃんとの「ふれあい遊び」を紹介します。
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特別なこと、難しいことをしなくても大丈夫!
「赤ちゃんにどうやって触れたらいいんだろう?」「私、ちゃんと抱っこできてるかな…」
初めての赤ちゃんを目の前にして、そんな不安を感じる新米ママ・パパは、きっと少なくないはずです。核家族化が進んで、赤ちゃんとの関わりが「初めてづくし」という方も増えましたから、戸惑うのはごく自然なことなんですよね。
SNSを開けば、「〇〇しないとダメ」「これはNG」なんて情報があふれていて、見るたびに「うちの子、ハイハイしないけど大丈夫?」「体が反り返っちゃうのは変なのかな?」って、つい胸がざわついたり、不安になったりすることもありますよね。他の子と比べてしまって、しょんぼりしちゃう日もあるかもしれません。
でも、どうか安心してください。赤ちゃんの成長には一人一人、その子だけのペースがあります。

実は私も、助産師としてたくさんの赤ちゃんやママと出会ってきましたが、いざ自分の第 1 子が生まれた時は、「あれ?今日一日、どうやって過ごそう…」と途方に暮れてしまう日もありました。「この小さな命のために、何をしたら一番喜んでくれるんだろう?」と毎日毎日悩んで、赤ちゃんのいる暮らしに慣れるまでには、少なからず時間がかかりました。
でも、本当に大丈夫なんです。特別なことや難しいことなんてしなくて大丈夫。毎日の暮らしの中で、ふとした瞬間に優しく触れ合うこと。それこそが、赤ちゃんの心と体を育む一番のごちそうになるんですよ。
優しく触れることは、赤ちゃんにとって最高のコミュニケーションです
赤ちゃんの皮膚は、生まれてすぐから感覚がとっても発達しています。ママやパパに優しく触れてもらうことは、言葉を覚える前の赤ちゃんにとって最高のコミュニケーションなんです。
温かい手のひらや優しい声がけから、赤ちゃんは「愛されてる」「守られてる」と全身で感じ取ります。この安心感が、健やかな心の成長や親子の信頼関係を築く、何より大切な土台になるんですよ。

「赤ちゃんに触るの、ちょっぴり苦手だな…」「どうやって関わっていいか分からない」と感じる方も、難しく構える必要はありません。
おむつ替えの時にそっと足に触れたり、着替えの時に「気持ちいいね」と優しく声をかけながらお腹をなでてあげたり。そうした普段の何げないスキンシップからで十分なんです。
ママやパパ自身が「なんだか温かい気持ちになるな」と感じるような、心地よい触れ方を見つけてみてくださいね。
赤ちゃんとの「ふれあい遊び」を月齢ごとにご紹介!
赤ちゃんの成長って、本当にあっという間ですよね。月齢によってできることや、喜んでくれることも少しずつ変わってきます。今日からすぐに試せる、簡単な「ふれあい遊び」をいくつかご紹介しますね。
【生後すぐ~2カ月頃】優しいタッチで安心感を
まだ動きが少ないこの時期は、優しく触れて、赤ちゃんに「大丈夫だよ」「安心だよ」って伝えてあげましょう。
- 手のひらトントン… 授乳の後や寝かしつけの時、優しく背中やおなかをトントンしてあげてください。一定のリズムが赤ちゃんを落ち着かせ、安心させてくれますよ。
- おむつ替えタイムの足上げ…おむつ替えの時に赤ちゃんの足をゆっくり上げて、股関節を優しく回してあげましょう。「いっぽんばしこちょこちょ」などの歌を歌いながらだと、ママも赤ちゃんも、もっと楽しくなります。
- 声かけ&アイコンタクト…抱っこしながら、赤ちゃんの目をしっかり見て、優しい声で話しかけてあげてください。「気持ちいいね」「大好きだよ」と、心からの言葉を伝えてみましょう。

【3~6カ月頃】反応が楽しくなる時期
だんだん目が見えるようになり、手足をバタバタさせたりと、赤ちゃんからのかわいい反応が見られるようになります。
- いないいないばあ…赤ちゃんが「次は何が起こるかな?」とワクワク予測して、ぱっと現れるママやパパの顔に「きゃっ」と声を出すことも。目と目で通じ合う喜びを一緒に感じられますよ。
- ベビーマッサージ…オイルなどを使い、手足や背中を優しくなでてあげましょう。「このへん、気持ちいいかな?」と赤ちゃんの反応を探ってみるのも楽しい時間です。
- 指握り&足裏くすぐり…赤ちゃんがぎゅっと指を握り返してくれたり、足の裏をくすぐるとくすぐったそうにしたり。小さな反応を見つけて、一緒に「やったね!」って喜んであげてください。

【7~12カ月頃】体を動かす遊びをプラス
寝返りやハイハイ、つかまり立ちと、動きがぐんと活発になる時期。体を動かす遊びを取り入れてみましょう。
- ひこうきブーン…ママやパパがあおむけに寝て、おなかの上に赤ちゃんを乗せ、軽く持ち上げて「ひこうきブーン!」。体幹やバランス感覚を育むだけでなく、高い高いの喜びも味わえます。
- 歌に合わせた手遊び…童謡に合わせて手拍子をしたり、手を上下に動かしたり。リズム感と言葉への興味を促す、楽しい時間になりますよ。
- つかまり立ちをサポート…赤ちゃんがつかまり立ちをしようとしたら、そっと手を差し伸べてサポート。一緒に立ち上がる感覚を味わい、できた喜びを分かち合ってあげてください。

「完璧なママ・パパにならなくちゃ」なんて思い詰めなくても大丈夫です。ママやパパが笑顔でいること、それが赤ちゃんにとって一番の安心材料であり、何よりの栄養なんです。
今日からできる、ちょっとした「ふれあい遊び」を通して、赤ちゃんとのかけがえのない絆をゆっくりと深めていってくださいね。
「ゆるりとHappy子育て①」はこちら。画像をタップしてもご覧いただけます!
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この記事の著者

森木由美子
自分自身の出産、子育てを通して、産前産後のケアの重要性を痛感し、2015 年に助産院はぐはぐを開業。出張での産後ケアに取り組んでいます。
2 児の母。趣味はピアノ、クラリネット演奏。
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