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イチ押しニュース】ウクライナを支援するチャリティーコンサートが5月17日、高知県立美術館ホールで開かれます

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナを音楽で支援しようと、高知市のピアニスト・藤原鈴佳さんらが 5 月 17 日(火)、高知県立美術館でチャリティーコンサートを開きます。ウクライナゆかりの曲や歌が披露され、収益がウクライナ大使館に寄付されます。

ロシア音楽に心ひかれ、ロシアに留学し、ウクライナなど各国から来た学友と腕を磨いたという藤原さん。「自分にできるのはコンサート」と語っています。

コンサートには留学仲間のピアニストや高知少年少女合唱団などが出演します。遠く離れた高知でも、支援の輪が広がっています。

高知市のピアニストら 音楽でウクライナ支援 5/17チャリティー公演 県立美術館

(高知新聞 2022 年 4 月 26 日掲載)

ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナ。その文化を紹介し、支援につなげようと高知市のピアニスト、藤原鈴佳さん(33)らが5月17日、高知市高須の県立美術館でチャリティーコンサートを開く。県内合唱団も協力し、ウクライナゆかりの楽曲の演奏や合唱が行われる。経費を差し引いた収益はウクライナ大使館に寄付する。

チャリティー公演を企画したピアニストの藤原鈴佳さん(写真はいずれも高知市丸池町の市勤労者交流館)
チャリティー公演を企画したピアニストの藤原鈴佳さん(写真はいずれも高知市丸池町の市勤労者交流館)

藤原さんは幼い頃にピアノを始め、中でもロシアの音楽に心ひかれた。「重厚な和音と悲しくも熱く湧き上がるようなフレーズが魅力的」と語る。ピアニストを目指し、くらしき作陽大学(岡山県)の特別コースで、ロシア国立モスクワ音楽院の教授陣らに指導を受け、ロシア語も学んだ。

卒業後、演奏活動と並行して実家でピアノ指導を始めたが、技術の向上や曲の解釈をより深めたいと一念発起。2014年から4年近く同音楽院に留学し、ウクライナなど各国から来た学友と腕を磨いた。

日々の生活で出会ったロシアの人たちは優しかった。通りすがりの人も「寒いから帽子をかぶって」「そんな靴じゃ滑るよ」と心配してくれ、重い荷物を持っていれば運ぶのを手伝ってくれた。「嫌な思いは一つもしなかった」。文化や人も大好きになり、帰国後もロシア音楽の魅力を伝える演奏会などを開いてきた。

だから、ロシアのウクライナ侵攻の報に大きな衝撃を受けた。

「ロシアが好きでロシア音楽を学んだのは自分のアイデンティティー。それに罪悪感を感じた」

軍事侵攻が続く中、ロシアで学んだ音楽家や学友が反戦を訴えていることを知った。ウクライナにルーツを持つ人もロシア人も、SNS(交流サイト)のアイコンにウクライナ国旗を付けたり、侵攻に反対するメッセージを発信したり。セルゲイ・クズネツォフ(浜松国際コンクール2位)といったピアニストや著名な音楽家が多数、戦争の即時停止や交渉による解決を求める署名を公表している。

こうした人々に背を押され、藤原さんは「ウクライナのために何かしないと。自分にできるのはコンサート」と開催を決めた。

ウクライナ音楽は日本であまり知られていないが、情緒ある半音進行、シンプルで切ないメロディーが特徴。「ロシアの音楽家」として知られるチャイコフスキーら、ウクライナにルーツがある作曲家も多いという。

ウクライナ国歌を練習する高知少年少女合唱団員ら
ウクライナ国歌を練習する高知少年少女合唱団員ら

コンサートには留学仲間のピアニスト、浅田萌さん=高松市=や高知少年少女合唱団などが出演。国歌やウクライナゆかりの「展覧会の絵」、民謡「鳥の歌」など15曲ほどを披露する。

16日には、同国出身で高知工科大学の研究者、コスチャンチン・オヴシアンニコウさん(31)が合唱団メンバーに国歌「ウクライナは滅びず」や民謡の歌詞の発音を指導。団員ら約20人と歌いながら、「コザッツのツはしっかり発音します」「ここはニェではなくネの音に近い」などと伝えた。

指導を受けた高知国際高1年の豊田友里さん(16)は「国歌の意味を学んだ。誇りを持って歌いたい」。オヴシアンニコウさんは「ウクライナの芸術や文化を知ってもらうことは将来の交流に大きな意味がある。芸術面での支援に心から感謝しています」と目を細めた。

藤原さんは「音楽で元気を届けたい。傷ついた人を癒やすケアのために、資金協力をお願いしたい」と呼び掛けている。

コンサートは午後7時開演。大人2千円、高校生以下1500円。問い合わせはsawaji.3464@gmail.comへ。(森田千尋)

四万十町は5月5日
藤原さんらは5月5日にも、高岡郡四万十町香月が丘の四万十緑林公園でコンサートを開く。午後1時半からで、高知少年少女合唱団とウクライナの国歌や民謡などを披露。寄付を募る。入場無料。

 

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ココハレ編集部

ココハレ編集部

部員は高知新聞の社員 6 人。合言葉は「仕事は楽しく、おもしろく」。親子の笑顔に出合うことを楽しみに、高知県内を取材しています。

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