新聞記事をSDGsの視点で読み解いてみよう!|週刊高知の子どもニュース(2022年7月30日~8月5日)
8 月に入り、熱中症警戒アラートが連日発表され、酷暑が続く夏休み。今週、高知の子どもたちはインドア、アウトドアでさまざま活動に取り組みました。
新聞記事をSDGs(国連の持続可能な開発目標)の視点で読み解くワークショップが高知市など 4 会場で行われ、小学生の親子らが、環境問題や住みよいまちづくりへの理解を深めました。
2022 年 7 月 30 日~ 8 月 5 日に高知新聞に掲載された子どもたちのニュースをお届けします。
目次
消防団シャッターを香北中生が絵で彩り 香美市
(高知新聞 2022 年 7 月 30 日掲載)
香美市の香北中学校の生徒がこのほど、同市香北町の市消防団美良布分団屯所のシャッターを絵で彩り、住民らを楽しませている。
屯所は老朽化で壁やシャッター(縦3メートル、横8メートル)が色あせていた。新型コロナウイルス禍で地元行事が減っていることもあり、少しでもにぎやかな雰囲気になるよう同分団が同校美術部に依頼した。
美術部員6人を含む15人が21~26日に作業。紫やオレンジ、ピンクなど色とりどりの円を背景に、香北の自然公園で見られるフジバカマとアサギマダラを描いた。
安沢ももさん(14)は「閉まっている店が多く、人通りも少ない。ここが写真スポットになって、人が集まる場所になってほしい」と話していた。(福井里実)
北海道の小学5、6年生が越知で川遊び 3年ぶりの訪問楽しむ
(高知新聞 2022 年 7 月 30 日掲載)
北海道滝上町の小学5、6年生が28日、友好交流町協定を結んでいる高岡郡越知町で越知小学校の児童たちと川遊びなどを楽しんだ。児童の直接交流は3年ぶりで、ともに夏のひとときを満喫した。
高吾北地域から滝上町への入植者が多かった縁で、両町は2001年に協定を締結。13年度からは双方の5年生が夏は越知、冬は滝上を訪問していたが、新型コロナウイルスの影響で20、21年度はリモート交流のみになっていた。
今回は21年度に越知へ来られなかった6年生も含め、滝上の2校から計23人が来高。越知小の5、6年生68人と宮の前公園(越知丙)近くの仁淀川でカヌーやラフティング、釣りを体験した。両校児童はカヌーのオールで水を掛け合うなど、打ち解けた様子ではしゃいでいた。
滝上小6年の伊勢谷心君(12)は「高知は初めて。暑いけど、こんな冷たい川で遊べて楽しかった。また来たい」と笑顔。越知小6年の山田千尋さん(11)は「冬に北海道へ行って、今度は滝上の魅力を知りたい」と話していた。(楠瀬健太)
梼原中高34人が「サマースクール」で大学生に学ぶ 梼原町
(高知新聞 2022 年 7 月 31 日掲載)
高岡郡梼原町の梼原高校と梼原中学校の生徒がこのほど、県外の大学生から自己分析や考え方などを学ぶ「サマースクール」に参加し、学校とはひと味違うゼミ風の授業で考えを深めた。
目的を持って将来の選択を考えてもらおうと、町教委が教育事業を手がけるHLAB(エイチラボ=東京)と連携して昨夏初めて開催。今回は同町田野々の越知面遊友館で25~27日に行われ、中1~高2生計34人が参加した。
大学生は、米国や都内の大学に通う7人。建築やマーケティング、ジェンダーなどそれぞれの専攻で授業し、中高生は4人を選んで受講した。
同町出身で梼原中高を卒業した早稲田大学人間科学部2年、西岡杏珠さん(20)は、行動分析学を日常的な習慣に当てはめ、きっかけ、行動、結果の流れを説明。顔を洗うなど絶対することに合わせて英単語を暗記するなどを勧めていた。
梼原高2年の川上太陽さん(17)は「大学生は優しく向き合って話を聞いてくれ、新しい自分を発見できた。来年もあれば参加したい」と刺激を受けていた。(富尾和方)
記事中のSDGs探そう 県内4会場 WSに親子140人
(高知新聞 2022 年 8 月 1 日掲載)
新聞記事をSDGs(国連の持続可能な開発目標)の視点で読み解くワークショップがこのほど、高知市など4会場で行われ、小学生の親子ら約140人が、環境問題や住みよいまちづくりへの理解を深めた。
高知新聞販売所でつくる高新会と本社が初めて企画。参加者は「人や国の不平等をなくそう」「気候変動に具体的な対策を」などSDGsの17目標と具体的な行動をまとめた特製カードで学習した後、新聞記事からSDGsと関連する記述を探し出していった。
7月30日の高知会場では、香南市のヤ・シィパーク20周年の取り組みをまとめた記事を選んだ児童が「障害のある人も気軽に海遊びできるようにして、不平等をなくしている」「鉄道の駅や道の駅も整備され、住みやすいまちづくりが進んでいる」などと読み解きの“成果”を発表。他にも豊かな発想で記事と17目標を結び付ける発表が続いた。
高知市の小高坂小4年の横川新さんは「SDGsのことが少し分かったので、夏休み中に他の記事を読んで、いろいろ調べたい」と興味津々な様子。母の美智子さんは「今までこうした視点で新聞を読んだことがなかったので、勉強になった」と話していた。(岡林知永)
中土佐町小中生が社会への思い熱弁 弁論大会に12人
(高知新聞 2022 年 8 月 2 日掲載)
高岡郡中土佐町教委主催の小中学生弁論大会がこのほど、同町久礼の人権啓発センターで開かれ、児童生徒12人が家庭や学校生活、社会問題について抱いた思いや意見を熱弁した。
7月30日の大会で小学生部門は3校の5、6年生6人が登壇。ロシアのウクライナ侵攻や、大阪府で2歳児が放置され熱中症で死亡した事件などを取り上げ、平和や命の大切さを訴えた。
中学生部門は2校6人。髪を寄付するヘアドネーションや、新型コロナワクチン接種の副反応を題材に、病気や障害がある人への思いやりを学んだ経験などを発表した。
最優秀賞は小学生が久礼小6年の服部ひなたさん(12)で、ドラえもんに登場するしずかちゃんから、誰とも分け隔てなく接するコミュニケーションのヒントを得たと話した。中学生は、職場体験で大野見地区の食材に魅力を感じ、発信する仕事をしたいとの夢を語った大野見中3年、岡村海凪(みなぎ)さん(15)が選ばれた。(富尾和方)
ジョン万が縁、沖縄との野球交流再開 土佐清水市で3年ぶりに児童が試合
(高知新聞 2022 年 8 月 2 日掲載)
沖縄県豊見城市の少年野球チームがこのほど土佐清水市を訪れ、同市のチームと3年ぶりとなる交流試合を行って親睦を深めた。
ジョン万次郎が米国から帰国し、半年ほど豊見城市に滞在していた縁で、両市は1993年に姉妹都市協定を締結。毎年少年野球の交流を続けていたが、新型コロナウイルスのため中断していた。
今年は豊見城市から小学5、6年生13人が来高。7月30日に清水中学校のグラウンドで土佐清水ファイターズと対戦した。雨で足元が悪い中、両チームともはつらつとしたプレーで観客を沸かせた。
11ー2で勝利した豊見城市チームの6年、前上里星海(せな)君(11)は「相手も頑張ってて、なかなか打てなかった。土佐清水に来られてうれしい」とにっこり。清水小6年、久保海斗君(12)は「本気でやったから負けて悔しい。今度はリベンジしたい」と話していた。(小笠原舞香)
VR・起震車で揺れ体感 中学生研修 煙から脱出も 高知市
(高知新聞 2022 年 8 月 2 日掲載)
県内中学生が参加する「防災いのぐ記者」の研修会が7月31日、高知市の高知新聞社で開かれた。生徒11人が県の起震車でVR(仮想現実)映像を見ながら揺れを体験。煙が満ちたテントからの脱出にも取り組み、南海トラフ地震や火災への備えを確認した。
起震車では、生徒がVR用のゴーグルを装着。今にも倒れそうな食器棚や食卓にしがみつく人といった、強震に襲われた動画が眼前に流れる中、実際に激しい揺れを体験した。それぞれが机の縁をつかんで踏ん張るのがやっとで、付属中1年の尾崎旬さん(13)は「物が落ちる音や映像で、より怖さを感じた。本棚やテレビを固定したい」と話していた。
煙体験では高知市消防局職員が「津波で流された物に火が付くと、火災になる。より高い所に避難を」と呼び掛け。白煙が充満した閉鎖型のテント(長さ4・8メートル)内へ入った生徒は視界の悪さと障害物に苦戦。かがんだり、内壁を伝ったりして通り抜けた。
高知国際中1年の片山潤さん(12)は「煙を吸わず、早く逃げることを心掛ける」と気を引き締めていた。(藤枝武志)
高知県内3小制作のアニメ上映へ 京都のイベント 児童が地域の魅力紹介
(高知新聞 2022 年 8 月 3 日掲載)
高知県内3小学校の児童が制作したアニメーション3作品が、京都市で6、7の両日に開かれる短編アニメ上映会「Animation Runs!」の上映作品に選ばれた。子どもが制作した作品の出品は珍しいといい、児童は「選ばれてうれしい。取り組んでよかった」と喜んでいる。
大篠小(南国市)の「【大篠の宝物】やまちょう:3年3組」(約2分、2022年)、越知小(高岡郡越知町)の「美しい仁淀川」(約5分、20年)、大月小(幡多郡大月町)の「大月の宝物―The Treasures of Otsuki―」(約8分、16年)の3作品。
大篠小の作品は、閉店した近くの駄菓子屋の復活を願う物語。越知小は自然豊かな仁淀川、大月小は柏島の海や郷土料理などを紹介。いずれも地域の魅力を伝えている。
各作品は、アニメを通じた教育を広めている「あにめのいろは」(大月町一切)代表の間崎真由子さん(42)らの指導を受けながら、児童がストーリーを考案。手描きのキャラクターを少しずつ動かして撮影するこま撮りやナレーション録音、BGM演奏などに取り組んだ。
同上映会には、映像作家や団体などから90以上の出品があり、選考の結果、3作品を含む74作品が上映されることになった。主宰者は「面白さや独自性などに注目した。考えや思いを映像で表現するため、アニメをもっと教育に取り入れてほしい」としている。
間崎さんは「子どもが自信を持ち、地域を誇りに思う機会になればうれしい」と話している。
3作品が上映される6日には、間崎さんと大篠小の児童がオンラインで「舞台あいさつ」する。作品は動画投稿サイト「ユーチューブ」でも視聴できる。(上野芙由子)
同じ安田中、生徒がオンライン交流 高知・安田町―新潟・阿賀野市
(高知新聞 2022 年 8 月 4 日掲載)
安芸郡安田町と新潟県阿賀野市は3日、それぞれにある安田中学校同士のオンライン交流会を開いた。生徒たちは地元の自慢を発表し合い、和やかな時間を楽しんだ。
同町は、新潟県の旧安田町(やすだまち)と1994年に姉妹町提携を締結。合併して阿賀野市となってからも交流を続けている。
今回は双方の安田中から7人ずつ14人が参加し、土地柄や学校の特色などを紹介。高知側は味に定評のある安田川のアユや、全国区のゆるキャラ「安田朗(あんたろう)」などをアピールした。
新潟側の「安田中出身の有名人はいますか?」との質問には「今はいないが、今後出てくるかも」と答え、笑いを誘っていた。
高知の安田中3年、山崎康平さん(15)は「コロナが収束したら安田川で一緒にアユを釣ったりキャンプをしたい」と話していた。(植村慎一郎)
児童が海の生物と“添い寝” 室戸市廃校水族館で宿泊体験
室戸市室戸岬町のむろと廃校水族館に宿泊しながら同市の自然や産業に触れる体験イベントが、3日から2泊3日の日程で始まった。県内外の児童たちが海の生物と“添い寝”するなど非日常のひとときを楽しんでいる。
国立室戸青少年自然の家の主催で、小学4~6年生22人が参加。5日までの期間中、同水族館を拠点に定置網漁の見学やウミガメの放流などを行う。
初日の体験は、同水族館が閉館した午後6時にスタート。子どもたちは照明の落ちた夜の水族館を見学した。「イセエビはライトを当てると目が光る」「ウミガメは底の方に集まって眠る」など飼育員の解説に耳を傾け、普段見られない夜の生態に目を輝かせていた。
就寝時はウミガメやエイ、ボラが泳ぐ水槽を囲うようにして寝袋にくるまった。三和小4年の中村隼人君(9)は「夜の水族館はワクワクする。ウミガメと泳ぐ夢が見られそう」とうれしそうに話していた。(板垣篤志)
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