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夫婦のすれ違い、ぶつかり合いは悪いこと?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら」㊷

夫婦のすれ違い、ぶつかり合いは悪いこと?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら」㊷

子育ての悩みに寄り添ってきた「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します

子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。

コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営するNPO法人の理事長・土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。

子育てをしていると、パートナーと意見がすれ違ったり、時にぶつかり合ったりします。「どうして分かってくれないの?」とストレスも増えますが、「お互いに分かり合いたいという気持ちが根本にある」と土居さんは考えています。

コラム「こころのとびら」はこちらから

SNSでの関わりは便利ですが、一方通行にも…

前回のコラムでインスタグラムのお話をしました。いるかひろばの様子をストーリーズに投稿しています。

いるかひろば、インスタグラムを始めました

あらためて、子育ての環境はずいぶん変わったと感じます。

いるかひろばがスタートした 2007 年頃は、まだガラケーの時代。育児に関する情報収集はチラシやお便りなど、紙ベースでした。

子育て親子のつながりも、支援センターに出向いてみる、公園に行ってそこに集まっている親子と遊ぶ、友達親子と遊ぶといったことでした。

いるかひろばでも紙のお便りに加え、ウェブサイトやインスタグラムでもお知らせするようになりました
いるかひろばでも紙のお便りに加え、ウェブサイトやインスタグラムでもお知らせするようになりました

ガラケーからスマートフォンに移り、今はSNSの時代。わざわざ出向いていかなくても、スマホでいろんな所につながります。知りたい情報もすぐにゲットでき、私も活用しています。

本当に便利な世の中になりました。でも、考え方の角度を少し変えてみると、SNSでの関わりはともすれば一方通行になることもしばしば…。

「意見が食い違う」「思いが伝わらない」…ストレスになりますよね

人とコミュニケーションを取っていく上では、意見が食い違う、思いが伝わらないということが起こります。

そうすると、相手としゃべるのが嫌になってしまったり、もっと言えば「会いたくない」など、負の感情も生まれます。それがストレスとなり、相手との会話はもちろん、会うことさえ避けてしまいがちになっていくように思います。

その点、SNSでのつながりは、実生活と違って簡単です。「イヤ」「関わりたくない」と思えば、SNSを開かなければいいのです。楽だなと思いますが、コミュニケーションは途切れてしまいます。

遊びもコミュニケーションです
遊びもコミュニケーションです

人がストレスを感じる一番の要因は「人とのコミュニケーション」と、雑誌で読んだことがあります。

その意見には同感します。でも同じくらい、相反する思いもあります。

何が好きで、何が嫌?何が得意で、何が苦手?

私の場合、意見のすれ違いをそのままにして過ごしても、気持ちは晴れません。それどころか、もんもんとした気持ちがたまってくるばかりです。

わが家の場合、子育てが始まってから、夫との関係で徐々にストレスがたまっていきました。ストレスをなくすため、お互いの思いを伝えますが、ぶつける感じで一方通行になるばかり。けんかを避けたいので我慢し、気持ちを抑え込むという繰り返しでした。

最悪の状況を打開するために考えたのが、以前のコラムでもお伝えした「その人の気質を考える」「自分の気質を考える」でした。

子どもたちがまだ小さかった頃、夫との関係は試行錯誤の連続でした
子どもたちがまだ小さかった頃、夫との関係は試行錯誤の連続でした

例えば、「部屋の片付けをいつやるか」という問題。子どもたちが保育園から帰ってくると、部屋はすぐにおもちゃでいっぱいになります。

私…子どもたちに落ち着いて過ごしてもらいたい。片付けよりも、食事、お風呂、睡眠が優先。片付けは子どもたちが寝てから、自分がしたらいい

夫…仕事から帰ってきて部屋が散らかっていると、機嫌が悪くなる。イライラを隠さず、大きな音を立てて、すぐに掃除を始めることもある

片付け一つでも、私と夫では「これぐらいなら大丈夫」の許容範囲のレベルが異なりました。

部屋がおもちゃでいっぱい。「すぐに片付けたい」という人もいれば、「後回しでいい」という人もいます
部屋がおもちゃでいっぱい。「すぐに片付けたい」という人もいれば、「後回しでいい」という人もいます

いるかひろばの利用者からも、夫婦のすれ違いに関する悩みをよく聞きます。お互いの価値観や許容範囲が異なる場合、ずれている場合は、気持ちの折り合いを付けるのは大変ですよね。わが家も何年もかかりました。

相手と分かり合うためにはやはり、コミュニケーションが大切です。

「この人は何が得意で、何が苦手?」「何が好きで、何が嫌?」

自分自身についても、得意や苦手、好きや嫌いを考えます。

相手や自分を把握して関わると、うまくコミュニケーションを取っていけるのではないでしょうか。相手が子どもや家族だけでなく、友人、ご近所付き合いなど、どの人間関係にも当てはまると思います。

コミュニケーションは積み重ねですね
コミュニケーションは積み重ねですね

時にはすれ違いやぶつかり合いに発展することもあるでしょう。その根本にあるのは「お互いを分かり合いたい」という気持ちです。その繰り返し、積み重ねでコミュニケーションは深まっていくのだと思います。

子育て中の皆さん、一緒にコミュニケーションを取っていきませんか?

 

土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。

高知市地域子育て支援センター「いるかひろば」

  • 住所:高知県高知市六泉寺町22 港孕保育園内
  • 電話:088-834-1484
  • 利用時間:月~金曜 9:30~12:00、12:30~15:30  日 、土曜日(月 2~3 回)9:30 ~ 12:00
  • 駐車場:無料。4 台(身体障害者用が 1 台)。置けない場合は提携先を案内します

オンラインいるかひろばのスケジュール

  • お試しオンライン(相談も):月~金曜日 9:30~10:00
  • オンラインいるかひろば:月~金曜日。午前は 11:00~11:30 、午後は 15:00~15:30 。通所いるかひろばとつないで「集まりの時間」を行います

 

土居さんへのインタビューはこちら

【ココハレインタビュー】「いるかひろば」理事長・土居寿美子さん|しんどい気持ち、安心して話して

この記事の著者

門田朋三

土居寿美子

高岡郡梼原町出身。保育士として 2005 年から高知市の港孕保育園に勤務。07 年から港孕保育園内にある地域子育て支援センター「いるかひろば」の常勤スタッフとして、親子に寄り添った支援に取り組んできました。19 年 11 月に特定非営利活動法人いるかひろばを立ち上げ、理事長に。20 年から、いるかひろばをNPOとして運営しています。趣味はバレーボール。洋服やケーキなど何かを作ることも好きです。好きな言葉は「一所懸命」。

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