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「アンコンシャス・バイアス」を知っていますか?|「男性とは」「女性とは」無意識の思い込み…こうち男女共同参画センター「ソーレ」の企画展に行ってみました

「アンコンシャス・バイアス」を知っていますか?|「男性とは」「女性とは」無意識の思い込み…こうち男女共同参画センター「ソーレ」の企画展に行ってみました

「アンコンシャス・バイアス」という言葉を最近、取材などでよく聞きます。

アンコンシャス・バイアスは「無意識の思い込み、偏見」と訳されます。過去の経験や周囲から見聞きした情報から、自分では気づかないうちにつくられるものの見方、捉え方のゆがみのことだそうです。

性別で言うと、例えば「男性は仕事をして家計を支えるべきだ」「女性は感情的になりやすい」など。確かに、自然にそういうものだと思っていたかも…。

自分の中の「アンコンシャス・バイアス」に気付ける企画展が開催中と聞き、こうち男女共同参画センター「ソーレ」(高知市旭町3丁目)にココハレ編集部員が行ってみました。

赤ちゃんのお世話、会社の方針発表…聞こえてきたのは男女どちらの声?

「アンコンシャス・バイアス」は公益社団法人ACジャパンの 2023 年度の全国キャンペーンで話題となりました。

タイトルは「聞こえてきた声」。テレビCMでは漫画のせりふが画面に現れます。

ベランダで洗濯物がなびき、赤ちゃんの泣き声が聞こえる中、「はいは~い、今行くね~」「よしよし、よしよし…」

高層ビルを背景に拍手が鳴り響く中、「我が社の経営方針を発表します」

複数の場面の最後に「聞こえてきたのは、男性の声ですか?女性の声ですか?」とナレーションが入ります。

「はいは~い、今行くね~」は若い女性の声、「我が社の経営方針を発表します」は年配の男性の声にしか聞こえなかったココハレ編集部員。「自分は思い込みや偏見のない方だ」と思っていたので、考えさせられました。

 

そんなココハレ編集部員が向かったのが、高知市旭町 3 丁目にあるこうち男女共同参画センター「ソーレ」。6 月は「男女共同参画推進月間」とのことで、企画展「性別役割分担意識チェック」が 30 日(日)まで開かれています。

こうち男女共同参画センター「ソーレ」
こうち男女共同参画センター「ソーレ」

1 階のロビーでは「ハッと体験」ができるというパネルなどが展示されていました。「自分の中の無意識の思い込みに気づいてもらいたい」と、ソーレの職員さんたちが展示内容を考えていったそうです。

1階はパネル展示が行われています
1階はパネル展示が行われています

「男の子らしさ」「女の子らしさ」の固定観念は幼い頃から育まれていきます

例えば、こちらのおもちゃのイラスト。女の子にはどちらを渡しますか?

かわいい人形と、かっこいい車のおもちゃ。女の子に渡すのはどっち?
かわいい人形と、かっこいい車のおもちゃ。女の子に渡すのはどっち?

「男の子らしさ」「女の子らしさ」を決めつけるのはよくないと分かっていても、やっぱり人形を渡したくなります。

ソーレの担当者さんにそう伝えると、「そうですよね、分かります」。こんな時は大人が選んで渡すのではなく、子どもに好きな方を選んでもらうのがいいそう。

「『性別にふさわしいもの』ではなく、『この子が好きなもの』と考えてみませんか?子どもが自分が好きなものを自由に選ぶ機会にもなります」

「男の子には青い服、女の子にはピンクの服」といった「男の子らしさ」「女の子らしさ」の固定観念は幼い頃から育まれていきます。性別にかかわらず、「自分が好きなものを自分で選んでいい」と教えていきたいなと思いました。

「男性だから」「女性だから」に寄せられた県民の声…中高年層も実はもやもやしています

「男性だから」「女性だから」と決めつけるような言葉を周囲からかけられ、もやもやした経験はありませんか?

「モヤモヤ経験をシェアしよう」というコーナーでは、県民から寄せられたさまざまな“もやっと体験”が紹介されています。

小さい子どもにも「男の子は泣いたらダメ」と言ってしまいがち
小さい子どもにも「男の子は泣いたらダメ」と言ってしまいがち
運転の上手・下手は人それぞれ。別に性別でまとめる必要はないですよね
運転の上手・下手は人それぞれ。別に性別でまとめる必要はないですよね

「女の子だから上品に笑いなさい」「食事の取り分けは女性がするものだ」など自分が言われた経験のある言葉もあり、「分かる、分かる!」。そんなココハレ編集部員がハッとさせられたのが、60 代男性から寄せられたこちらの言葉でした。

「喪主は長男がするのが当たり前!」

男性の中にも「生きづらさ」を感じている人はいます。特に中高年の男性には「性別役割についてもやもやする言葉を発する方」という印象がありますが、それも勝手な思い込み。人によって違うよね…と反省しました。

1 階には他にも、育休中のお父さんの写真や、妻や家族の介護を担う男性へのインタビューが展示されています。

男性の子育ては「特別なこと」ではないですよね
男性の子育ては「特別なこと」ではないですよね
介護は女性の仕事?男性も担っています
介護は女性の仕事?男性も担っています

あなたの中の「アンコンシャス・バイアス」は?高知県民に意識調査

ソーレを運営する公益財団法人・こうち男女共同参画社会づくり財団は 2023 年度、高知県民を対象にウェブで意識調査を行いました。3 階ではその結果が紹介されています。

3階ではジェンダー(社会的・文化的な性差)の解説や、高知県民への意識調査の結果などが紹介されています
3階ではジェンダー(社会的・文化的な性差)の解説や、高知県民への意識調査の結果などが紹介されています

「アンコンシャス・バイアス」については「知らない」と答えた人が 84%、「聞いたことがあるが、意味は知らない」が12.2%。まだまだこれから浸透していく言葉のようです。

アンコンシャス・バイアスの認知度は?(企画展のパネルより)
アンコンシャス・バイアスの認知度は?(企画展のパネルより)

代表的な性別役割意識についても調査されていました。

男女ともに「そう思う」「どちらかといえばそう思う」という回答が最も多かったのがこちら。

「女性には女性らしい感性があるものだ」

確かに、仕事では「女性ならではの視点で」と言われたことがあるし、自分でもそう思って生きてきた…。

男女ともに抱いている性別役割意識とは?(企画展のパネルより)
男女ともに抱いている性別役割意識とは?(企画展のパネルより)

「アンコンシャス・バイアスは誰にでもありますし、なくなるものではありません。それ自体に『良い』『悪い』もありません」と担当者さん。

ただ、自分の中の「当たり前」を「これが普通だ」と決めつけたり、相手を理解する物差しにしたり、相手に押しつけたりすると、嫌な思いをする人、傷つく人がいるかもしれません。

「自分の中にも無意識の思い込みがある」と自覚し、「普通はこう」という考えを「本当にそうかな?」と疑ってみることが大事だそうです。

ジェンダーの問題を考える際によく取り上げられる「優秀な外科医」も展示されています。外科医と子どもの関係、分かりますか?
ジェンダーの問題を考える際によく取り上げられる「優秀な外科医」も展示されています。外科医と子どもの関係、分かりますか?

企画展は6/30(日)まで。土日はシールラリーが楽しめます

ソーレの企画展「性別役割分担意識チェック」は 6 月 30 日(日)まで。「ハッと体験で気づいたこと、『あれ?』と感じたことを考えたり、周囲の人と話してみるきっかけにしてください」と呼びかけています。

土日限定でシールラリーが行われていて、参加者にはプレゼントがあります。数に限りがあるそうですので、ご注意ください。

シールラリーの参加者にはプレゼントがあります
シールラリーの参加者にはプレゼントがあります

6 月 29 日(土)13:30 から、男女共同参画推進月間の講演会が開かれます。会場とオンラインで参加できます。詳しくはこちらから

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

小 3 と年長児の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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