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晩ご飯の後、食器はすぐ洗う?子どもが寝てから洗う?「こだわり」の強い夫に試した「あの手この手」|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら・57」

晩ご飯の後、食器はすぐ洗う?子どもが寝てから洗う?「こだわり」の強い夫に試した「あの手この手」|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら・57」

子育ての悩みに寄り添ってきた「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します

子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。

コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営するNPO法人の理事長・土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。

長男に続き、次男が生まれた土居家。少しずつ見えていた夫の「こだわり」が、よりはっきりしてきました。土居さんが悩んだことの一つが家事。晩ご飯の後、食器はすぐに洗いますか?それとも、子どもが寝てから洗いますか?

コラム「こころのとびら」はこちらから

「すぐ片付けたい夫」と「子どもが寝てから片付けたい私」

次男が誕生し、4 人家族となったわが家。長男と 3 人で暮らしていた頃よりも、夫の個性がはっきりしてきました。

まず、気になったのがこちら。

  • こだわり
  • ルーティン
  • パニック

夫を見ていると、「あらあら、長男と一緒」。何ごとも自分を主語に考えていることに気づきました。

4人家族になり、夫の個性が見えてきました
4人家族になり、夫の個性が見えてきました

夫の行動をよく見ていると、「なぜそんなことに腹を立てるの?」ということにたくさん気づきました。

こだわりの一つが、掃除と片付けです。

例えば、食事の後の食器の片付け。「食べたらすぐ片付ける」という方もたくさんいらっしゃると思います。わが家も夫婦 2 人の時はそうでした。

興味がわいたら引っ張り出すのが子どもです(いるかひろばの写真は本文とは関係ありません)
興味がわいたら引っ張り出すのが子どもです(いるかひろばの写真は本文とは関係ありません)

しかし、子育てが始まるとそういうわけにもいかなくなってきました。

なぜならば、私は「子どもの関わりが優先」。ですので、晩ご飯の後は食器を流しの中に入れておき、子どもが寝てから片付けようと考えました。

でも夫は、片付けを優先したい人。夫婦の意見がかみ合わず、けんかになることもたびたびありました。

「すごく怒る時」と「まあまあ怒る時」…夫の気持ちにもパターンがありました

夫との小競り合いが続く日々。なぜわが家はこうなってしまうのだろうと悩みました。

このままでは、子育てにも影響する。どうすれば…。

この頃、子どもに対しては、してほしくない行動を取った時に切り替える「あの手この手」を考えていました。

子どもへの関わりを工夫することは苦ではありませんでしたので、「夫へのあの手この手もあるかもしれない」と考えました。

一緒に遊ぼう!
一緒に遊ぼう!

夫が仕事から帰ってくると、部屋の中はおもちゃでいっぱいです。その光景を見た夫がイライラし始め、掃除機をかけ始めます。

夫の行動パターンをよく見ていると、部屋の状態を見てすごく怒る時、まあまあ怒る時、それほどでもない時があることが分かってきました。

すごく怒る時はパニック状態になっているようでしたので、落ち着くまで待ちました。

「なんで怒って掃除するの!」→「穏やかに掃除してくれたら、もっとうれしい」

パニック状態でない時は、夫へのあの手この手を試していきました。

一番効果的だったのは、掃除機をかけ始めた時にすぐ「ありがとう」と言葉で感謝を伝えることでした。「助かる」と私の気持ちももれなく伝えました。夫にとっては嫌なやり取りではないようでした。

試していくと、夫がイライラしている時に「ありがとう」「助かる」と伝えるのはよくない、かえってヒートアップさせてしまうことが分かりました。イライラしている時は言葉をかけない方がいいと学びました。

それぞれで遊ぶのも楽しいですね
それぞれで遊ぶのも楽しいですね

夫の言動を、行動のみに注目して説明すると、こうなります。

  • 仕事から帰ってきたら掃除をする
  • 食事の後は食器を片付ける

この行動にもれなく夫のイライラが付いてくると捉えました。

夫の行動に対する私の言動は、私を主語にする、つまり私の気持ちを優先するとこうなりました。

  • 仕事から帰ってきたら掃除をする→「なんで怒って掃除をするの!」
  • 食事の後は食器を片付ける→「洗い物は後からしようと思っていたのに!」
私も、私の気持ちを優先させていました
私も、私の気持ちを優先させていました

夫との小競り合いをなくすため、私は気持ちを切り替えました。

  • 「洗い物は後からしようと思っていたのに!」→「家事を分担してくれているんだ」
  • 「なんで怒って掃除をするの!」→「感謝を伝えよう」「穏やかに掃除してくれたらもっとうれしいと伝えよう」

夫の家事に対して、私が気持ちを切り替えて関わり続けると、夫はイライラせずに家事に取り組むようになりました。

10 年たつと、夫婦の家事分担は当たり前に。さらに 10 年たつと、掃除と食事後の片付けと洗濯(畳む以外)は夫の得意分野になりました。

夫の「こだわり」には、こうして時間をかけて慣れていきました。もう一つ、あの手この手が必要だったのが「ルーティン」です。次回お話します。

 

土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。

高知市地域子育て支援センター「いるかひろば」

  • 住所:高知県高知市六泉寺町22 港孕保育園内
  • 電話:088-834-1484
  • 利用時間:月~金曜 9:30~12:00、12:30~15:30  日 、土曜日(月 2~3 回)9:30 ~ 12:00
  • 駐車場:無料。4 台(身体障害者用が 1 台)。置けない場合は提携先を案内します

オンラインいるかひろばのスケジュール

  • お試しオンライン(相談も):月~金曜日 9:30~10:00
  • オンラインいるかひろば:月~金曜日。午前は 11:00~11:30 、午後は 15:00~15:30 。通所いるかひろばとつないで「集まりの時間」を行います

 

土居さんへのインタビューはこちら

【ココハレインタビュー】「いるかひろば」理事長・土居寿美子さん|しんどい気持ち、安心して話して

この記事の著者

門田朋三

土居寿美子

高岡郡梼原町出身。保育士として 2005 年から高知市の港孕保育園に勤務。07 年から港孕保育園内にある地域子育て支援センター「いるかひろば」の常勤スタッフとして、親子に寄り添った支援に取り組んできました。19 年 11 月に特定非営利活動法人いるかひろばを立ち上げ、理事長に。20 年から、いるかひろばをNPOとして運営しています。趣味はバレーボール。洋服やケーキなど何かを作ることも好きです。好きな言葉は「一所懸命」。

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