イヤイヤ期も「遊び」で関わりを|「遊び込み」をやってみよう【幼児編】
1歳からの遊び方は?「遊び込み」について助産師さんに聞きました
毎日の子どもとの関わりの中で、「気持ちに余裕がないな」「もっと楽しい時間を過ごしたいな」と感じたことはありませんか。
親子が一緒に遊ぶことを通じて心のつながりを強くしていく「遊び込み」。「幼児編」では 1 ~ 2 歳児との遊び方について、助産師の森木由美子さんに聞きました。乳児期と比べると、行動範囲も遊び方もぐんと広がる時期。自我が芽生える「イヤイヤ期」も遊びを通した関わりを続けていきましょう。
赤ちゃんの発達段階に応じた遊び方はこちら
遊びの中で、失敗を繰り返しながら学びます
「遊び込み」について教えてくれたのは、助産師の森木由美子さん。土佐市を拠点に、家庭訪問をしながら授乳や、抱っこ・おんぶの仕方、沐浴(もくよく)などの支援を行っています。
遊びについては、NPO法人「遊びとしつけ推進会」の「認定おもちゃ子育てアドバイザー」として、高知県内で講座を開いています。今回はいの町の地域子育て支援センター「ぐりぐらひろば」での講座を取材しました。
1 歳を過ぎると、子どもは絶えず動き回るようになり、世界はぐんと広がります。
【 1 歳ごろの子どもの発達】
絶えず動き回るようになります。遊びを通して、自分で考えて行動することを学びます。
土や食べ物を散らかす、手で触る、指さしやまねっこするなど、遊びの幅も広がります。
【遊び込みのポイント】
自分で「面白い」と思う動作を何度でも繰り返します。遊びの中で失敗を繰り返しながら、いろいろなことを学んでいきます。親は子どもの様子を見ながら、助けたり、励ましたりしましょう。
外遊びや、体を動かして遊ぶことも大事にしてください。
「ダメ!」「いかん!」は効果のない関わりです
2 歳前後になると、「イヤイヤ」が始まります。2 児の母でもある森木さんは自分の経験も踏まえ、「子育てでもっとも難しい時期ですよね」と話します。
【 1 歳半~ 2 歳半ごろの子どもの発達】
ぐんぐん成長する時期。体をよく動かし、いろんなことに夢中になります。
おしゃべりが増え、他の子どもに近づいていくようにもなります。
自分でやりたがる、「イヤっ」と言うなど自我が芽生えてきます。かんしゃくを起こすこともあります。
【遊び込みのポイント】
子どもが夢中になっていることを、子どもの年齢になりきって一緒にやってみましょう。
失敗を繰り返しながら学んでいくことは変わりませんので、子どもの様子を見ながら、助けたり、励ましたりしましょう。
してほしくない行動を「ダメ!」「いかん!」と禁止する、たたいて止めることに効果はありません。「今は分からなくても仕方ない」という気持ちで、「してほしくない」ということを伝えます。目を見て真剣に、「できるよね」「分かるよね」というポジティブな言葉を使って根気強く語り掛けましょう。
まずは1日10分から!子どもの年齢になりきって遊びましょう
乳児期から幼児期へ。親にとっては「わが子を『かわいい赤ちゃん』から『自分とは違う存在』だと認める過程」と森木さんは話します。「子育てが思い通りにならなくて怒った時に、どうして自分が怒っているのかを冷静に考えて、怒りを用いて子どもを支配しようとしてしまう自分の弱さを認めるといいんじゃないかなと思います」
1 ~ 2 歳児のイヤイヤやかんしゃくに対して根気強く語り掛けても、「効果が出るのは 1 ~ 2 年後でしょうか」。「完璧を求めずに関わりを続けることが大事。子どもの反応を見ながら遊び込むことで、子どもの発達段階が分かるようになり、育児力もついてきます」。まだ感情をコントロールできない時期ですので、他の遊びに誘うなど、上手に気を反らすこともしていきましょう。
忙しい毎日の中で「遊び込み」の時間をつくるには、「まずは 1 日 10 分、テレビもスマホも消す」を意識するといいそうです。
「毎日 10 分でも、お父さん、お母さんが子どもの年齢になりきっていっぱい関わると、『安心』の貯金ができ、子どもの心は安定します。できれば、時間を少しずつ延ばしていってください。心の成長は目には見えませんが、子どもの育つ力を信じ、自身を持って向き合ってくださいね」
森木さんは土佐市の助産院「はぐはぐ」を拠点に、訪問型の育児支援や産前産後ケアを行っています。母乳育児や、抱っこやおんぶの仕方、沐浴(もくよく)支援など、メニューごとに料金が異なります。相談したい場合は「助産院はぐはぐ」に問い合わせをしてください。