「オンラインなわとび相談所」に参加してみた|子どもに縄跳びをどう教えればいい?苦手を克服する遊びを紹介!
縄をうまく回せない、両足でタイミングよく跳べない…縄跳びの悩みに作業療法士、理学療法士が答えました
保育園・幼稚園や小学校で取り組む縄跳び。「子どもにどうやって教えればいい?」と困っている人はいませんか?
習得すれば何てことはないですが、縄跳びは実は複雑な運動。縄を回す、両足でタイミングよく跳ぶなどの一連の動きを瞬時に、リズミカルに行う必要があります。
縄跳びの悩みに答える運動教室「寺子屋きんいろ なわとび相談所」がオンラインで開かれ、ココハレ編集部・門田が年長児の長女と参加しました。苦手な動きを克服する方法や、作業療法士さん、理学療法士さんに教わった楽しい遊びを紹介します。
「なわとび相談所」は吾川郡いの町の「寺子屋きんいろ」が企画しました。町内の金蓮寺(こんれんじ)の一室を使い、子どもが多様な価値観に触れる学びや体験の場を提供しています。
当初は 5 月に行う予定でしたが、新型コロナウイルスの影響で延期に。10 月 31 日にオンラインで開催され、親子 8 組が参加しました。作業療法士の稲富惇一さん(土佐リハビリテーションカレッジ講師)、理学療法士の橋本貴紘さん(Workth代表取締役)らが講師を務めました。
縄跳びの動きを解体!お子さんはどこが苦手ですか?
縄跳びができるようになるには、苦手な動きを克服する必要があります。まずは動きを解体してみましょう。前跳びで考えます。
- 縄の持ち手を両手で持つ
- 腕を後ろから前に回して縄を体の前に持ってくる
- 縄が地面に付いた瞬間に両足でジャンプして跳び越える
- 再び腕を後ろから前に回して持ってくる
2~4 をリズミカルに繰り返すことで、跳び続けることができます。稲富さんは「できるようになると、一つ一つの動きを細かく意識しなくなりますが、うまくできない子どもにとってはハードルが高い遊び」と説明します。
ただ「頑張って」と励ましたり、「こうやって跳ぶんだよ」とやって見せるだけではうまくいかないそう。まずは子どもがどの動きを苦手としているのかを把握しましょう。
腕を大振りに回しています
参加した長女は年長児。年中クラスの時から、保育園で縄跳びを練習しています。今回の教室に合わせて撮影した動画がこちら。
親から見て、縄を跳び越えるジャンプはうまくできているように感じますが、その場ではなく、少しずつ前に移動してるのが気になります。
そして問題は、縄の回し方。後ろから腕を大振りに回して持ってきている状態で、どうアドバイスしたらいいのか分かりませんでした。
タオルを使って練習!
今回はオンライン開催なので、事前に送った縄跳びの動画を講師が確認し、個別にアドバイスするという形で進みました。長女の講師は稲富さんです。
長女の動画を確認した稲富さんは次の点を指摘しました。
- 跳ぶのは比較的上手…体がどちらかに曲がったり、ずれたりはしていません
- 縄を回すのは苦手…肩を使って大きく回しています。縄を地面にたたきつけるように回しています
縄を地面にたたきつけるのは「跳ぶぞ」という意識が強いからだそう。たたきつけるために肘が伸び、その結果、肩を使って大きく回してしまっているそうです。「脇を締めて、肘や手首を使って回すのが理想ですね」
「脇を締める」とは、幼児には少し難しい動作です。克服するために稲富さんが提案したのがタオルを使った練習。片手ずつ行います。
タオルを 2 枚用意し、1 枚は片方に結び目を作ります。結ばなかったタオルは小さく畳んで脇に挟みます。そして、脇に挟んだ方の手で結び目を作ったタオルを持ちます。結び目ではない方を持ちましょう。
「タオルを落とさないように回してみて」と稲富さん。なるほど、この方法だと自然に脇が締まるし、手首を上にして回すようになります。
すると、タオルが左右にぶれました。長女はスカートを履いていたので、稲富さんは「じゃあ次は、タオルがスカートに当たらないように回してみて」と提案。スカートを意識すると、安定してきました。
「まっすぐ」「脇を締めて」「ぶれないように」という説明は大人には分かりやすいですが、幼児にはまだ難しいようです。物を使って具体的に伝えることが大事なのだと再認識しました。
もう一つ、地面にたたきつけないように回すには「縄を上に上に回し続ける」というイメージをつかむことが必要で、次の練習がいいそうです。
- 子どもの対面に親が立つ
- 子どもはタオルを挟んで脇を締めた状態でタオルを回す
- 回していたタオルをそのままふわっと、親に向かって投げる
稲富さんは「天井に向かって投げてみて」と長女に伝えていました。「タオルを上に向かって回せたら、あとは遠心力で回し続けられる」とのこと。動作のたびに「できてる!」「上手!」と拍手で褒められ、長女はうれしそうでした。
親子で遊びながら、苦手も克服!
個別のアドバイスの後は、参加者が全員集合!橋本さんから縄跳びのこつをつかむ遊びを教わりました。動画を見て、各家庭で遊びました。
両足でタイミングよく跳ぶこつをつかむのにぴったりな遊びが「てをつないでグーパージャンプ」と「なわよけジャンプ」です。
【てをつないでグーパージャンプ】
- 親が座って両足を広げ、その間に子どもが立ち、手をつなぐ
- 親が足を開いたり閉じたりする。子どもは足に当たらないようにジャンプする
【なわよけジャンプ】
- タオルを 2 枚用意して結び、子どもの足元で左右に動かす
- 子どもはタオルに当たらないようにジャンプする
結び目を作ったタオルを腰に着け、お互いに取り合う遊びもありました。子どもはこういうのが大好きですね。部屋の中でやってもかなり息が上がりました。
橋本さんは「タオルでいろんな遊びができます。縄跳びの練習もしつつ、親子の絆も深めてください」と話していました。
今回は車いすバスケに取り組んでいる高知大生・青山結依さんも参加。自身の障害や障害者スポーツについて、クイズを交えながら紹介しました。今年の夏にパラリンピックが開かれたこともあり、子どもたちが障害者スポーツを身近に感じるきっかけになりました。
縄跳びのこつ、いかがでしたか?子どもの発達には個人差があり、習得するタイミングはお子さんによって違うそうです。子どもの運動に関して、橋本さんがFBで情報を発信しています。土佐市で開かれている子ども向けの「運動神経を伸ばす教室」も担当しています。
タオルを使った遊びは家の中でもでき、雨の日にもおすすめです。ご家庭でも楽しみながら取り組んでみてください。