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体を動かす楽しさを伝えたい|理学療法士さんが子ども向け運動教室に取り組んでいます

体を動かす楽しさを伝えたい|理学療法士さんが子ども向け運動教室に取り組んでいます

運動に必要な動きを楽しみながら経験する運動教室「ワクトレ」を紹介します

「理学療法士」という仕事を知っていますか?医療職の一つで、座る、立つ、歩くなど人の基本的な動作や運動に関する専門家です。

病院や介護施設でリハビリに携わる人が多い中、高知県内の保育園などで活動している理学療法士さんがいます。「ワクトレ」と名付けた運動教室で、子どもたちにいろいろな動きを経験してもらいながら、体を動かすこと、運動することの楽しさを伝えています。

運動のことを理学療法士に相談できる仕組みをつくりたい

高知県内で子ども向けの運動教室を行っているのは理学療法士の橋本貴紘さんと野田昌志さん。橋本さんが 2018 年に「Workth(ワークス)」という会社を立ち上げました。

もともとは病院や介護施設で働いていたという 2 人。介護が必要な人のリハビリを担当しながら、「介護を担う家族が元気ではない」ということに気付きました。

「腰痛や肩こりで悩んでいる方が多かった」と橋本さん。「僕たちは理学療法士なのに、目の前で困っている要介護者の家族は直接支援できない。病院や施設に行く前に専門職に出会い、相談できる仕組みをつくりたいと考えました」

Workthでは大人向けの事業として、企業での健康指導や、旅行を通じて健康づくりに取り組む「ヘルスツーリズム」の商品開発などを手掛けています。

理学療法士の橋本貴紘さん(右)と野田昌志さん。専門学校の同級生です
理学療法士の橋本貴紘さん(右)と野田昌志さん。専門学校の同級生です

少子化なのに、子どものけがが増えています

子ども向けの事業としては、保育園や幼稚園などで運動教室を行っています。「ワクワクするほど体が使えるようになる」というコンセプトから「ワクトレ」と名付けました。

目的は「一つの種目に限らず、多種多様な運動を通じて運動神経そのものを伸ばすこと」。背景には「少子化なのに、子どものけがが増えている」という現状があります。

けがが増えている要因には「競技スポーツの低年齢化」と「運動の不器用さ」があるそうです。「コロナ禍も関係していますが、そもそも車社会になり、体を動かす機会がなくなった」と橋本さん。子どもたちの将来の健康を見据え、「幼い頃から体を動かすこと楽しさを知り、運動を好きになって継続してほしい」と取り組んでいます。

運動を分解し、小さな「できた!」を積み重ねていきます

橋本さんと野田さんは毎週土曜日に土佐市民体育館で「運動神経を伸ばす教室」を担当しています。NPO法人「総合クラブとさ」の子ども向けプログラムの一つで、理学療法士がもう 1 人加わり、3 人が交代で講師を務めています。

教室は小学 3~6 年生向けと年中~小学 2 年生向けの 2 クラス。9 月 18 日に開かれた年中~小学 2 年生向けクラスには 8 人が参加し、9 月のテーマである「走り方」を学びました。

走ることは、全てのスポーツの基本。「腕の振り方、膝の動かし方、リズム、着地の仕方など、いろいろな動きが必要」と橋本さんは説明します。「走るのが苦手」という子どもの走り方を見ると、「肩を不必要に開いて動かしている」「まっすぐに走れない」といった点が見えてくるそうです。

教室では「走る」という運動を分解し、必要な動きを順番に練習していきました。

  • 姿勢をまっすぐにして足踏み
  • 姿勢を維持したまま、足を走っているように小刻みに動かす
  • 肘を曲げて手を振る(肩が開かないように)
  • 背伸び
  • つま先立ち
  • 片足でつま先立ち

練習の流れが分かるように、野田さんが子どもたちにメニューを見せ、これからやることを説明していました。

一つ一つの動きに挑戦するたびに「上手!」「いい感じ!」と声を掛けていきます。運動を好きになってもらうためには、運動のみを教えるのではなく、「できた!」という経験が必要とのこと。教室では小さな「できた!」の積み重ねが自信につながっていきます。

リズム、バランス、カーブの曲がり方も楽しみながら

体を動かす練習が終わると、床に輪っかを並べてジャンプやけんけんをしました。リズムやバランスを取ることを身に付けていきます。

さらに、コーンを使って「じぐざぐ走り」にも挑戦。「まっすぐに走れるけれど、カーブを上手に曲がれないためにスピードが落ちる」という子がいるそうで、方向転換に慣れていきました。

最後には距離を決めて、タイムを測定です。ほとんどの子どもが前回の記録を更新。「速くなってるよ」との声掛けに、笑顔やハイタッチで応じていました。

練習の後は、お楽しみのおにごっこの時間です。おににタッチされた人はアウト、さらに決められた線から出てしまった人もアウトというルールで、最後の 1 人をタッチするまでに何秒かかるかを測りました。

追い掛け合う中で「目標に向かって全力で走る」「体をターンさせる」などの動きが自然に出ます。「年上のお兄ちゃん、お姉ちゃんと一緒に過ごす」「年下の子に合わせて追い掛ける」など、異年齢での遊びも体験できていました。

橋本さんと野田さんによると、走る上で大切なのは次の三つの要素です。

姿勢…上半身が左右にぶれないように保つ

腕の振り…前後にしっかり振る。肩を開かないように

足の回転…子どもは筋力が弱いので、速く走るには足を速く動かすことが大事

 

1 時間の練習を終えた子どもたちは、汗びっしょりです。いろいろな動きの成功体験を積み重ねることで、運動嫌いにならないように楽しみながらこつを身に付けることができる教室でした。

「保育所等訪問支援」で障害のある子も支援していきます

ワクトレでは、障害のある子どもが集団生活に適応できるように専門的な支援を行う「保育所等訪問支援」を新たに始めました。保育園、幼稚園、学校、放課後児童クラブなどから依頼を受けて、「行事への参加が難しい」「運動が苦手」といった困りごとのある子どもに関わっていきます。

「理学療法士が 2 人で訪問することで、運動教室などクラス全体への指導と、困りごとのある子どもへの個別支援を組み合わせて行っていきたい」と橋本さん。「運動の専門職」という強みを生かしながら、いろいろなアプローチで子どもたちに体を動かす楽しさを伝えていきます。

 

 

橋本さん、野田さんが担当する「運動神経を伸ばす教室」は毎週土曜日、土佐市民体育館で開かれています。土佐市外で暮らす人も参加できます。

【総合クラブとさ・子ども向けプログラム「運動神経を伸ばす教室①②」】

  • クラス:①小学 3~6 年生、②年中~小学 2 年生
  • 日時:毎週土曜日。①は 10:00~11:00、②は 11:00~12:00
  • 場所:土佐市民体育館(高知県土佐市高岡町甲 2165ー1 )
  • 指導者:理学療法士の橋本貴紘さん、野田昌志さん、和田みづきさん
  • 料金:毎月 1500 円(無料体験ができます)。このほか、入会金( 500 円)、クラブ会費(月 300 円)、スポーツ傷害保険(年 500 円)がかかります
  • 申し込み、問い合わせ:総合クラブとさ事務局(電話 088-852-4162 )

 

総合クラブとさでは、陸上、新体操、リズム体操、硬式テニスなど子ども向けに 18 のプログラムを運営しています。各プログラムについて、ウェブサイトで紹介しています。

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

6歳と2歳の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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