「子ども議会」で真剣に質問、提言しました!|週刊高知の子どもニュース(2022年7月23~29日)
夏休みに入って最初の 1 週間。高知県内の子どもたちはトライアスロンに挑戦したり、地質について学んだりしました。
土佐清水市、須崎市と四万十町で、行政の執行部に問いただす「子ども議会」が開かれ、中高生が真剣に質問や提言を行いました。
2022 年 7 月 23 ~ 29 日に高知新聞に掲載された子どもたちのニュースをお届けします。
目次
文化的施設どう活用 四万十町 窪川中生 執行部に質問
(高知新聞 2022 年 7 月 24 日掲載)
高岡郡四万十町の窪川中学校の生徒がこのほど、町議会議場で開かれた「子ども議会」で、町が計画する文化的施設の活用法などについて町執行部に質問した。
同校生徒会が「若い私たちと町が意見交換できる場を」と提案して19日に開催。生徒は事前に同施設の計画や議会の役割などを学び、“立候補”した1~3年生17人が議長、議員役に。他の生徒らは傍聴席などで見守った。
議員役の生徒は、図書館、美術館などを複合的に整備する同施設の活用法や、既存の公共施設も含めたバリアフリー化の現状などを次々と質問。
中には「計画に反対する町議もいた。なぜ反対意見が出るのか」「町内で本が買える場所が少ない」「町内の中学生が交流する機会が少ない」といった疑問や不満も。中尾博憲町長は「多岐にわたる貴重な意見を反映させたい」と締めくくった。
生徒会長の3年、槙野未来さん(14)は、18歳で選挙権を得ることも踏まえ「町や議会について学ぶ貴重な時間になり感謝したい。選挙で1票を大切にする勉強にもなった」と話していた。(小林司)
土佐清水振興 市長に訴え 地域の課題 自分の手で…中高生が議会挑戦
(高知新聞 2022 年 7 月 24 日掲載)
土佐清水市の中高生が執行部に質問する「中高生みらい議会」がこのほど、市議会議場で開かれ、雇用創出や観光振興などを求めて市の考えをただした。
市と市教委の主催で7回目。20日、清水中学校と清水高校の生徒計15人が登壇した。
中学生は「働く場を増やす取り組みを」「耕作放棄地を体験型農園やアスレチックとして活用しては」などと提案。高校生は人口減や少子化問題を取り上げ、「この先、清水高への入学者が減る。若者が市内に残るための対策は」などと質問した。
泥谷光信市長は「安心して子どもを産み育てられる環境づくりが必要」と答弁。農林漁業や観光業の復興による雇用創出、男女の出会いの場づくりや結婚新生活の支援などを方策として挙げた。
最後に清水高2年の本久鴻雅さんが「土佐清水市をより良くするために、市役所の皆さんと一緒に取り組みたい」と思いを述べた。(小笠原舞香)
室戸ジオパークって?高知県内外の児童15人が学習
(高知新聞 2022 年 7 月 26 日掲載)
室戸ジオパークをテーマにした1泊2日の体験学習イベントがこのほど室戸市で開かれ、県内外の小学5、6年生15人が室戸岬などを散策して地形や地質についての理解を深めた。
国立室戸青少年自然の家の教育事業の一環。参加者は同自然の家を拠点に23日から2日間、市内のジオサイトや関連施設などを巡った。
室戸岬では、室戸ジオパーク推進協議会の地質専門員・柿崎喜宏さんの案内で、砂岩と泥岩がしま模様をつくる「タービダイト層」や、波で削られてできた「エボシ岩」などを散策。子どもたちは興味津々な様子で、ルーペで岩肌の様子を観察するなどしていた。
徳島県美波町の日和佐小6年、竹川虎太郎君(12)は「タービダイトが砂と泥でできているのは初めて知った。大地の成り立ちが間近で見られて面白かった」と目を輝かせていた。(板垣篤志)
トライアスロンに児童80人が挑戦 奈半利町
(高知新聞 2022 年 7 月 27 日掲載)
自然の中で子どもたちに心身を鍛えてもらおうとこのほど、安芸郡奈半利町の「ふるさと海岸」で「ちびっこトライアスロン」が催され、小学生80人が真夏の太陽の下、自身の限界に挑戦した。
町や住民でつくる「みなと未来会議」の主催で11回目。24日、新型コロナウイルスの影響で3年ぶりに開催され、水泳(20~60メートル)、自転車(2・8キロ)、マラソン(1~2キロ)の合計タイムを低、中、高学年の各部で競った。
児童たちは合図とともに海に飛び込み、泳いで海岸に着くと自転車に乗って疾走。ラストのマラソンでは家族らの声援を受け、汗びっしょりになりながらゴールを目指した。
初めて参加した高知市の朝倉小学校3年、畑晴臣君(8)は「ぶっつけ本番だったけど、水泳と自転車は力が出せた」と満足そうに話していた。(植村慎一郎)
北川村にぜひ移住を 中学生協力でリーフレット改訂
(高知新聞 2022 年 7 月 28 日掲載)
安芸郡北川村はこのほど、村への移住を呼びかけるリーフレットを改訂した。随所に昨年度の北川中学校3年生のアイデアを採り入れており、実用的で村への愛情がにじむ仕上がりとなっている。
生徒たちは昨年度、移住について学び、村の担当者とやりとりする中で2016年に作成されたリーフレットの更新を提案。村の実情を把握し、アピールポイントやデザインなどを話し合いながら進めた。
新たなリーフレットはA4判4ページ。「村民こぞって温かく迎える気持ち」を前面に出そうと、表紙にはユズ畑をバックに村民の笑顔を並べ、村のキャラクターとして誕生させた「ゆずかくん」と「ゆずりん」を描き込んだ。
中面には、実際に村に移り住んだ男性2人へのインタビュー内容を掲載。率直な感想を聞き出し、箇条書きで分かりやすくまとめた。若い層へのアピールも意識し、子育て支援制度も網羅した。
関わった生徒は「自分たちが考えたことが形になって感慨深い」「手に取った人が北川村に関心を持ち、移住してくれたらうれしい」とにっこり。村は千部を作成し、移住説明会などで配布する。(植村慎一郎)
中高生が質問・提言 須崎市で子ども議会
(高知新聞 2022 年 7 月 29 日掲載)
須崎市子ども議会が27日、同市議会議場で開かれ、市内4中学校と2高校の代表12人が学校や通学路の環境改善などについて市の取り組みをただした。
このうち須崎中の生徒は、傷みの激しい机やいすのスライド写真を見せながら「もう限界」と強調。「隣接する旧須崎高校の机やいすを使わせて」と訴えた。楠瀬耕作市長は「県に申し入れ意見に沿うように交渉したい」と答えた。
朝ケ丘中は2025年度に予定される5校から1校への中学校統合について、5校の事前交流活動を提案。統合校へのジェンダーレス制服の導入も求め、執行部から「アンケートを実施する」との答弁を引き出した。
同校2年の浜口拓巳さん(13)は「後輩のためにいい施設や設備を学校につくってほしい。答弁を聞いて、市の人たちが良くしようと考えているのが伝わってきたので安心しました」と話していた。(富尾和方)
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