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「困った時、私はどうしたい?」…子育ての「軸」を一緒につくっていきませんか?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら・60」

「困った時、私はどうしたい?」…子育ての「軸」を一緒につくっていきませんか?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら・60」

子育ての悩みに寄り添ってきた「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します

子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。

コラム「こころのとびら」は 2020 年 6 月にスタート。高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営するNPO法人の理事長・土居寿美子さんが、わが子への関わり方を紹介してきました。

今回は最終回。土居さんは悩みごと、困りごとを抱えるお母さん、お父さんに「あなたはどうしたいですか?」と尋ねてきました。「子育ての軸」をつくる大切さについて、ココハレ編集部員があらためて聞きました。

コラム「こころのとびら」はこちらから

「困った、どうしよう」から生まれる“あの手この手”があります

「こころのとびら」がスタートした 2020 年 6 月は、コロナ禍真っただ中。緊急事態宣言は解除されたものの、「密を避けましょう」と呼びかけられていた時期です。

再開した子育て支援センターは「親子で気軽に行けるという場所」にはほど遠い状況。家から出られず、誰にも会わない、会えないまま子育てをするお母さんたちがたくさんいました。

「お手紙を出したり、LINEやメールでつながっている方には連絡したり。でも、つながりをつくるには不十分でした」

コロナの影響でランチタイムもしばらくお休みとなりました
コロナの影響でランチタイムもしばらくお休みとなりました

当時は職員さんの研修会などもリアルでは開けず、オンラインでの開催が続きました。

オンライン研修を経験した土居さんは「集まりの時間に使えるかも」とひらめきます。

こうして始まったのが「オンラインいるかひろば」。来所した親子が午前、午後の最後に一緒に過ごす「集まりの時間」をオンラインでもつなぎ、歌や絵本を楽しんでいます。

2021年の「オンラインいるかひろば」の様子。画面の向こうにいる親子と楽しんでいました
2021年の「オンラインいるかひろば」の様子。画面の向こうにいる親子と楽しんでいました

「オンラインいるかひろば」の試みによって、支援の幅も広がりました。子どもの体調がすぐれず外出できない親子が集まりの時間に参加。さらに、高知から県外に引っ越した家族や、海外で暮らす高知出身の保護者ともつながりました。

「『コロナで皆さんが来られなくなった』『困った、どうしよう』から始まり、『オンラインでつながってみよう』『集まりの時間もオンラインでやってみよう』とやってきました。何かうまくいかないことがあったら、どうしたらいいか考えてみる。“あの手この手”を試してみるというのは、子育てと一緒だなと思います」

初めての子育て…SNSに惑わされるのは仕方のないことです

コロナ禍を経て、「いるかひろば」の運営は元に戻りましたが、SNSの普及によって、子育て環境はコロナ禍以前と大きく変わりました。

「SNSはコロナの前からありましたが、一気に広がったなと感じます。以前は、子育てで困ったお母さん方は、リアルでどこかに行って誰かに聞いていましたが、皆さんスマホに聞くようになりましたね」

「いるかひろば」でも来所を呼びかけるため、インスタグラムを活用するようになりました。

「もちろん私はやったことがなくて。ドキドキしながら使い始めたのを覚えています」

いるかひろばの雰囲気を伝えようと始めたインスタグラム。2023年10月におじゃますると、室内を撮影していました
いるかひろばの雰囲気を伝えようと始めたインスタグラム。2023年10月におじゃますると、室内を撮影していました

実際にSNSを使ってみて、土居さんは「『自分はどうしたいのか』という軸がないと、いい言葉に惑わされる」ということを肌で感じました。

ただ、お母さん、お父さんたちに「軸がない」ことは「悪いことではない」と考えています。

「特に第 1 子を育てるお母さん、お父さんは子育て自体が初めての経験ですから、まだ軸がないのは当然。SNSの投稿に惑わされるのも仕方のないことです」

子どもと向き合っていると、「うちの子はどんな子か」がだんだん分かってきます。

「毎日の子育てで失敗したり、思い通りにならなかったり。いろんな経験をすることで『私はわが子をこう育てたい』『こんな関わりをしたい』という気持ちが出てきて、それが軸になっていきます。いるかひろばでは、お母さん、お父さん方の話を聞きながら、一人一人に合った支援、軸をつくる支援を続けていきたいです」

困っていることを「困っている」と言える…子どもに育みたい「生きる力」

コラムでは土居さん自身の子育ても振り返りながら、子どもへの関わり方を紹介してきました。

折に触れて紹介してきたのが「生きる力」。土居さんは「困っていることを『困っている』と言える力」と考えています。

「嫌なことがあった時、『嫌だー』と言えるのはいいことです。でも、『嫌だー』のままで成長すると、周囲を困らせるだけになりますよね」

子どもが成長するに従って自分の気持ちを説明できるように関わっています(写真はいるかひろばの様子。本文とは関係ありません)
子どもが成長するに従って自分の気持ちを説明できるように関わっています(写真はいるかひろばの様子。本文とは関係ありません)

子どもが「何が嫌で何に困っているのか」、そして「嫌なことや困っていることをどうしていきたいのか」を説明できるようになるには?

土居さんは「しつけ」の前に、わが子の気質を把握することが大事だと伝えてきました。

嫌な時や困った時には泣いたり、やけになったり、怒ったり、固まったりと、表現の方法はさまざま。子どもの気質を把握し、受け止め、「どうしてそういうことをするのか」を考えていきます。

その過程では、受け止める側の私たち親がどういうふうに育てられてきたかも影響します。

「『子どもがどうしたいのか』を考えるには、親御さん自身が『私はどういう人間か』『私はどうしたいのか』と自分を見詰め直すことも必要です」

「私はどうしたいか」を一緒に考えていきましょう
「私はどうしたいか」を一緒に考えていきましょう

こうした親自身の「見詰め直し」「捉え直し」は一人で行うよりも、信頼できる誰かと一緒に行う方が気持ちを楽に進めることができます。

「いるかひろばでは、皆さんが困っていることを『困っている』と伝えてもらって構いません。皆さんの子育てが『孤育て』とならないように、お子さんや親御さん、ご家族に合わせて伴走し、子育ての軸を一緒につくっていければと思っています」

 

コラム「こころのとびら」は今回で終了しますが、ココハレでは子育ての悩みごとや困りごとを一緒に考えていく企画を土居さんと続けていきます。お楽しみに!

 

土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。

高知市地域子育て支援センター「いるかひろば」

  • 住所:高知県高知市六泉寺町22 港孕保育園内
  • 電話:088-834-1484
  • 利用時間:月~金曜 9:30~12:00、12:30~15:30  日 、土曜日(月 2~3 回)9:30 ~ 12:00
  • 駐車場:無料。4 台(身体障害者用が 1 台)。置けない場合は提携先を案内します

オンラインいるかひろばのスケジュール

  • お試しオンライン(相談も):月~金曜日 9:30~10:00
  • オンラインいるかひろば:月~金曜日。午前は 11:00~11:30 、午後は 15:00~15:30 。通所いるかひろばとつないで「集まりの時間」を行います

 

土居さんへのインタビューはこちら

【ココハレインタビュー】「いるかひろば」理事長・土居寿美子さん|しんどい気持ち、安心して話して

この記事の著者

門田朋三

土居寿美子

高岡郡梼原町出身。保育士として 2005 年から高知市の港孕保育園に勤務。07 年から港孕保育園内にある地域子育て支援センター「いるかひろば」の常勤スタッフとして、親子に寄り添った支援に取り組んできました。19 年 11 月に特定非営利活動法人いるかひろばを立ち上げ、理事長に。20 年から、いるかひろばをNPOとして運営しています。趣味はバレーボール。洋服やケーキなど何かを作ることも好きです。好きな言葉は「一所懸命」。

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