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「お友達、きょうだいをたたいてしまいます」|子育ての悩みに寄り添う土居寿美子さんコラム「こころのとびら」⑫

「お友達、きょうだいをたたいてしまいます」|子育ての悩みに寄り添う土居寿美子さんコラム「こころのとびら」⑫

高知市の子育て支援センター「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します

子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。

コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営する特定非営利活動法人の理事長・土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。

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なんでかな…

いるかひろばには、さまざまな相談が寄せられます。中でも「友達をたたく」「きょうだいをたたく」など、「誰かをたたいてしまうのを何とかやめさせたい」という相談が数多く寄せられます。

保育園や支援センターで子どもたちの様子を見ていると、「たたく」という行動の裏側には必ず理由があるように思います。

例えば、友達と遊んでいる時にたたいてしまう行動には、こんな理由があります。

  • その子と遊びたくて、気を引きたくてついたたいてしまう
  • その子が持っているおもちゃが欲しくてたたいてしまう
  • 自分の目の前に子どもが来たら、反射的にたたいてしまう

大人からしたら、理屈が通らない理由ですね。

きょうだいの場合は、もっと分かりやすいかもしれません。今まで親の愛情を独り占めできていた、あるいは末っ子で甘えることができていたところに、弟や妹が来たら…。本人にしたら、親の愛情を突然、下の子に奪われてしまった感覚になるでしょう。つい下の子に手が出てしまう、あるいは親の気を引くためにたたいてしまうということがあります。

いずれにせよ、たたいてしまう子どもには、たたく理由が必ずあると思うんです。

異年齢でままごと遊び(写真と本文は関係ありません)
異年齢でままごと遊び(写真と本文は関係ありません)

いるかひろばでは、たたくという行動が遊びの中で繰り広げられることがあります。親としては「ダメ!」と止めたくなると場面ですが、いるかひろばではその子どもに合わせた言葉がけや関わりをしています。

例えば、「お友達と遊びたい時にたたいた」と思われる時には、職員がすぐ間に入り、その子が好みそうな遊びを始めます。すると、子どもはすぐにその遊びに興味を示します。うまく遊べるようになると、職員は見守ります。

下のきょうだいに手が出る場合は、下の子どもを職員が見守り、上の子どもと親との時間をできる限り提供できるように心がけています。

お父さん、お母さんには「ダメなことはダメと教えんといかん!」「甘やかしたらダメ!」というしつけを重視した関わりを意識されている方も多いかと思います。もちろん、「ダメなことはダメ」と教えるのは大事なことです。でも、その前に「なんでかな」「どうしてそうしてしまうのかな」と行動の理由を考え、気持ちを受け止めてあげることがもっと大事ではないなかなと思います。

気持ちの表現の仕方には、一人一人違いがあります。「たたく」という行動を取るのは、表現方法がまだまだ上手ではないからなのです。私は、子どもがせっかく出している気持ちを「たたいたらダメ!」と表面上で納めるのではなく、できうる限り、その子どもの気持ちの代弁者になりたいと思っています。

そうは言っても、これは支援センターだからできる配慮であって、家に帰ったらなかなか難しいですよね。家では雲行きがあやしくなったら、きょうだいの距離をさりげなく離し、気をそらしてみてください。「うまくいかないな」と感じる時は、いるかひろばで一緒に「あの手この手」を考えていきましょう。

 

土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。

高知市地域子育て支援センター「いるかひろば」はこちら

土居さんへのインタビューはこちら

この記事の著者

門田朋三

土居寿美子

高岡郡梼原町出身。保育士として2005年から高知市の港孕保育園に勤務。07年から、港孕保育園内にある地域子育て支援センター「いるかひろば」の常勤スタッフとして、親子に寄り添った支援に取り組んできました。2019年11月に特定非営利活動法人いるかひろばを立ち上げ、理事長に。2020年から、いるかひろばをNPOとして運営しています。趣味はバレーボール。洋服やケーキなど何かを作ることも好きです。好きな言葉は「一所懸命」。

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