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夫婦関係の悩み…パートナーへのハードルを上げていませんか?|いるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら」⑱

夫婦関係の悩み…パートナーへのハードルを上げていませんか?|いるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら」⑱

高知市の子育て支援センター「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します

子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。

コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営する特定非営利活動法人の理事長・土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。

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「何で分からんの?」から「どうしてそういう行動をするのかな?」へと、考え方を変えてみませんか?

11 月 21 日は「家族の日」。内閣府が子育てを支える家族や地域の絆の重要性を考えるきっかけにしようという趣旨で、11 月の第 3 日曜日を「家族の日」とし、その前後 1 週間を「家族の週間」と定めたそうです。

「いるかひろば」で子育て支援に携わっていると、家族の存在の大きさを感じます。保護者からは子どもの相談が寄せられますが、話を聞いていると、パートナーや祖父母など子どもを取り巻く家族の話になることがしばしばです。

多いのはやはり、一緒に暮らしているパートナーのお話。困っていること、不満に思っていること…。きっと、結婚した時は一緒にいるだけで幸せで、いろんなことを寛大に考えることができていたのではないでしょうか。

共に生活をしていく中で新鮮な気持ちが薄れ、「いて当たり前」「いろいろしてくれて当たり前」。ともすれば欲が出てきて、「何でもっとしてくれないの!」。知らず知らずのうちに相手のハードルを上げてしまっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

子どもに対しても同様だと思います。「無事生まれてくれるだけで…」「健康でいてくれるだけで…」と思っていたのに、「はえば立て、立てば歩めの親心」。他のお子さんと比べてしまったり、子どもの行動に「どうしてそんなことをするの!」」「何で言うことを聞いてくれないの!」と感情的になってしまうこともありますね。

これは決して悪いことではありません。一緒に暮らしていると、ついついハードルを上げてしまうものです。でも、時にそれが子育てのしんどさ、家族へのしんどさにつながっていると感じます。

 

休日にお父さんと(写真と本文は関係ありません)
休日にお父さんと(写真と本文は関係ありません)

いま、いるかひろばでは、ご夫婦を対象にした「ペアレント・プログラム」の講座を開いています。今年 5~7 月の講座ではお母さん方を対象にしましたが、今回はご夫婦一緒に参加していただくことにしました。

ペアレント・プログラムの大きな目標は「叱らなくてもできる子育て」です。講座では、子どもと自分の「いいところ」「努力しているところ」「困ったところ」を行動で書き出していきます。そして、「困ったところ」を掘り下げて考えていくことで、「どうしてそういう行動をするのか」「どういう時にしてしまうのか」「困った行動を減らすためにどういう工夫をすればよいのか」を考えていきます。

ご夫婦での講座でも、同じように子どもと自分について書いていきます。これまでに上がったのは、次のような行動です。

  • いいところ…家事を手伝う、毎日ご飯を作る
  • 努力しているところ…洗濯物を干す、子どもと一緒に寝るようにする
  • 困ったところ…整理整頓が苦手、子どもの前でけんかをしてしまう

講座を進めると、同じ子どもに対して夫婦で見方が違うことに気付いたり、自分は「困っている」と思っているけれど、パートナーから見たらそれほどでもなかったり…といったことに気付きます。

 

子どもの場合、大人が少し手助けをするだけで、困った行動が減ってきたり、落ち着いてきたりしていきます。

実はパートナーに対しても同じ。「何で分からんの?」「○○せんとって」と相手を責める考え方から、「どうしてそういう行動をするのかな?」と原因を探る考え方へと変えてみてはいかがでしょうか。

「○○ならできるんだ」と確認し、「『○○はしてほしくない』ということをどう言えば伝わるかな?」と、あの手この手を考えてみる。パートナーへのハードルを下げ、関わり方を変えてみると、これまでとは違った夫婦関係が築けるのでは…と思います。

一緒に暮らしていると、冷静になれず、感情的になることも多々あります。それが心の負担になっているのでしたら、家族一人一人の個性を認め、そして時には補いあいながら、うまく回っていくやり方を考えてみる機会をつくってみてはいかがでしょうか。

うまく回っていくやり方はきっとあります。ご家族だけで考えるのが難しい時には、私でよければお手伝いします。

 

 

土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。

高知市地域子育て支援センター「いるかひろば」はこちら

土居さんへのインタビューはこちら

この記事の著者

門田朋三

土居寿美子

高岡郡梼原町出身。保育士として 2005 年から高知市の港孕保育園に勤務。07 年から、港孕保育園内にある地域子育て支援センター「いるかひろば」の常勤スタッフとして、親子に寄り添った支援に取り組んできました。2019 年 11 月に特定非営利活動法人いるかひろばを立ち上げ、理事長に。20 年から、いるかひろばをNPOとして運営しています。趣味はバレーボール。洋服やケーキなど何かを作ることも好きです。好きな言葉は「一所懸命」。

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