バランス感覚や話を聞く集中力…楽しみながらできる運動遊びと「コグトレ」でどんな力が鍛えられるの?|高知健康科学大学の教室を取材しました

「小さい頃はどんな運動をしたらいいの?」「勉強するときにもう少し集中力があれば」。子どもの健やかな成長には、体を動かす力と学ぶ力の両方が欠かせません。
高知市大津乙の高知健康科学大学で開かれた教室では、運動遊びを中心とした「運動教室」と認知機能を鍛える「コグトレ教室」の2本立てで、幼児から小学校低学年の子どもたちが楽しみながらその土台づくりに取り組みました。
バランス感覚や長い話を聞く集中力など、遊びの中に詰まった子どもの成長のヒントをプログラムから紹介します。
目次
講師は稲富惇一さん(高知健康科学大学・講師)、岩井萌さん(高知健康科学大学・客員研究員)が務めました。
稲富さんは子どもの運動発達を研究しており、専門は脳卒中、脳性麻痺、発達障害、発達性協調運動障害などです。
現在は大学で作業療法士の養成や研究に加え、子どもの運動や学習に関する相談事業にも取り組んでいます。小学 6、4、1 年生の 3 児のパパでもあり、子育ての視点も大切にしています。
岩井さんは小学校や保育園への巡回相談を通して、子どもの発達や生活に応じた支援に取り組んでいます。
また、大学では客員研究員として子どもの発達や運動について研究し、地域での実践と研究の両面から、子どもの健やかな成長を支えています。
今回の教室は 2026 年 6 月、「科学的根拠に基づいた支援教室」と題して、高知健康科学大学の体育館などで行われました。
【運動教室①】体を思い通りに動かす力を養います…マットから脱出、新聞紙じゃんけん
まず「運動教室」では、準備運動をしてプログラムが始まりました。
稲富さんは「体の土台となるバランス能力は 3、4、5 歳で最も鍛えられ、6 歳が飛躍的に伸びる時期と言われています」と語ります。
思い通りに自分の体を動かすために、バランス能力など基礎的な運動スキルを鍛える遊びの具体例を紹介します。
トンネルの中をハイハイしてジャンプ
最初に登場したのは三角形のトンネル!
その中をハイハイするようにして進む運動です。子どもたちは楽しそうに次々とチャレンジ!
トンネルを抜けたらバランスを取りながら、マットなどをジャンプして進みます。
この遊びはどんな狙いがあるのでしょうか?

全身を挟まれたマットから脱出!
次は顔を出した状態で、マットとマットの間に全身を挟み、ここから脱出するゲームです!うまく抜け出せるかな?
全身をくねらせたり、腕に力を入れたり…。小さな体を動かして笑顔いっぱいで抜け出しました。

片足・両足跳びしてからストップ
次はマットを壁のように使って、片足や両足跳びでマットまで進みます。
マットまで来たら、ぶつからないよう寸前の位置でストップ!
元気いっぱいのお子さんは勢い余ってぶつかってしまい、意外と難しそうでした。

新聞紙じゃんけん
続いては新聞紙の上に乗って、じゃんけんで負けたら半分に折り畳むゲームにチャレンジ!
負けてしまうと、どんどん小さくなる新聞紙の上で、バランスを保ちながら勝負!

子どもたちも大盛り上がりでした。
【運動教室②】友達と協力する力を鍛えます…手をつないでジャンプ、新聞紙運び
続いては、友達と協力しながら楽しむ運動を紹介します。
ふわふわエアマットの上でジャンプ!
体育館に用意されたのは巨大なエアマット!
思いっきりダイブした子どもたちは、寝転びながら全身でふわふわした感触を楽しみます。
そして、足元が安定しないエアマットの上でみんなで手をつないで、ジャンプ!
周りと息を合わせないと輪が崩れてしまいます。これは大人でも大変そうですね。

新聞紙を落とさず運ぼう
次は広げた新聞紙を 2 人で前後に持ち、協力して運ぶチャレンジです。
友達とペースを合わせないと破れそう!

最後は新聞紙でトンネルを作り、お子さんたちはぶつからないようハイハイなどで上手にくぐり抜けていました!
【コグトレ教室①】記号探しやお話を聞くゲームで「見る」「聞く」力を育てます
続いて机のある部屋などで行われた「コグトレ教室」は、「見る」「聞く」といった学習の土台となる力や身体の力を育む「認知機能強化トレーニング」です。
お子さんを飽きさせないゲーム形式のプログラムで行われました。
決まった記号だけを速く探します
コグトレ教室では最初にプリントが配られました。
星や丸、三角、四角などの記号がずらり。子どもたちはなるべく速く、「三角の記号だけ」を全て見つけてチェックしていきます。

子どもたちの表情は真剣そのもの。できたら「はい!」とうれしそうに手を上げていました。
記号をランダムに並べたプリントなら、おうちでも作れそうですね。タイムを計りながら取り組めば、遊び感覚で続けられそうです!
動物の名前が聞こえたら、手をたたこう!
次は稲富さんのお話を聞いて、お話に何か動物の名前が出てきたら、その瞬間に手をたたくゲームです!
稲富さんによると、タブレット端末やスマートフォンなどを見る機会が多い現代の子どもたちは、「見る力は高い」面がある一方、長い話を聞く力が弱くなっているという研究もあるそうです。
〈森の中でサルに出合いました〉〈朝、猫のミーちゃんが目を覚ましました〉―。稲富さんが読むお話に耳を澄ませて、動物の名前が出ると両手をパチリ!

話をよく聞き、ルールを守りながら、自分の動きをコントロールする力を伸ばしていきます。
これは家でも絵本を読む時にまねできそうですね。
【コグトレ教室②】相手に伝えるコミュニケーション力を…ポーズを覚えて言葉で表現しよう!
ポーズを言葉だけで伝えよう!
コグトレ教室では、言葉を使って相手に情報を正しく伝えるゲームなども行われました。
まずは稲富さんが出したお題のポーズをみんなで覚えます!
ポーズは少し複雑ですが、自分の身ぶりを使わず言葉だけで先生たちに伝えます。
「右手を上に上げてピースして!」「もうちょっと上!」と子どもたちは大盛り上がり。
相手にどうやったら分かりやすく伝わるか、一生懸命言葉を選びながらチャレンジしていました!

特別な道具がなくても楽しめるので、おうち時間のコミュニケーションにもぴったりですね!
背中合わせで腕を組んで立ち上がろう
友達と背中を合わせて腕を組んだまま、一緒に立ち上がる遊びもありました。まずは少人数から挑戦!
大人も交ざって大人数でもチャレンジしました。

成功した子どもたちは達成感たっぷりの表情を見せていました!
いかがでしたか?今回取材した運動教室とコグトレ教室は、一見すると遊びそのもの。でもその一つ一つに体の使い方や集中力、コミュニケーション力など、子どもの成長を支える工夫が詰まっていることにココハレ編集部員も驚きました。
おうちでもできることをぜひ取り入れてみてくださいね!
8月29、30日に「子どものからだ発見教室」が開かれます
お子さんの得意・不得意な運動を知る「子どものからだ発見教室」が、2026 年 8 月 29、30 日に高知市大津乙の高知健康科学大学で開かれます。
29 日は、稲富さんと岩井さんがお子さんの様子について話を聞きながら、 筋力・柔軟性・瞬発力・バランス・器用さなどの運動能力を測定。30 日に、測定結果を基に 30 分間の個別相談を行います。
小学生までのお子さんが対象。詳しくは申し込みフォームをご覧ください。
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