ひいひいおばあちゃんは元気に田舎ずしを販売。5世代健在の仲良し一家

メールをくれたのは楠瀬樹里さん。1995 年生まれの 24 歳で、今年 3 月に長女の苺佳（まいか）ちゃんを出産しました。一家が集まるのは土佐市にある樹里さんの実家。ココハレ編集部員が訪ねると、3 カ月になった苺佳ちゃんを囲んで、一家がにぎやかに過ごしていました。

3代目に当たる苺佳ちゃんのおばあちゃんは堀田知美さんで、76 年生まれの 44 歳。2代目のひいおばあちゃんは中村美智子さんで、58 年生まれの 62 歳。そして、1代目のひいひいおばあちゃんが竹崎嘉代子さん。33 年生まれの 86 歳です。3 世代のおばあちゃんたちが若いことにまずびっくり。知美さん、美智子さんは「『孫が生まれた』『ひ孫が生まれた』と話すと、驚かれます」と話します。

1 代目の嘉代子さんは須崎市内で一人暮らしをしています。寮母の仕事をしてきた経験があり、料理が得意。田舎ずしを作り、JA土佐くろしおの直販所「とさっ子広場」（須崎市大間本町）に卸す仕事を 20 年以上続けています。

卸す田舎ずしは米 2 升分。毎晩 11 時に起き、専用の調理場でサバの姿ずしやのり巻き、タチウオのすしなどを作り、翌朝 5 時に仕上げています。「人には任せれん。全部一人でやる」と嘉代子さん。知美さんは「サバをさばいて、骨をきれいに抜いて。真っ暗で寒い冬でも作っています。5 世代で一番元気ですよ」と話します。

嘉代子さんが 2 代目の美智子さんを出産したのが 24 歳。美智子さんは 18 歳で知美さんを、知美さんは 19 歳で樹里さんを出産しました。10 代でお母さんとなった美智子さん、知美さんはともに現役の看護師。仕事と家庭の両立を助けたのは、それぞれの母親でした。

「若かったし、分からんままあっという間に終わったような。母に助けてもらいながらの子育てでした」とは美智子さん。知美さんも「母が夜勤の時はおばあちゃんがおってくれたので、寂しくなかった」と振り返ります。“孫育て”をする嘉代子さんは「ありゃ？また娘が生まれたかよ？」と間違えられることもあったそうです。

忙しく働く母親、祖母、曾祖母の姿を見て育った樹里さんが選んだ仕事も看護師で、同じ看護師の勇斗さん(25)と結婚しました。妊娠中も忙しく働いていたこともあり、切迫早産で 2 カ月入院するなど苦労しましたが、無事に生まれた苺佳ちゃんは元気いっぱいです。勇斗さんが夜勤の時は土佐市の実家に 2 人で里帰り。知美さんと、近くに住む美智子さんが子育てを手伝っています。

知美さんは「実家に帰ってきた時はゆっくり休ませてあげよう」と、樹里さんに代わって苺佳ちゃんをお風呂に入れたり、寝かしつけをしたり。40 代での出産も珍しくない今、「時々、自分の子どもやないろうかと錯覚します」と笑います。

普段から集まって食事をすることが好きという一家ですが、苺佳ちゃんが生まれてさらに会話が増えたそう。交代で抱っこしては、「かわいい」と笑顔が広がります。孫 5 人、ひ孫 10 人の成長を見守ってきた嘉代子さんは、初めてのやしゃごの抱っこも「慣れたもんよ」と余裕の表情。核家族化が進む中、母親、祖母、曾祖母と“先輩ママ”が一家に 3 人もいる樹里さんは「苺佳を抱っこしてくれる人がたくさんいて、本当にありがたい。安心して子育てができることに、感謝の気持ちでいっぱいです」と話しています。