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「なんでできないの?」「ちゃんとして!」…子どもへの関わりを少し見直してみませんか?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら・55」

「なんでできないの?」「ちゃんとして!」…子どもへの関わりを少し見直してみませんか?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら・55」

子育ての悩みに寄り添ってきた「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します

子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。

コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営するNPO法人の理事長・土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。

家族で過ごす時間が増える夏休み。おでかけは楽しいですが、子ども連れだと気疲れもしますよね。子育てのイライラやストレスを減らすため、「なんでできないの?」「ちゃんとして!」という関わりを少し見直してみませんか?

コラム「こころのとびら」はこちらから

夏休みのいるかひろばは小学生も利用できます

今年の夏はいつにも増して酷暑が続いています。夏の気候だけでストレスもたまってしまいますね。皆さん、毎日どのように過ごされていますか。

いるかひろばではこの 8 月、夏祭りの期間を設けました。「小学生親子との交流」で来てくれている小学生たちに乳幼児向けのゲームや遊びを企画してもらい、楽しんでもらっています。

夏休み期間中は小学生もいつでも利用できます。ぜひ遊びに来てくださいね。

いるかひろばではこの夏、夏祭りを楽しみました
いるかひろばではこの夏、夏祭りを楽しみました

夏休みは家族で過ごす時間が増えます。ご実家に帰省される方もいらっしゃると思います。家族旅行を計画されているご家庭もあるでしょう。

このコラムで以前、帰省でリラックスできる方がいる一方で、ストレスになる方もいるということを書かせていただきました。

旅行に帰省…家族と一緒に過ごす時間が増える夏休み、疲れていませんか?|「こころのとびら49」

今回はおでかけ先でも日常でも応用できる関わりについて触れていきたいと思います。

「なんでかみ合わない?」から「どうすればうまく回る?」に気持ちを変えました

人間には一人一人、個性があります。家族であっても、その個性は一人一人違います。

わが家では家族旅行は楽しみの一つでしたが、一人一人の個性が強いため、小競り合いももれなくセットになっていました。

最初は個々の個性を考えたことがなく、「毎日、なんでこんなにかみ合わないんだろう」とばかり考えていました。ともすれば、周りと比較して「Aさんの家は仲が良くてうらやましいな…」と思うこともよくありました。

家族旅行は楽しみですが、小競り合いもセットでした
家族旅行は楽しみですが、小競り合いもセットでした

ある時、「こんなことばかり考えていてはストレスになってしまう」と気づき、「どうすれば家族がうまく回るかを考えよう」とシフトチェンジしました。

その時に大事にしたのが、家族の個性の把握です。

行動を禁止するのではなく、その場で楽しく過ごせることを考えました

個性を把握して関わり方を考えるようにすると、私の行動が変わりました。

それまでは、子どもに対して「なんでできないの?」とイライラしたり、「ちゃんとして!」と叱っていたのが、「この子はどうすればできるようになる?」と考えるようになったのです。

わが子はじっとしているのが苦手でした。うろうろしてほしくない場所では「うろうろしないで」と行動を禁止するのではなく、その場で楽しく取り組めることをつくりました。

例えば、待ち時間。おでかけの際には折り紙、お絵描き帳、シール帳、ミニ絵本など子どもの好きな物を用意し、時間をつぶしました。

「なんでできないの?」「ちゃんとして!」をやめてみました
「なんでできないの?」「ちゃんとして!」をやめてみました

小学生になると、なぞなぞです。子どもが興味のあることをクイズにして出し合うことも。あの手この手で気をそらすことで、叱らなくても落ち着いて過ごす時間が増えていきました。

「なんでできないの?」「ちゃんとして!」は叱る際に口に出る言葉ですが、実は大人の感情を子どもに伝えているだけです。子どもにとっては、具体的な行動が示されない言葉です。

叱って子どもを止めようとするのはある意味手っ取り早いことかもしれませんが、子どもは学習します。やがて慣れていき、少々叱っても通用しなくなるでしょう。

小学生が考えてくれたゲーム。相手のことを思って「どうしたら喜んでくれる?」と想像することは子育てにも通じますね
小学生が考えてくれたゲーム。相手のことを思って「どうしたら喜んでくれる?」と想像することは子育てにも通じますね

子どもに伝わるような関わりはとても地道で、エネルギーがいります。大人にとっては大変ですが、子どもにとっては「やったらできる」という経験につながっていくのではないでしょうか。

特に子どもが苦手とすることにおいて、子どもに合わせた丁寧な関わりは「自分でできる」という成功体験の道筋をつけてあげることにもつながるのではないかと思います。

小学生が考えてくれたボウリング。ピン並べも親子で一緒に(写真と本文は関係ありません)
小学生が考えてくれたボウリング。ピン並べも親子で一緒に(写真と本文は関係ありません)

子どもに合わせて関わると、上手な気持ちの切り替えにつながることが増えました。

ただ、大人の場合はそう簡単ではなく、非常に根気が必要だということを家族を通して学びました。

次回は子育て真っ最中の頃の夫との関係をお伝えできればと思います。

 

土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。

高知市地域子育て支援センター「いるかひろば」

  • 住所:高知県高知市六泉寺町22 港孕保育園内
  • 電話:088-834-1484
  • 利用時間:月~金曜 9:30~12:00、12:30~15:30  日 、土曜日(月 2~3 回)9:30 ~ 12:00
  • 駐車場:無料。4 台(身体障害者用が 1 台)。置けない場合は提携先を案内します

オンラインいるかひろばのスケジュール

  • お試しオンライン(相談も):月~金曜日 9:30~10:00
  • オンラインいるかひろば:月~金曜日。午前は 11:00~11:30 、午後は 15:00~15:30 。通所いるかひろばとつないで「集まりの時間」を行います

 

土居さんへのインタビューはこちら

【ココハレインタビュー】「いるかひろば」理事長・土居寿美子さん|しんどい気持ち、安心して話して

この記事の著者

門田朋三

土居寿美子

高岡郡梼原町出身。保育士として 2005 年から高知市の港孕保育園に勤務。07 年から港孕保育園内にある地域子育て支援センター「いるかひろば」の常勤スタッフとして、親子に寄り添った支援に取り組んできました。19 年 11 月に特定非営利活動法人いるかひろばを立ち上げ、理事長に。20 年から、いるかひろばをNPOとして運営しています。趣味はバレーボール。洋服やケーキなど何かを作ることも好きです。好きな言葉は「一所懸命」。

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