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縄跳びは「循環運動」と「垂直跳び」の組み合わせだから難しい!|運動への苦手意識はなぜ生まれる?「みやもっち体育」で園児と高校生が交流しました

縄跳びは「循環運動」と「垂直跳び」の組み合わせだから難しい!|運動への苦手意識はなぜ生まれる?「みやもっち体育」で園児と高校生が交流しました

縄跳び、鉄棒、跳び箱…。幼児期から小学校にかけて登場する運動は、実は子どもに教えるのが難しい運動でもあります。

縄跳びは「縄を後ろから前に回して跳ぶ!」なんて、ざっくり教えていませんか?

幼児に縄跳びを楽しく教えるにはどうすればいいのでしょうか。「みやもっち体育」でおなじみの幼児体育講師・宮本忠男さんが春野高校(高知市春野町弘岡下)で、縄跳びをテーマに授業を行いました。

縄跳びは「縄を回し続ける循環運動と垂直跳びの組み合わせだから難しい」そうです。運動への苦手意識を生まない関わり方を紹介します。

「みやもっち体育」は一人一人の子どもたちに合わせた運動遊びです

宮本さんは高知県内の幼稚園や保育園などで、幼児向けの運動遊びを指導しています。

「みやもっち体育」は、宮本さんが運動経験や運動への思いが異なる一人一人の子どもたちに合わせて編み出した独自の指導法。「みやもっち」は子どもたちが名付けた、宮本さんのニックネームです。

「みやもっち体育」を編み出した宮本忠男さん。高校生や専門学校生への指導にも力を入れています
「みやもっち体育」を編み出した宮本忠男さん。高校生や専門学校生への指導にも力を入れています

宮本さんは幼児体育に携わる人材を育てようと、専門学校などでも指導をしています。春野高校では毎年、保育や福祉を学ぶ「生活クリエイト系列」の生徒たちに、園児との交流授業を行っています。

ココハレ編集部は 2025 年 11 月 18 日に 2 年生の授業を取材。杉の子せと幼稚園(高知市長浜)から年少児たちがやって来ました。

高校生のお兄さんたちに迎えられてドキドキ…
高校生のお兄さんたちに迎えられてドキドキ…

縄跳びの縄が変わったら?運動が苦手な子どもたちの気持ちを学びました

今回の交流授業のテーマは「縄跳び」。園児が合流する前に、宮本さんは「そもそも、縄跳びとは?」と高校生に問いかけました。

まずは、縄跳びできる?前に出た高校生は難なく跳びました。

高校生は普通に跳べます
高校生は普通に跳べます

では、縄が変わったら?高校生たちに渡されたのがこちら。

「これで縄跳びをして」
「これで縄跳びをして」

これは縄ではなく、ひも。みやもっち先生、さすがにむちゃ振りでは…?

縄跳びの縄と違って、ひもは軽く、柔らかいため、高校生たちも苦戦していました。

「ひもじゃ跳べない…」
「ひもじゃ跳べない…」

なかにはひもで器用に跳ぶ生徒もいました。さすが、高校生。

宮本さんはすかさず、「どんな感じで跳んだ?」と質問しました。

「手は速く回して、最大限足を上げました」

宮本さんが早速実演しましたが、この説明ではみんなが跳べるようになるのは無理でしょう…。

宮本さんが頑張って跳んでも、数回ほど
宮本さんが頑張って跳んでも、数回ほど

「『○○君みたいに跳んで!』と言われても、やり方が分からないから無理だよね」と宮本さん。

実は運動が苦手な子どもたちが体育の授業で味わってきたのが、この感覚です。

子どもは年中児くらいからプライドを感じ始めます。プライドを守るため、苦手なことを避けるようになるそう。だから、みんなの前で運動することを求められる体育が嫌いになる…という流れ。

「大人にとっては簡単な運動でも、子どもには難しい。できない子の能力が低いのではなく、『どうやったら、この子が動いてくれるかな』と大人が考え、やり方を教えることが必要です」

縄跳びはお風呂だ!みやもっち先生の“秘密兵器”が登場!

幼児の気持ちを学んだところで、交流授業がスタート。園児たちが教室に入り、一気ににぎやかになりました。

緊張気味なのは園児だけでなく、高校生も同じ。まずは「みやもっち体育」恒例のウオーミングアップです。

幼児は知らない場所では体を動かしづらいそう。高校の教室で、いつもの運動遊びです
幼児は知らない場所では体を動かしづらいそう。高校の教室で、いつもの運動遊びです
タッチでスキンシップ
タッチでスキンシップ
トンネルくぐりでも距離を近づけます
トンネルくぐりでも距離を近づけます
両足跳びは縄跳びにもつながる動きです
両足跳びは縄跳びにもつながる動きです

いよいよ縄跳び。今回は宮本さんがとっておきの“秘密兵器”を用意していました。それがこちら!

宮本さんの“秘密兵器”
宮本さんの“秘密兵器”

縄跳びの縄の中心部分に付いているのはスポンジ。お風呂で体を洗うスポンジだそうで、宮本さんは「100円ショップでそろえてアレンジした」と話していました。

持ち手は縄跳び
持ち手は縄跳び
縄の中心部にはスポンジ
縄の中心部にはスポンジ

縄跳びは、縄を一定のリズムで回し続ける「循環運動」と、同じ場所で両足で跳び続ける「垂直跳び」が組み合わさった運動です。

幼児にとっては「足元に来た縄を跳び越える運動」と「縄を後ろから前に回し続ける運動」が難しいそう。

そこで、宮本さんは縄跳びをお風呂に例えました。縄を跳び越える運動は「パンツをはく」、縄を回す運動は「スポンジでお尻を洗って、頭まで持っていって、バンザイ!」。ストーリー性を持たせることで、いつもの動作として楽しくこつがつかめるそうです。

「パンツをはくよ!」
「パンツをはくよ!」
「お尻から背中、しっかり洗って!」
「お尻から背中、しっかり洗って!」

縄は手首で回しますが、幼児は後ろで腕をひねって回してしまいます。

「縄跳びは握り方と腕の回し方が大事」と宮本さん。教え方をアドバイスされた高校生は、園児と 2 人 1 組になって挑戦しました。

縄をまたぐことに慣れていきます
縄をまたぐことに慣れていきます
縄の持ち方、完璧!
縄の持ち方、完璧!
あれ?腕をひねっちゃったね
あれ?腕をひねっちゃったね

頭上の縄を前に戻す運動は、ものを前に投げ出す動作。高校生たちは「スポンジで頭を洗ったら、前にばんっしてみて」と工夫しながら動きを伝えていました。

前に投げ出す動作は「頭から脱いだ洋服を私に投げて」でも伝わるそうです。

「頭まで洗ったら、前にばん!」
「頭まで洗ったら、前にばん!」

縄を跳び越える運動は、最初はパンツをはくように、片足ずつの「迎え足」になりますが、自然に消えて両足ジャンプになるそう。

「幼児のジャンプはどっしりしてるでしょ?」と宮本さん。「手足の動きも最初はバラバラ。手足を開いて閉じてジャンプする運動などで、手足を一緒に動かすことに慣れていくといいですよ」

「自分には無理」と諦める子への関わり方は?

縄跳びは、早い子は 3 歳ぐらいから跳べるそうです。

園でお兄ちゃん、お姉ちゃんたちが跳んでいるのを見て、「やってみよう!」と見よう見まねでチャレンジする子もいれば、やる前から「自分にはできないからやらない」という子もいます。4 歳になると、「縄跳びは苦手」と諦めてしまうそうです。

園児たちが帰った後、宮本さんは高校生たちにこう語りかけました。

「みんなも、専門学校の学生たちも、割とすぐ『無理』って言うよね。人間だから仕方ないけど、これから関わる子どもたちが『無理』って言ったら、どうする?」

「子どもが『縄跳びは無理』って言ったら、みんなはどうする?」
「子どもが『縄跳びは無理』って言ったら、みんなはどうする?」

子どもに運動を教える際は、大人のような動きを最初から求めず、「荒い動きの中から、子どもの心の中を見ること」がポイントです。

「『縄跳びは苦手』という 4 歳児に『みんな最初は初めてだよ』と伝えると、ハッとした顔をします。自分がその運動をなぜできているのかを知っていると、その子が何を苦手としているかが分かり、教えることができる。どうしたら目の前の子どもが動いてくれるか、子どもの気持ちになって考えてみてください」

一緒に動いたら楽しい!
一緒に動いたら楽しい!
スキンシップは愛着形成に不可欠。宮本さんは「泣いたり、指さしたりすることに大人が応えてくれることで、子どもは『自分は世の中を変えることができる』という自信を身に付けていく」と話していました
スキンシップは愛着形成に不可欠。宮本さんは「泣いたり、指さしたりすることに大人が応えてくれることで、子どもは『自分は世の中を変えることができる』という自信を身に付けていく」と話していました

 

子どもに伝える際は、日常の動作をヒントにして少しずつ伝える。「なんでできないの?」ではなく、「できることから細かく」。高校生の授業から子育てで大切なことを再認識したココハレ編集部員でした。

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

小学生ママです。長女は思春期の入り口にさしかかった4年生、次女はピカピカの1年生です。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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