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「のどが乾いた」は脱水のサイン?体重20キロの子どもは運動前に「200ミリリットル」の水分を|高知リハビリテーション専門職大学の片山訓博さんが脱水予防のポイントを紹介します

「のどが乾いた」は脱水のサイン?体重20キロの子どもは運動前に「200ミリリットル」の水分を|高知リハビリテーション専門職大学の片山訓博さんが脱水予防のポイントを紹介します

脱水症状にならないためには?高知リハビリテーション専門職大学の公開講座からご紹介します

公園遊びやスポーツの後、「ちゃんと水分を飲ませたから大丈夫」と思っていませんか?子どもは大人より脱水になりやすく、「のどが渇いた」と感じた時は、既に脱水が始まっているサインの可能性もあるそうです。

親が気になる脱水予防のポイントを伝える高知リハビリテーション専門職大学(土佐市高岡町乙)の公開講座が 2026 年 7 月、高知市追手筋 2 丁目のオーテピアで開かれました。

理学療法学専攻の教授・片山訓博さんによると、運動の 2~4 時間前に「体重×10 ミリリットル」の水分補給がお勧め。体重 20 キロのお子さんだと 200 ミリリットルを飲むといいそうです。脱水予防に適した飲み物や、脱水症状の見分け方も紹介しました。

 

高知リハビリテーション専門職大学は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士を養成しています。

2026 年 6~9 月の間、「令和 8 年度公開講座」を 3 部に分けて高知市追手筋 2 丁目のオーテピアで開催しています。

7 月開催の第 2 部が子どもに関係する講座で、脱水症状や遊び、運動神経をテーマに 3 回予定しています。

  • 7 月 5 日(日)…「脱水になるのは夏だけ?-身体の脱水が運動パフォーマンスに与える影響とその予防-」
  • 7 月 19 日(日)…「身近なもので遊んでみよう!」
  • 7 月 26 日(日)…「子どもの運動神経を高めるコーディネーショントレーニング」

詳しいスケジュールはこちら。
【2026年】高知市で「高知リハビリテーション専門職大学公開講座」(オーテピア)|「脱水になるのは夏だけ?」「身近なもので遊んでみよう!」「運動神経を高めるコーディネーショントレーニング」をテーマに開催されます

脱水症状をテーマにした公開講座が開かれました
脱水症状をテーマにした公開講座が開かれました

第 1 回の講座「脱水になるのは夏だけ?―身体の脱水が運動パフォーマンスに与える影響とその予防―」の講師は、教授の片山訓博さん。

理学療法の第一線で活躍し、医科学の面からトップアスリートのトレーニングやコンディショニングを支えています。高知県スポーツ協会などのアドバイザーとしても活動しています。

子どもは大人に比べて脱水になりやすい…脱水になる可能性は1年中あります

人間の体の多くは体液=水分+ミネラル(塩分)でできています。脱水状態とは、体から体液が失われた状態のこと。

子どもは大人に比べて脱水症状になりやすい傾向がある」と片山さんは言います。理由は次のようなもの。

  • 身長が低く、地面に近いため地面からの反射熱を受けやすい。
  • 代謝が大人よりも活発で、大人より汗をかきやすい。

子どもは季節を問わず、汗をよくかきますよね。

脱水を起こすと、体の熱を逃す働きが弱くなり、熱中症になることもあります。めまいや吐き気、意識障害などが起き、深刻な場合は命に関わります。

「夏だけが危ないということではありません」
「夏だけが危ないということではありません」

脱水や熱中症に注意したい危険な時季は、もちろん夏。2023 年度に熱中症で救急搬送された約 9 万人のうち、8 割近くが 7 月と 8 月に集中しています。

ただ、片山さんがある部活動中の高校生たちの環境や脱水状態を約 2 年半調べ続けたところ、夏だけでなく年間を通して脱水傾向だったそうです。

運動したり、遊んだりする子どもたちは、「季節を問わず 1 年中脱水になる可能性があることを知ってもらいたい」と片山さん。特に 5 ~ 6 月は、急に気温や湿度が上がり、暑さに慣れる「順化」ができていないため脱水や熱中症になりやすいそうです。

体を冷やすために汗が蒸発しますが…汗をかきにくい環境にも注意です

私たち人間は体の仕組み上、熱くなった体の熱を放出し、冷やす方法が 4 つしかありません。

冷たい物で冷やして体から熱を移動させる「伝導」などの方法がありますが、最も大きいのが汗などの「蒸発」。十分な熱が加わって蒸発する時に、体の熱を奪っていく仕組みです。

「呼吸する時にも水分を蒸発によって失っている」といい、私たちの体は熱くなるとどんどん水分が失われていきます。

体を冷やすためには汗が蒸発することが大切
体を冷やすためには汗が蒸発することが大切

体温を下げるために汗が蒸発することは大切なのですが、蒸発するために、気温以外に大事になるのが湿度の低さ

片山さん
気温が同じでも、湿度が上がってくると冷却効果は薄れ、体の中が熱くなっています。

汗をかきすぎると脱水に注意が必要ですが、汗をかきにくく熱がこもる状態にも注意を呼びかけます。

運動後などの体温を下げるためには、たくさんの血管が集まっている手を氷水や保冷剤で冷やす「手のひら冷却」がお勧めだそうです。

触って分かる簡単なチェック方法…脱水になると現れる脳や筋肉などの症状

片山さんは、脱水が起きた時のさまざまな症状について紹介しました。体重から次の量の水分(体重)が減った時、次のような症状が現れてきます。

  • 2 %…のどが乾く
  • 3 %…のどの強い乾き、ぼんやりする、食欲不振
  • 4 %…皮膚の紅潮、イライラする、体温上昇、疲労困ぱいになる、尿の減少と濃縮
  • 5 %…頭痛、熱にうだる感覚
  • 8 ~10 %…身体が揺れる、けいれん
  • 20 %…尿が出なくなる、死亡

「『お茶を飲みたいな』とのどが乾いている人は、既に脱水の可能性があります」と片山さん。

脳や筋肉、消化器にさまざまな症状が出てくるため、スポーツをしている場合は運動能力も低下していきます。

「のどが乾いている人は、既に脱水の可能性があります」
「のどが乾いている人は、既に脱水の可能性があります」

脱水になっている可能性を見分ける簡単なチェック方法があります。

  • 手を握って、手が冷たい
  • 口の中や、舌の表面が乾燥している
  • 皮膚をつまんでから、離して元の形に戻るのに 3 秒以上かかる
  • 親指の爪先を押して、赤みが戻るのに 3 秒以上かかる
  • 脇の下が乾いている
  • 尿の色が濃い

遊びや運動に夢中になっているお子さんは、脱水の自覚がないまま時間がたつこともあると思います。水分補給やお子さんの様子に注意するとともに、チェック方法も覚えておくと安心ですね。

水分補給の良いタイミングは?運動中だけでなく、運動前、運動直前も飲みましょう

スポーツをするお子さんの場合、水分補給には良いタイミングがあります。

片山さんが高校野球の選手たちを研究したデータによると、運動を開始する 2 ~ 4 時間前の間に、体重×10 ミリリットルの水分を補給することで、脱水傾向の割合が減っていったそうです。

例えば体重 20 キロの場合だと、200 ミリリットルの水分です。

片山さん
運動開始の 10 ~ 20 分前にも、また 200 ミリリットルくらい飲んでおけばさらに良いですね。

運動中は、一般的に 10 ~ 20 分ごとに 200 ~ 300 ミリリットルほど飲むことを推奨します。「水温は可能な限り冷たい方がいい」とのことです。

水を飲んでも尿量が増えるだけ…スポーツドリンクや牛乳がお勧め

ではどのような飲み物がおすすめなのでしょうか?一番手軽なのは水ですが…。片山さんよると、「水だけではダメ」。

片山さん

飲んだ水の量が増えると、腎臓は尿の濃度を下げ、尿量を増やすように調整します。脱水した時に水を飲むと、尿量が急激に増えてしまいます。

お勧めは、いわゆるスポーツドリンク。スポーツドリンクに含まれる糖分や電解質が、尿の濃度調節を助け、尿量が増えにくい傾向だそうです。

汗をたくさんかいた時におすすめなのは?
汗をたくさんかいた時におすすめなのは?

市販されているスポーツドリンクは、アイソトニック飲料(等張液)と、ハイポトニック飲料(低張液)に分類されます。インターネットなどで調べると、どの飲料がどちらかが分かります。それぞれの特徴がこちら。

  • アイソトニック…安静時に、早く吸収される。糖質が多く含まれ、長時間のエネルギー源になる。運動前に適している。例:ポカリスエット、アクエリアス
  • ハイポトニック…発汗で体液が薄くなっている状況で、早く吸収される。減量した時や、運動中に適している。例:アミノバリュー、イオンウォーター

例えば運動前により飲んだ方がいいのはアイソトニックですが、運動中でも特に問題はないとのことです。

ただ熱中症になってしまった場合は、経口補水液(ハイポトニック飲料の一種)を飲みましょう。

アイソニックを運動中に飲んでも問題はありません
アイソニックを運動中に飲んでも問題はありません

経口補水液は、水より 54 %多く体に水分をためることができます。これは「飲料水和指数」という数値で 1.54 と表されます。スポーツドリンクの場合は、1.14 です。

実は牛乳も、水よりよく水分をためるといい、指数は約 1.50 だといいます。

片山さん
朝に牛乳を飲むという習慣をつけてもらえれば、脱水になりにくいかもしれません。

反対に、大人が飲みがちなビール(指数 0.95)やコーヒー(指数 0.94)は余計に水分を出すため、お勧めではないとのことです。

講演で紹介された脱水予防に役立つポイント

脱水予防に役立つポイントをココハレ編集部がまとめました。

  • 「のどが渇いた」は脱水のサインかもしれません。 渇きを感じる前から水分補給をしましょう。
  • 運動の 2~4 時間前に「体重×10ミリリットル」の水分を飲むのがお勧めです。(体重 20 キロなら 200ミリリットル)
  • 運動の 10~20 分前に約 200 ミリリットルを補給すると、さらに脱水予防に。運動中は 10~20 分ごとに 200~300 ミリリットルを目安に、冷たい飲み物を補給しましょう。
  • 水だけでなく、スポーツドリンクなどを活用しましょう。熱中症が疑われる場合は経口補水液が適しています。
  • 子どもの様子を観察することも大切。 手足の冷たさや口の渇き、尿の色なども脱水のサインになります。
  • 脱水や熱中症は夏だけではありません。運動をする日は季節を問わず注意しましょう。

近年は、夏に限らず気温の高い時季が長く続いています。脱水になる可能性は 1 年中あるとのことで、親が「こまめに飲もうね」と声をかけるだけでなく、飲んだ時間や量も目配りしてあげたいですね。

この記事の著者

徳澄裕子

徳澄裕子

小学4年生の男の子の母です。「一緒に遊ぼう」と言ってくれるうちは、体力を振り絞って頑張りたいと思います。1986年生まれ。

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