妊娠、出産、子育て…3人目以降は「慣れてるから楽」って本当?|3人育児、4人育児の実際は?「多子ママ」のココハレサポーターズが語りました〈前編〉

子育ては大なり小なり、手がかかるもの。子ども一人一人と向き合う時間も必要で、きょうだいの多い家庭はどうやって対応しているのでしょうか。
ココハレサポーターズによる恒例の子育て座談会。今回は「多子ママ座談会」ということで、3 人育児、4 人育児中の 5 人が集まりました。
多子ママの皆さんが周囲からよく言われるのが「3 人目ともなると、楽よね」「妊娠も出産も子育ても慣れたものでしょ」だそうですが、本当?多子育児の実際を前編・後編でたっぷりお届けします!
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目次
ココハレサポーターズは、高知県内のお母さんたちがココハレ編集部員と一緒に記事の内容を考えたり、取材に参加したりする活動です。
「多子ママ育児座談会」は 2025 年 9 月 22 日に開催。3 人育児、4 人育児中のママ 5 人が参加しました。
- 池知絵里さん( 1 期、子ども=小学 1 年の長女、年少の次女、6 カ月の三女)
- 松本桜祐嘩さん( 2 期、子ども= 19 歳の長男、高校 2 年の次男、中学 3 年の三男、中学 1 年の四男)
- 松本容子さん( 3 期、子ども=小学 1 年の長女、年中の長男、1 歳の次女)
- 橋本麻耶さん( 4 期、子ども=高校 2 年の長男、中学 3 年の次男、中学 1 年の三男、3 歳の長女)
- 横江冴さん( 4 期、子ども=小学 3 年の長男、年長の長女、年少の次男、1 歳の三男)
進行役のココハレ編集部員は小学 4 年と 1 年の姉妹を育てています。

じゃんけん、あみだくじ、お店屋さんごっこ…毎日がパーティー
まずは子育て座談会恒例の「一言」コーナー。3 人育児、4 人育児をそれぞれ一言で表してもらいました。
――私は 2 人育児なので、3 人以上は想像がつかないんですが、実際はどんな感じでしょうか。
橋本さん:私は「毎日がパーティー」です。
一同:(笑)
橋本さん:人数がいる分、毎日にぎやか。お菓子を 10 個もらったら、1 人ずつ配って、残り 2 個はさぁ、じゃんけん!みたいな。本気のじゃんけんとか、あみだくじとか。
――それは楽しそう。
橋本さん:お兄ちゃんたちが小学生くらいまでは、クリスマス時季になったら、各自 500 円でプレゼントを準備して交換するんです。みんなでフジとかに行って、「何分後にここに集合ね」って。人数がいる分、何かにつけて、友達とやってることが家でもできる。
――なるほど。
橋本さん:お店屋さんごっこも、お店の人担当もいれば、お客さん担当の人もいて、親が介入しなくても事が足りる。毎日うるさかったですけど、楽しかったです。

――今はお兄ちゃんたちが中高生ですよね。別行動になりますか?
橋本さん:今は今で、家で隣に座ってるのにオンラインゲームでつながってるとか。
――兄弟で?
橋本さん:めっちゃわいついてます。
――「小学生座談会」で「男子が家に遊びに来て、みんなでオンラインゲームやってる」と聞いたんですけど。
橋本さん:そうそう。
――大きくなっても、兄弟で。
橋本さん:わちゃわちゃしてますね。
男子4人との暮らしは「宇宙人との暮らし」
桜祐嘩さん;うちは「宇宙人と暮らす」。男の子 4 人で 2 学年ずつ離れてて。でも、けんかはそんなにしなかったような。
―― 2 歳差だと一番もめそうな感じですが。
桜祐嘩さん:でも、壁とかに穴は空きました。
一同:(笑)
桜祐嘩さん:お互いにやり合うというよりは壁に。で、壁の穴にお菓子の袋がどんどんたまる。
一同:(笑)
――入れるんですか?!
桜祐嘩さん:そう、ごみ箱みたいな(笑)。あと、うちの子たちは生き物が好きで、何でも捕ってくる。イモリだったら 50 匹。
――そんなに?!
桜祐嘩さん:セミも朝から何十匹。ヘビもそうだし。息子たちの行動があまりにも理解ができなくて涙したこともあって。その時に夫が「男の子は宇宙人と思え」と。
一同:(笑)

桜祐嘩さん:今は中 1 の四男が県外に出ています。夏休みに帰ってきた時には兄弟 4 人で 1 部屋で寝てましたね。「ちょっと離れたらいいこともあるのかな」みたいな。
一同:(笑)
桜祐嘩さん:でも、いまだに理解はできないです。
――男子って中高生になってもやっぱり理解できない?
桜祐嘩さん:できないですね…。
橋本さん:できないですよね(笑)。
――男の子育児座談会では「ポケットから砂」みたいな。
桜祐嘩さん:ざらざらでしょう?家がざらざら(笑)。
――中高生男子の「理解できない」ってどんな感じなんですか?
橋本さん:収集癖の話がありましたよね。棒を集めたりとか、トミカ並べたりとか。
――今でも集めてるんですか?
橋本さん:キャラクターとか車とか並べてます。
桜祐嘩さん:うちは生き物が好きなので、洋服を入れているたんすから、カナヘビが。
容子さん:えー!せめて虫かごに…。
桜祐嘩さん:「虫は家の中には入れないで」と伝えていたので、子どもが「母ちゃんに見つかったら」と考えたのが引き出し。翌日、剥製みたいになってました。
一同:(笑)

容子さん:中学生男子って「紙をどんだけ硬く巻けるか」とかやりますよね、普通に。
橋本さん:極める系。
横江さん:そういうの好きだと思う。
桜祐嘩さん:何か、銀紙でサイコロを作ったりとか。がちがちに。
一同:(笑)
桜祐嘩さん:あと泥団子?
橋本さん:好きですよね。
容子さん:うちの長男もパンツを 3 枚はいたりとか、靴下を 2 枚はいたりとか。みんなに気づいてもらえないので柄を変えたりしてます。
桜祐嘩さん:うちは靴下に穴が空くので、同じ色のを買って重ねてはいて、「ニューヨークスタイルです」。ニューヨークかどうか分からんけど(笑)。
一同:(笑)
――男子ってずっと面白いんですね。
橋本さん:そう。男子はずっと面白い。
3人目、4人目は「孫」?!
容子さん:私は「孫感」です。2 歳差で子どもが欲しかったんですけど、2 番目と 3 番目は 3 歳差。自分が思っていたよりも 1 年空いたので、3 番目は孫みたいな感じがあって。親と子どもの 2 世代で住んでるはずだけど、2.5 世代みたいな。
橋本さん:分かる。私も 4 番目は孫です。
容子さん:3 人目の次女を私が全然怒らないので、長女がすごく怒っていて。手紙とか書いてきます。「なんでママは私ばっかり!」って。
一同:(笑)

容子さん:だから、長女に言うんです。「あなたは 2 年近くずっと一人っ子生活だった。あなただけ、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃんを独り占めできた時期があるんだから」って。そしたら、「私が一人っ子だった時は小さ過ぎて記憶がありません!」って。
一同:(笑)
容子さん:ですよねー、みたいな(笑)。でも、3 番目は何をしてもかわいい。水をこぼしたら、1 番目と 2 番目には「もーっ!!!」だったのに、3 番目は「やるよねー」みたいな。
横江さん:分かる。めっちゃ分かる。
一同:(笑)
「3人目だから楽でしょ?」に、かちん!
池知さん:私は「2 人も 3 人も一緒は大ウソ!!!」。
一同:大ウソ?!
池知さん:もともと育児が苦手だし、子どもも苦手だし。皆さんみたいに要領よくできなくて、1 人をお世話していたら、他の 2 人が見えてないんですよ。
一同:あー。
池知さん:今は一番下が生後 6 カ月。日中全然寝ないし、泣くし、離乳食は食べてくれないし。毎日てんやわんやで、私 1 人焦ってて。14 時半とか 15 時になったら小 1 が帰ってきて、16 時前に 2 人目を迎えに行ったら、そこからはカオスですよね。

池知さん:夫が今忙しくて 21 時、22 時まで帰ってこないから、ご飯食べさせてお風呂入れてってやるんですけど、20 時半くらいになったら電源オフみたいになっちゃって。
――うん、うん。
池知さん:三女が 19 時に寝てくれたら、長女と次女に「ご飯何食べる?」とか「お風呂、ママと一緒に入ろうか」とかできるんですけど。
横江さん:いやぁ、無理でしょう…。
池知さん:寝ない時は何しても寝ないんですよ。だから、横で寝かしつけしながら「どうでもいいや」って。
横江さん:大変ですよね…。
池知さん:だから、「3 人目だから楽でしょ?」とか「慣れたものでしょ?」って言われたら、すごくかちんと来ちゃって。
容子さん:かちんと来る来る!
池知さん:妊娠中も 3 人目が一番大変で。産んだ後も回復しないし。
―― 40 代に入るとね…。
池知さん:「3 人目はすぽーんって生まれる」って、誰にも心配されなくて。
横江さん:分かる(笑)!

――ちょっとびっくりなんですけど、3 人目って心配されないんですか?!
池知さん:心配されない。誰もお見舞いに来ないし、びっくりするくらい誰からも連絡ないし。
――それは…私がお見舞いに行きたかった!
一同:(笑)
池知さん:いや、来なくて良かったんですけどね。「こんな時間もうない」と思って、推しのYouTubeをずっと見てました。でも、3 人目になると、ここまで放置されるんだ…って。
容子さん:むかつくよね。1 カ月健診とかでも「お母さん、3 人目だから大丈夫でしょ」って言われて、すごくむかついて。「3 人目は初めてです」って。
一同:確かに(笑)。
容子さん:「子どもも一人一人違うし、出産も一回一回違います」って伝えたら、「そっか、ごめんね」。
一同:(笑)
――「3 人目だから子育てベテランでしょー」なんて言いがちですけど、絶対にダメなやつなんですね。
一同:そう!
4人育児は「窓が開けられない」
横江さん:うちは「サルとの共存」です。
一同:(笑)
――ものすごくダイレクトな(笑)。
容子さん:目が本気です(笑)。
横江さん:朝起きた瞬間から、全部の戸を閉めてないと、うるさくて。
――じゃあ、エアコンを使わなくていい季節になっても…。
横江さん:窓は開けられないですね。
容子さん:光熱費がかさむー!

横江さん:今朝、「涼しいな」と思って窓を開けたんですよ。で、子どもたちが起きてきたと同時にけんかが始まって…。
一同:(笑)
横江さん:どたばたうるさいし。きーっとなったんで、もう全部閉めて、エアコンつけて。「ご飯まだなの?」だの「教科書入れた?」だの「連絡帳にサインした?」だのいろいろ言われて、「自分でしろーっ!!!」。
一同:(笑)
横江さん:朝から怒鳴り散らして、今日ここへ来ました(笑)。
桜祐嘩さん:「うるさい」って言えば、夫が「麻酔銃撃ちたい」って言ってましたよ。車の中で。
一同:(笑)
桜祐嘩さん:「黙れ」って(笑)。
容子さん:うちの夫も「静かにしゃべって!」って、それ子どもには無理(笑)。
桜祐嘩さん:「怒ったら 6 秒数えろ」って言うじゃないですか。
――アンガーマネジメントですね。
桜祐嘩さん:6 秒なんて無理!そんなに待てん!
一同:(笑)
容子さん:私たちが数える 6 秒って全然速いから、収まらない(笑)。
ママを独り占めしたい…第1子のめんどくささには付き合ってあげて
皆さんに「一言」を発表してもらった後は、トークを深掘りしていきました。
3 人きょうだい、4 人きょうだいで育つ第 1 子の気持ちとは?
――容子さんが「3 番目は何してもかわいい」っておっしゃっていました。第 1 子と、第 2 子以降って、違いますか?
容子さん:いちいちかわいいですよね。洋服で柄、柄、柄な組み合わせをチョイスされると、1 番目と 2 番目には「こっちの組み合わせの方がいい」「せっかくだからかわいく着てほしい」と思って直したりもしてたんですけど、3 番目になったらどうでもいい。裸じゃなかったら(笑)。
一同:(笑)
容子さん:「かわいいー!それ、チョイスするんだー!」みたいな(笑)。
一同:(笑)

橋本さん:いちいちかわいいですよね。私も 3 番目を王子キャラで育てましたもん。だから、中 1 なのに甘えキャラ。
容子さん:男女の違いありますよね。うちの 3 番目は女子なので、「できます」みたいなキャラ。ご飯の時もさっと来て、「おっちん、とん」って。
橋本さん:かわいい!
容子さん:だから、お姉ちゃんは余計に腹が立つんですよ。3 番目が水をこぼしたら、「自分でこぼしたんだから、自分でタオル持ってきて拭いて」って。
一同:厳しい(笑)!
容子さん::「でもほら、まだ 1 歳だから」って私が言ったら、「ちっ」みたいな感じで(笑)。
――そっか、お姉ちゃんってそう思ってるんですよね。ちょっと反省した。
一同:(笑)
容子さん:長女は今まで「スン」だったのに、「ママと一緒におにぎり作りたい」「でも、やつらが来るからもういい」って。部屋に入ってクールダウンしてます。
桜祐嘩さん:ママを独り占めしたい?
容子さん:そう。この数週間で急に出始めてきました。

横江さん:うちの長男は小 3 なんですけど、長女のことも憎たらしくて、次男のこともに憎たらしくて。さっき、容子さんが言ったみたいに「自分のことを見てほしい」。
一同:あー。
横江さん:下の子たちと年が離れてるけど、自分が一番でいたい。
容子さん:下の子のお世話をしないでしょう?
横江さん:しない。
容子さん:うちも全くしない。
横江さん:長女が唯一の女の子なので、私が下の子たちのお世話をお願いするんですね。長女がやってくれて、私が「ありがとう!」って伝えると、小 3 が「べたべたすんなよ。気持ち悪い」って。
一同:(笑)
容子さん:やきもちだ!

横江さん:でも、学校から帰ってきて、下のきょうだいがいないって分かったら、「抱っこして」「トイレついて来て」って。
橋本さん:かわいい。
容子さん:甘えたいんだね。すごく葛藤してるのが伝わってくる。
横江さん:でも、私が長男を突き放しちゃうんですよ。
容子さん:分かる。
横江さん:「お兄ちゃん」というフレーズはあんまり言わないけど、「もう小 3 でしょ?」って言ってしまってて。だから、最近怖いんですよ。ニュースとかで見るじゃないですか。「息子が母親を…」とか見ると、ドキッとして。
――ドキッとね…。
横江さん:「突き放しちゃいかんな」と思うんです。でも、思っても、10 秒くらい?
一同:(笑)

横江さん:イライラすることがあると、一瞬で。「さっきの私の、あの優しい気持ちは何だったんだろう」って。自分自身も嫌になるんですよね、性格悪くて。
容子さん:うん、うん。
横江さん:イライラして後悔することの繰り返しで何年も来てます。長男に対して穏やかな気持ちでいられないんですよね。
容子さん:めっちゃ分かる。
横江さん:自分が何か病気なのかなって。
容子さん:めっちゃ分かる!

桜祐嘩さん:うちは、長男には「できて当たり前」「やって当たり前」「自分でなるべくお荷物も」と育ててきて。保育園でも小学校でも親がついてちゃんとやってきたけど、2 番目からはどんどん放し飼い。
一同:そうそう。
桜祐嘩さん:今、4 人を比べると、長男は自分に否定的なところがあって。
一同:あ-。
桜祐嘩さん:偉そうに聞こえるかもだけど、第 1 子のめんどくささに今は頑張って付き合った方がいいかな。戻れるなら、長男のあの頃に戻りたいって思う。
橋本さん:長男が否定的っていうのはすごく分かる。
池知さん:小 1 でも、まだ間に合います?
桜祐嘩さん:全然!もっと、小さいことを「できたね」「おりこだったね」って褒めてあげてた方がよかったかなって思います。
橋本さん:分かる。
桜祐嘩さん:毎日きーってなると思うけど、「楽しい時間を一緒に過ごせるのもあと何年」と、ぐっとこらえて。と言っても、日々、「なんだこいつ!」って思いますけどね(笑)。
一同:(笑)
多子ママ座談会、後編に続きます!
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