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「教えて!吉川先生」伝染性紅斑(リンゴ病)|発疹ができる風邪。妊婦さんは注意を

「教えて!吉川先生」伝染性紅斑(リンゴ病)|発疹ができる風邪。妊婦さんは注意を

子どもの病気やけがについて、ココハレかかりつけ小児科医・吉川清志先生が解説します

子どもの急な発熱に「さっきまで元気だったのに…」と焦ったり、病気やけがについてインターネットで調べて、「本当に正しい情報なの?」と迷ったりした経験はありませんか?

「教えて!吉川先生」では、高知県内でたくさんの子どもたちを診察してきた小児科医・吉川清志(きっかわ・きよし)さんが「ココハレかかりつけ小児科医」として、子どもの病気やけがについて解説します。

今回は「伝染性紅斑(こうはん)」。発疹ができる風邪で「リンゴ病」とも呼ばれます。妊婦さんは注意が必要な感染症です。

 

「教えて!吉川先生」はこちらから

高知県の感染症情報はこちら

「伝染性紅斑」とは?

Q
「伝染性紅斑」とはどんな病気ですか?
A
発疹が出る風邪。両頬全体が赤くなります

 

伝染性紅斑は風邪の一種で、発疹が出るのが特徴です。発疹は顔、上腕の外側、太ももの前面に現れます。「紅斑」と言って両頬が発疹でべたっと赤くなるので「リンゴ病」とも呼ばれています。

時間が経過すると発疹は赤色が薄くなり、レース状になり、7~10 日ほどで消えます。かゆみや、関節に痛みが出る場合もあります。

両頬に発疹が出る前に、微熱や風邪の症状が出ることもあります。

感染経路は?

Q
どうやって感染しますか?
A
主に飛まつ感染、接触感染です

 

伝染性紅斑のウイルスは「ヒトパルボウイルスB19」というウイルスです。せきやくしゃみなどによる飛まつ感染や、接触感染によって感染します。

感染は集団生活を送る園児から小学生の年代に多いですが、大人も感染します。感染力が最も強いのは発疹が出る前なので、その時に伝染性紅斑だと気付くことはできません。

一度かかると、「終生免疫」が得られ、再感染はしないとされています。

流行する時期は?

Q
流行する時期はありますか?
A
4~5 年に一度、流行します。

 

4~5 年に一度、全国規模で流行が見られます。

治療方法は?

Q
治療方法はありますか?
A
自然に治るのを待ちます

 

伝染性紅斑の症状は軽いことが多く、経過を見ながら自然に治るのを待ちます。

紅斑が出る頃には感染力はほぼなくなっているので、紅斑が出ていても学校や保育園・幼稚園に出席できます。

注意点は?

Q
注意すべきことはありますか?
A
妊婦さんは風邪の症状がある人には近づかないでください

 

伝染性紅斑は子どもがかかっても自然に治り、予後も良好なのですが、妊婦さんは注意が必要です。

妊娠中に初めて感染すると、胎児にまで感染が及ぶ恐れがあります。胎児が感染すると、赤血球を作る機能がストップしてしまい、重篤な貧血や、貧血による心臓への負担で全身に水分がたまる「胎児水腫」となり、流産することもあります。

ワクチンや治療薬など有効な予防方法、治療方法はありませんので、妊娠中は特に、手洗いなど通常の感染対策をしっかり行い、風邪の症状がある人には近づかないことが大切です。「流行している」というニュースが出た際は、人混みに近づかないようにしましょう。

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

小 3 と年長児の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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