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保育園で子育てを語りたい!ママ友をつくりたい!|本山保育所に保護者向け「子育てサロン」

保育園で子育てを語りたい!ママ友をつくりたい!|本山保育所に保護者向け「子育てサロン」

毎日の保育園への送り迎え。子どもの同級生のお母さんとあいさつはするけれど、そういえばゆっくり話したことはないな…。そんな経験はありませんか?

「みんな働いている」「朝も夕方も時間がない」などの理由で、話す機会がなく、つくりにくいのが保育園での“ママ友”です。長岡郡本山町の本山保育所では「保護者同士が気軽に話せる場が欲しい」というお母さんたちの声に応え、子育てサロン「すまいる」を始めました。月に 1 ~ 2 回ほど開かれ、子育ての悩みや困りごとを語り合い、息抜きをする場になっています。

 

支援センターの部屋で、ゆったりと

本山保育所は本山町唯一の保育所です。町内には幼稚園がないため、町内の子どもたちは 2 歳児クラスになると、ほぼ全員が通っているそうです。園児は現在、96 人です。

子育てサロンがスタートしたのは 2020 年 7 月。保育所の行事の在り方について保護者と話し合いをしていた時に、あるお母さんが「保護者同士が気軽に話せる場所があったらいいね」と発言したことがきっかけになりました。

「『他のお母さんと顔見知りだけど、しゃべったことがないね』という声が上がって、言われてみればそうだなと思いました。お母さんたちに好きにしゃべってもらえる場を保育所で提供することになりました」と所長の大西利恵さんは振り返ります。

子育てサロン「すまいる」を始めた本山保育所
子育てサロン「すまいる」を始めた本山保育所
子育て支援センターが併設されています
子育て支援センターが併設されています

サロンの名前は、覚えてもらいやすい「すまいる」。本山保育所に併設されている地域子育て支援センターの部屋で月 1 ~ 2 回、13 時半から 15 時半まで開いています。中心となって活動するのは、保護者の川村祐奈さん。5 歳の次女が年中クラスに通っています。

参加人数は毎回、数人ほど。川村さんは「皆さん、平日はお仕事があるので、なかなか参加が難しい」と話します。ですが、「子育てについて話したかった!」とわざわざ仕事を休んで参加するお母さんもいるそうです。

9 月のサロンには川村さんのほか、小原亜里沙さんが参加しました。小原さんは 5 歳、3 歳、6 カ月の 3 人を育てるお母さん。まだ入園していない 6 カ月の長男をあやしながら、「最近どう?」「お姉ちゃんたちは赤ちゃん返りとかない?」と話を弾ませていました。

「保育園で他のお母さんと話す機会ってそんなにない。ここでママ友ができました」と小原さん。川村さんも「保護者同士でつながる場が欲しいと思っていました。子どもから離れて、ゆったりした気持ちで話せる場があることはとても貴重です」と語ります。

日頃の思いはノートにつづって共有

サロンには1冊のノートが用意されています。ページをめくると、子育ての悩みや困りごとが年齢別につづられていました。

 

「みんな、いつ料理して洗濯して 1 日を乗り越えてるの?」

「うちだけがドタバタと大変。他のお母さんたちがうまくいっているように見える」

「私、子育て向いてない」

 

毎日の大変さ、しんどさを訴える声の一方で、「夜、おむつからパンツで眠れることが増えて成長を感じた」「妹ができてお兄ちゃんらしくなった」といった明るい声も書き留められています。

「子どもがその年齢になった時に参考になるように、サロンで出た意見を記録しています。書くことで自分の振り返りにもなります」と川村さん。「お互いの子どものかわいさを喜べるし、『毎日イライラする』とか『わが子がかわいく思えない』とかおおっぴらには言えないような悩みも、ここに来れば安心して出せる。子育ての支えになる大事な場所です」

子育ての困りごと、悩みをノートに書き留めています
子育ての困りごと、悩みをノートに書き留めています

頑張りを褒めてください!

「『毎日大変だよね』と共感し合い、お互いの頑張りを認め合いたい」。お母さんたちのそんな思いを受け止めた先生たちが「ほめてうちわ」を作ってくれました。名前の通り、褒めてもらいたい時に相手に見せるそうです。

「家事や育児はちゃんとやって当たり前と思われますが、本当に大変!疲れます。大人にも褒めてもらいたい時がありますよね」と川村さん。「家でも夫にぱって出したらどうかな?『今褒めて!』って」「『こんなにやりゆうのに、夫が全然ねぎらってくれん』ってイライラするより、直接目で見て分かるように『褒めて』って伝えた方が分かりやすいよね」と盛り上がっていました。

サロンに参加した川村さん(右)と小原さん。たっぷりおしゃべりしました
サロンに参加した川村さん(右)と小原さん。たっぷりおしゃべりしました

所長の大西さんによると、保育園の開設時間内に、保護者向けに子育てサロンを開いている園は「公立保育所では珍しいのでは」とのこと。たっぷりおしゃべりした川村さんと小原さんは、笑顔で子どもたちのクラスに向かいました。サロン後にそのままお迎えに行けるのも、保育園での開催ならではのメリットです。

保育園に子どもを通わせる保護者は、同じ地域で暮らし、同じ年頃の子どもを育てています。子育ての悩みや困りごともある程度、共通していているようです。卒園後も小学校、中学校とお付き合いは続きます。送り迎えでのあいさつや短い会話のみではなく、じっくり語り合える本山保育所のような取り組みが他の園にも広がるといいですね。

支援センターなのでおもちゃもたくさん。赤ちゃんもご機嫌で過ごせます
支援センターなのでおもちゃもたくさん。赤ちゃんもご機嫌で過ごせます

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

小 3 と年長児の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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