高知市に全国最年少9歳の防災士が誕生しました|週間高知の子どもニュース(2021年10月16~22日)
今週は中学生の職場体験や小学生向けの高校説明会が行われ、子どもたちが自分の将来を考える時間を過ごしました。
高知市大津甲の付属小 4 年、片山航(こう)君が今春、全国最年少タイの 9 歳で防災士になりました。両親は既に防災士で、姉と祖母も一緒に防災士になり、一家 3 世代の地域リーダーが誕生しました。
2021 年 10 月 16 ~ 22 日に高知新聞に掲載された子どもたちのニュースをお届けします。
目次
土佐女子中生が高知海上保安部で職場体験
(高知新聞 2021 年 10 月 16 日掲載)
高知海上保安部(高知市桟橋通5丁目)で14、15の両日、土佐女子中学校の3年生5人が職場体験を行った。
同校は生徒に働くイメージを持ってもらい、学習意欲を高めようと県内60カ所で職場体験を実施。同保安部では全長約90メートルの巡視船「とさ」に乗り込み、機関室や操船の指揮所などを見学した。
14日は船舶事故を想定した救出訓練も行われ、西森清美さん(15)は「私たちの知らないところで(訓練など)努力を重ねる姿に感動した。将来は災害について学びたい」と話していた。
海上保安庁は女性職員の採用を積極化しているものの、同保安部の職員110人中、女性は2人。この日は同保安部職員が妊婦がゆとりを持って着られるマタニティー制服の導入といった取り組みを紹介し、「女性が働きやすい環境づくりを進めている。将来の選択肢に加えてほしい」とPRしていた。(坂本出)
児童に高校の魅力PR 高知県立3校、南国市国府小で早くも進路説明
(高知新聞 2021 年 10 月 17 日掲載)
南国市国分の国府小学校でこのほど、6年生16人を対象に高校進路説明会が開かれた。市内の高知県立3高校の校長が学校生活や特色を紹介し、「将来の選択の一つに」と呼び掛けた。
国府小がキャリア教育の一環で企画。市教委によると、市内の小学校で高校説明会を行うのは初めてという。
11日は高知農業、高知東工業、岡豊の3高校が参加。岡豊高の葛目憲昭校長は、生徒数が840人と県立高最多で、713人が何らかの部活動を行っていると説明。「日本一は通算39回。県内一、日本一に挑戦しよう」と語り掛けた。
高知東工業高の橋本浩校長は、生徒手作りのスマートフォンスタンドをプレゼントし、プログラミング教育に力を入れていることをアピール。高知農業高の橋田正人校長は、畜産総合や食品ビジネスなどの6学科を紹介。「豚には乳が10個以上。その数だけ子どもが生まれます」などと解説した。
児童は「鶏を高校でさばいているなんてびっくり」「部活がいっぱいあって楽しそう」と、高校生活に興味津々の様子。国府小の今城純子校長は「子どもたちの視野や夢も広がる。今後も続けていきたい」と話していた。(横田宰成)
十川中学生が特製グラタン考案 カボチャ入り、道の駅で販売 高知県四万十町
(高知新聞 2021 年 10 月 18 日掲載)
高岡郡四万十町の十川中学校の生徒が、十和地域のカボチャを使ったメニュー「恋するのぼりんグラタン」を考案し、道の駅四万十とおわ(同町十和川口)の食堂で販売されている。31日までの期間限定で、木曜定休。
全校27人の同校は、授業の中で地域活性化策の提案などに取り組んでいる。メニューを開発したのは3年生5人のグループで、6月から下調べや道の駅スタッフとの試作など、開発を進めてきた。
今回お目見えしたグラタンは「カボチャがごろっと入り、ハロウィーンの時季にも合う」と、50以上のアイデアから選ばれた力作。同町昭和の轟味噌(とどろみそ)を隠し味に使って特製ホワイトソースのこくを増し、2012年に同校で作ったゆるキャラ「のぼりん」のイラスト入り小旗を添えた。
メニューを提案した3年、中野カンナさん(14)は大のカボチャ好き。「甘くて濃厚。子どもからお年寄りまで食べられる味」と笑顔でPRしていた。税込み780円。
発売初日の16日は、生徒らが運営する模擬株式会社が道の駅に出店。のぼりんやアメゴの「アメ芝」、タケノコの「たけぽん」の着ぐるみも登場し、全校生徒がTシャツやストラップなど約20種類のグッズをにぎやかに販売した。(小林司)
窪川小が給食にアユ炭火焼き、児童大喜び 高知県四万十町
(高知新聞 2021 年 10 月 18 日掲載)
四万十川の恵みを味わってもらおうと、高岡郡四万十町琴平町の窪川小学校でこのほど、4年生の給食にアユの塩焼きが登場した。炭火で丁寧に焼かれた味わいに児童は大喜びした。
地域の自然や食を知る機会にと、四万十川上流淡水漁協(池田十三生組合長)が3年前から提供。これまでは学校給食センターで調理していたが、今回は県の補助事業で県学校給食会の支援を受け「最高の味わい方を」と校舎前に炭火を持ち込み、竹串に刺して丁寧に焼いた。
12日は4年生34人に町職員らがアユの一生やオスとメスの見分け方、塩焼きの骨の外し方などを教え、焼きたてのアユが1匹ずつ食膳に並べられた。
大薮咲希さん(10)は「アユはちょくちょく給食に出るけど、やっぱり炭火の方がおいしい」と、うれしそうに頬張っていた。(小林司)
より良い地域へ 高知市第六小学校児童が案発表
(高知新聞 2021 年 10 月 19 日掲載)
高知市升形の第六小学校の6年生35人がこのほど、地域をより良くする案を授業で発表した。「これからの第六小を考えるきっかけになった」と話している。
同市はおおむね小学校区単位で、地域の将来像を住民と描くコミュニティ計画作りを進める。第六小校区では、町内会などでつくる「第六ふれあいネットワークの会」を軸に行われており、児童の案も取り込むという。
児童たちは、ネットワークの会による区民運動会や防災キャンプなどの活動を学習。住民が一緒になって芸術作品を作るといった県外の事例も調べて、自分たちの案を練ってきた。
12日の発表ではグループごとに、暮らしやすい町を目指して「地域の人と一緒に避難訓練を」「ポイ捨てのない町を」と元気に呼び掛け。外部講師を務めた「高知のまちづくりを考える会」代表の畠中智子さんから「私はこれができる、という案を足すといい」と助言を受け、熱心にうなずいていた。今後さらに案を練るという。(玉置萌恵)
越知小児童が花植え
(高知新聞 2021 年 10 月 19 日掲載)
全国地域安全運動に合わせ、越知町越知甲の越知小学校の2年生29人がこのほど、同校で地域安全推進員らと花を植えた=写真。
高吾北地区地域安全協会が、花の世話を通じた子どもの健全育成を目的に企画。15日は、パンジーとビオラ約300株を丁寧にプランターに植えていった。黒石琴羽さん(7)は「大事に育てて、きれいで大きな花にしたい」と話していた。
岩原神楽、子どもら舞う 550年の伝統受け継ぎ 高知県大豊町
(高知新聞 2021 年 10 月 20 日掲載)
長岡郡大豊町の岩原神社でこのほど、550年以上の歴史を持つとされる岩原神楽が奉納された。昨年は新型コロナウイルスの影響で中止され、2年ぶりの神楽を見ようと訪れた人たちは、山里に受け継がれてきた伝統芸能を堪能した。
岩原神楽は国の重要無形民俗文化財「土佐の神楽」に含まれ、岩原神社の秋の大祭で奉納される。ただ、人口減と高齢化で担い手不足に陥っており、有志でつくる岩原神楽保存会が移住者らへの継承に取り組んでいる。
15日の奉納では、移住者の子どもら小中学生4人を含む7人が舞い手に。住民ら約30人が見守る中、太鼓やかねの音に合わせて「弓の舞」や両手に盆を持ってアクロバティックに舞う「扁芸(へぎ)の舞」などを力強く演じた。2本の刀を手にしての「双刃(もろは)の舞」で子どもたちは、見せ場のでんぐり返しを見事に成功。観客から歓声が上がった。
初めて舞った岡田楓太君(6)は「緊張したけど楽しかった。もっと上手になって来年もやりたい」と笑顔。保存会の下村尚史会長(37)は「子どもたちがすごく上達していて頼もしい。将来が楽しみ」と目を細めていた。(谷沢丈流)
元保護犬に触れ命の大切さ学ぶ 南国市のこども園
(高知新聞 2021 年 10 月 20 日掲載)
南国市岡豊町の認定こども園「ひまわり」でこのほど、保護犬を通して命の大切さを学ぶ授業があり、年中と年長の105人が飼い主の責任などに理解を深めた。
講師は、愛犬のための料理教室を主宰する水野雪絵さん(53)=高知市。ボランティアで「いのちの授業」を行っている。14日は殺処分された犬の話を優しいタッチのイラストの動画で伝え、最後まで責任を持って飼う必要性を訴えた。
その後は元保護犬を含む犬2匹が登場。園児はなでながら「かわいい~」と歓声を上げたり、「なんで捨てるの?」と不思議がったりしていた。
新型コロナウイルス下でペットを飼い始める人は増えているとされ、水野さんは一方で「捨てられる犬が増えないか心配」。臼井栞ちゃん(6)は「お迎えがこない犬はかわいそうでした。飼う時は大切に育てたい」と話していた。(深田恵衣)
高知市に全国最年少9歳の防災士誕生、片山君「もっと知識増やす」
(高知新聞 2021 年 10 月 21 日掲載)
地域のみんなを守りたい―。高知市大津甲の付属小4年、片山航(こう)君が今春、全国最年少タイの9歳で防災士になった。避難の「避」をはじめ、テキストの読めない漢字は両親に仮名を振ってもらいながらこつこつ学んできた。両親は既に防災士で、姉と祖母も一緒に防災士になり、一家3世代の地域リーダーが誕生した。
日本防災士機構(東京)によると、防災士になるには救急救命講習や認証機関で研修を受け、筆記試験(3択30問)で80%以上を正答することが必要。9月末時点で全国に21万4459人、高知県内に4888人いるが、9歳は片山君を含め全国に4人だけだ。
昨秋、姉で大津小6年の潤さん(11)が防災士への挑戦を始めると、航君も「僕もやるっ」。県の養成講座(2日間で計12時間)に申し込むと、自宅に届いたのは360ページに及ぶ「防災士教本」だった。
火砕流、内水氾濫、雲仙普賢岳…。分厚い教本にはなじみのない用語と地名がずらり。
父の晋也さん(49)と母の佳織さん(43)は6年前から防災士。航君は用語の意味を教わりつつ蛍光ペンを引き、きょうだいで「火砕サージって何?」と問題を出し合って理解を深めた。
「特に、公的機関や企業の災害対策(のカリキュラム)が難しかった」。災害対策基本法の概要や罹災(りさい)証明の発行など、何度も読み返して習得。昨年12月に講座を受け終え、最初の筆記試験は不合格だったが、2カ月後に受け直して合格。今年4月に認定された。
高知に誕生した9歳の防災リーダー。「友達にも防災を伝え、一緒に勉強したい。もっと知識を増やしたい」と意気込んでいる。(村上和陽)
避難道を明るく 高知県宿毛市・片島中生が整備
(高知新聞 2021 年 10 月 21 日掲載)
宿毛市の片島中学校の3年生約15人がこのほど、地区の避難道を清掃し、夜間も見やすいよう蛍光塗料で目印を付けるなどした=写真。生徒は「地域の人のためになればうれしい」と話している。
各学年で取り組んでいる防災学習の一環。3年生55人は地域住民に防災上の課題を聞き取った上で、班ごとに避難所の備蓄状況のまとめや防災グッズを紹介する動画、キャラクター作成などに取り組んでいる。
このうち避難道整備に取り組む班は15日、地区内2カ所の避難道で草刈りを行った。落ち葉も掃いてきれいにし、夜間でも経路が分かるよう、避難道の階段に青色の蛍光塗料で矢印を書いた。
住田太智さん(14)は「避難道は掃除をせんと、雑草や落ち葉でどんどん汚くなる。月に1回ばあでも、誰かがやる仕組みがあればえいと思う」と話していた。
他の班が作成する動画などは、同校ホームページに設けた防災サイトで年末ごろまでに公開する予定。(新妻亮太)
児童らがARゲーム体験 中村青年会議所がイベント
(高知新聞 2021 年 10 月 21 日掲載)
地方の子どもたちにも最新の技術を体感してもらおうと、中村青年会議所はこのほど、拡張現実(AR)を活用したゲームの体験イベントを四万十市内で開いた=写真。
中心街の活性化も兼ね、商店街のレシートを参加券として17日に開催。腕の動きを感知する機器とゴーグルを装着した子どもたちは、画面内に現れるモンスターに腕を突き出して火の玉を発射した。中村小学校1年、川村晴琉君(6)は「(画面内の配置物が)本当にあるみたいでびっくりした」と笑顔だった。