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【つむサポ講座・参加団体】黒潮町・くろしおっこなかまの会|発達の気になる子どもを育てる保護者が交流しています

【つむサポ講座・参加団体】黒潮町・くろしおっこなかまの会|発達の気になる子どもを育てる保護者が交流しています

高知の新しい子育て支援「みんなでつむサポ」。講座を企画している皆さんを紹介します

妊娠期からの切れ目ない子育て支援を目指す高知県の施策「高知県版ネウボラ」に 2021 年度、「みんなでつむサポ」という新しい取り組みが加わりました。高知県内で子育て講座を企画する団体をつなぐことで、気軽に子育て相談や交流ができる場を地域に増やしていこうと、8 団体・個人が活動しています。

この記事では「くろしおっこなかまの会」の活動を紹介します。幡多郡黒潮町内で発達の気になる子どもを育てる保護者が交流するサークルです。レクリエーションなどでできたつながりを大切にしながら、発達障害について情報交換を行っています。

医療、療育が限られる幡多地域。診断に限らず、発達障害について話せる場を

「くろしおっこなかまの会」は「発達の気になる子どもを育てる保護者が集まり、話せる場をつくろう」と、保護者 5 人が 2015 年に始めました。現在は保護者 13 人と子ども 22 人が参加。子どもたちの年齢は 3~12 歳で、発達障害の診断が付いている子、付いていない子、きょうだいなどさまざまです。

活動を始めた背景には、幡多地域では発達障害に関する医療や療育が限られているという現状がありました。会長の田中比奈子さんは「発達の気になる子どもの親は情報を手に入れ、必要な支援を選択することを自分で頑張らないといけないんです」と話します。

レクリエーションを楽しむ子どもたち(写真は「くろしおっこなかまの会」の提供です)
レクリエーションを楽しむ子どもたち(写真は「くろしおっこなかまの会」の提供です)

田中さんには小学 4 年生の長男がいて、「自閉スペクトラム症」(自閉症スペクトラム)と診断されています。くろしおっこには 16 年に入会しました。

長男は 2 歳で診断を受けましたが、「生後 6 カ月ぐらいからそうじゃないかなと思っていました」。寝ない、目が合わない、抱っこさせてくれない、ベビーカーに乗らない、回る物に強く興味を持つ…。気になるところがたくさんあっても、小児科では「もう少し成長しないと分からない」と言われました。

診断後は療育が始まりますが、高知県立療育福祉センターをはじめ、受けられる場所は高知市など中央部に集中しています。幡多地域から高知市に通うには車で 2 時間以上。さらに、受けられる療育の多くが平日です。

「どの先生がいい?幡多から高知市にどうやって通ってる?仕事との両立はどうしている?先輩のお母さん方に教えてもらいたいことがたくさんありました。情報収集が本当に大事ですが、自分でできない人もいます」と田中さん。「診断が付いてないけれど、『気になる』『育てにくい』と困っている保護者ももっといるのではないかと思います」

遠足、シーカヤック、お菓子作り…参加してもしなくてもOK!

くろしおっこの活動はレクリエーションが中心。遠足、スポーツ、料理やお菓子作りなどを行ってきました。

活動にはボランティアさんも参加。子育てが終わった世代の人が中心です。ボランティアさんに子どもを見てもらっている間に、悩みを相談し合い、専門家に話を聞く機会をつくっています。

活動のモットーは「好きな活動に、好きな時間、タイミングで入っていい」。集まって何かをする際に出入りは自由。「『外に行く時は教えてね』とだけ伝えています。ボランティアさんと 1 時間散歩する子もいますよ」

「『これをやって』ではなく、『あなたはどうしたい?』と聞くことを大事にしている」と田中さんは話します。

シーカヤック体験では子どもたちの個性が垣間見られました。シーカヤックをする子、シーカヤックに乗って海に出たものの、こぐのはボランティアさんに任せて海を眺める子、シーカヤックには興味を示さず、ひたすら泳ぐ子…。

「みんなで集まって同じことをするのではなくて、みんなが同じ場にいるけれど、それぞれが好きなことをしているという感じです。それが楽しさや居心地のよさにつながっていけばいいなと思っています」

「子どもは成長する」「肩の力を抜いて大丈夫」と伝えたい

「発達障害の子どもを育てる親には負い目がある」と田中さんは話します。「周りの人に『ご迷惑をお掛けしてすみません』『ごめんなさい』と謝る毎日。『この子の将来のために、親ができることを最大限していかないと…』と頑張り過ぎているところもあります」

そんな保護者たちに伝えたいのが「子どもは成長する」ということ。「話を聞かずに走り回っている子が、この先ずっと走り回るわけじゃない。その子のスピードで成長して、座って話が聞けるようになるんです」

くろしおっこでは大きい声を上げても、走り回ってもOK。ボランティアさんや他の親が見守ってくれます。「ゆるっとした雰囲気の中で『肩の力を抜いても大丈夫』『人に任せても大丈夫』ということに気付いてもらえたらと思っています」

先日、ある子どもからうれしい反応がありました。「くろしおっこに来ても何も参加しない子に『今度くろしおっこ、いつ?』と聞かれたんです。楽しみにしてくれてるんだなと感じました」

人の輪に入れなかった子が活動に加わったり、ボランティアさんの膝の上に座りに行ったり。そんな変化を見逃さず、喜び合っていける場にもなっています。

「小学校、中学校、高校と進む中で、子育ての悩みも、子どものために必要な対応も変わります。小さい頃からの親同士の交流は本当に大事だと思います」と田中さん。保護者同士でつながり、地域の人に見守られながら、親も子もリラックスして楽しめる。そんな活動を続けていきます。

 

「くろしおっこなかまの会」は不定期で活動しています。対象は黒潮町内で暮らす親子で、小学生まで参加できます。事務局の黒潮町社会福祉協議会に問い合わせてください。

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

小 3 と年長児の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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