「予防接種、安心して受けて」。新型コロナウイルスで小児科医が呼び掛け
ワクチンで予防できる病気(VPD)の啓発に取り組むNPO法人のインターネット調査で、新型コロナウイルスの影響で子どもの予防接種を延期した保護者が 33 %だったことが分かりました。「感染が怖い」「外出自粛をした」などが主な理由で、「延期をしてまだ接種していない」という人もいるそうです。
感染拡大中は「不要不急の外出は控えてください」と何度も呼び掛けられていましたが、子どもの予防接種は「『不要不急』には入らない」とのこと。日本小児科学会も子どもの命を守るため、「新型コロナウイルス感染症流行下でも、なるべく予定どおりに予防接種を継続していくことが非常に重要と考えます」との見解を発表しています。心配な場合はかかりつけの先生に質問してみてください。
子どもの予防接種33%が延期 コロナ影響「感染怖い」「自粛」
(高知新聞 2020 年 7 月 7 日朝刊より)
新型コロナウイルスの感染拡大で、「感染が怖い」「外出自粛をした」などを理由に、子どもの予防接種を延期した保護者が33%だったことが、NPO法人「VPDを知って、子どもを守ろうの会」(東京)の調査で6日、分かった。同会は「『予防接種は不要不急でない』との情報が保護者に十分に届いていない。接種遅れや未接種につながる恐れがある」として、接種を控えないよう呼び掛けている。調査は5~6月、インターネット上で、高校生までの子どもを持つ保護者を対象に実施。1089人から回答を得た。
外出を自粛していた期間中に予防接種を予定していた人のうち「接種した」は67%だった。一方、「延期したが接種した」17%、「延期してまだ接種していない」16%と、合わせて30%以上が延期していた。
延期理由(複数回答)は、「コロナウイルスの感染が怖かった」68%が最も多く、「緊急事態宣言後、外出自粛をしていた」49%、「接種時期が多少遅れても問題ないと思った」43%と続いた。「予防接種は不要不急でない」と知っていた保護者のうち、延期したのは29%だったのに対し、知らない保護者では50%に上った。
小児科医で同会の菅谷明則理事長は「一般の診療と予防接種の時間帯を分けるなど、小児科は安全対策を取っているので安心して受けてほしい」としている。