週刊高知の子どもニュース 2020年7月26日~8月1日
高知県内の多くの学校でようやく夏休みが始まりました。今年は休校があり、いつもの年とは違う 1 学期になりましたが、子どもたちは地域住民と浜辺を清掃したり、校区の防災地図を完成させたり、新しい道路に寄せ書きしたりと、元気に締めくくりました。
2020 年 7 月 26 日 ~ 8 月 1 日の子どもたちのニュースを、高知新聞の紙面からお届けします。
目次
- 川の水難防止へ 親子で救助法学ぶ 四万十市
- 海上をすいすい 児童カヌー体験 須崎市
- 佐賀小学校の児童企画で浜辺清掃 地域交流深める
- 鴨田小校区の防災地図が完成 児童が住民に寄贈 高知市
- アメリカ在住児童とウェブ交流 土佐市・波介小4、5年生
- 児童が手紙の書き方学ぶ 四万十町影野小で日本郵便出前授業
- 子どもに花火ある夏を 南国市の祭り運営委20施設1600袋贈る
- 笑顔とあいさつで防犯 南郷小で生活安全発表会 黒潮町
- 高知南国道路に寄せ書き 高須小児童90人が見学
- アユの手応えビビビッ! 四万十市の大用小中生が漁体験
- 「戦争には一生反対」 91歳女性 空襲体験語る 佐川町の黒岩小
- ウミガメの海守ろう 小中生にエコバッグ 春野の塗装会社1040枚寄贈
川の水難防止へ 親子で救助法学ぶ 四万十市
(高知新聞 2020 年 7 月 26 日朝刊より)
川で溺れた時に助かる方法を楽しく学んでもらおうと、四万十市の四万十川でこのほど、「親子水難事故防止教室」が開かれた。
23日、小学1~6年生15人と保護者が参加。児童は水入りペットボトルをロープに結び、縄投げの要領で、5メートルほど先の川中に立つ人の元へと投げ込んだ。最初は足元に落ちたり、目標からかなり遠かったりと悪戦苦闘していたが、「少し川上に向かって投げて」などのアドバイスで、目標に近づけられるようになっていた。
また、ライフジャケットを着用し、あおむけに浮いて川を流れる訓練や、体力を奪われる着衣水泳体験も。カヌーや魚の観察も行った。
中村南小学校1年の永野唯月(いづき)君(7)は「ペットボトルはうまく投げられた。カヌーもできて楽しかった」とうれしそうだった。
国土交通省中村河川国道事務所や中村署などでつくる渡川水系水難事故等防止連絡会が開催した。(平野愛弓)
海上をすいすい 児童カヌー体験 須崎市
(高知新聞 2020 年 7 月 26 日朝刊より)
須崎市浦ノ内湾でこのほど、児童対象の「海の日記念カヌー体験教室」が開かれ、17人が楽しんだ。
NPO法人すさきスポーツクラブが毎年、市立スポーツセンターカヌー場で開催している。
23日は市内の1~5年生が参加。児童はまず、地元のクラブチーム「横浪ブラッシュ」のメンバーに基本的なパドルの使い方を教わり、メンバーと一緒に乗り込み海上へ。「手元でなく、先を見て」などとアドバイスを受け、必死にパドルをこいでいた。
児童は1人乗りカヌーにも挑戦。転覆し、海に投げ出される子どももいたが、慣れてくると水上をすいすい進んでいた。
弟と参加した須崎小学校5年の谷岡宏紀君(10)は「ひっくり返って海水を飲んだ。怖かったけど、自由に動かせるようになると面白い。またやりたい」と笑顔だった。(富尾和方)
佐賀小学校の児童企画で浜辺清掃 地域交流深める
(高知新聞 2020 年 7 月 27 日朝刊より)
幡多郡黒潮町の佐賀小学校6年生12人と地域住民らがこのほど、学校周辺の浜辺を清掃した。住民と面識を深めて“防災力”を上げようと、児童自らが企画した。佐賀小学校は本年度、生活科や総合学習の時間に古里への愛着を深める地域学習に取り組んでいる。
6年生は「佐賀をいい町にするには」をテーマに話し合い。「津波の時、住民の顔を知っていれば助け合える」と、合同の清掃活動を計画した。チラシを作成して店舗に置き、地域放送でも参加を呼び掛けていた。
23日に、住民をはじめ保護者や佐賀中の生徒ら約30人が集まり、児童と協力して塩屋の浜と横浜を清掃。45リットルの袋15枚分のごみを集めた。
大野衣生(いう)さん(11)は「地域の皆さんと一緒に活動して、浜もきれいになって良かった」。学校と地域をつなぐ地域コーディネーターの石井一代さん(56)は「児童の力を借りて、地域との交流企画を増やしたい」と話していた。(今川彩香)
鴨田小校区の防災地図が完成 児童が住民に寄贈 高知市
(高知新聞 2020 年 7 月 28 日朝刊より)
高知市の鴨田小学校の児童が授業で作製に取り組んだ校区の防災マップが完成し27日、地域住民に贈った。避難場所や井戸、防災倉庫の場所を色やマークで記し、シンプルで見やすく仕上げている。町内会を通じ全約6千戸に配布される。
6年生約140人が昨年度、「総合的な学習の時間」を使って取り組んだ。住民と一緒に地域内を歩き、危険箇所などを教えてもらいながら調査を進めた。
3月末に完成した地図はA3判の2倍の大きさ。裏面には視覚的に分かりやすいよう、避難場所や井戸の写真も載せた。
この日は鴨田小学校で贈呈式が行われた。児童代表の掛水結衣さん(11)が「地震や豪雨の時に役立ててほしい。一人でも多くの命を救えたら」とあいさつし、出席した住民3人に地図を手渡した。
これまで校区全体を一覧できる防災マップはなかったという。鴨田校区連合防災会の岡田達明会長(85)は「マップをきっかけに地域の防災意識が高まれば」と話し、児童に感謝状を贈った。(石丸静香)
アメリカ在住児童とウェブ交流 土佐市・波介小4、5年生
(高知新聞 2020 年 7 月 28 日朝刊より)
夏の帰省“留学”かなわず
土佐市波介の波介小学校の4、5年生16人が27日、米ペンシルベニア州在住の女子児童とオンライン会議アプリ「Zoom(ズーム)」を通じて交流した。
今村珠綺さん(10)は母親が土佐市波介地区出身で、毎夏、帰省した際には波介小学校に1カ月程度“留学”。児童らと一緒に授業も受けていたが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で帰省できなかった。
児童らは「コロナで自粛中は何をしていましたか」などと質問。今村さんは「テレビを見てた。こっちは(1日で)7万人くらい感染しています」と答えていた。
質問後、体操を習っている今村さんが後転を披露。児童らは大きな拍手を送り、「また来年来てね」と呼び掛けていた。(山崎友裕)
児童が手紙の書き方学ぶ 四万十町影野小で日本郵便出前授業
(高知新聞 2020 年 7 月 29 日朝刊より)
日本郵便四国支社(松山市)の社員による「手紙の書き方教室」が28日、高岡郡四万十町の影野小学校で開かれた。1、2年生8人が実際に暑中見舞いを書いて、手紙の楽しさに触れた。
手紙離れを食い止めようと、日本郵便が全国各地の小中学校で開いている。昨年は四国4県で計5回にとどまったが、今年は取り組みを強化する方針。各学校に案内文書を送付したり、郵便局員が訪問したりしており、影野小学校が希望して高知県内では今年初の開催となった。
日本郵便四国支社の2人が先生役となり、郵便物を出してから相手に届くまでの流れや、宛名の書き方などを説明。児童らはあらかじめ考えておいた相手に向け、はがきに「元気にすごしてください」「コロナにきをつけて」といったメッセージを書いた。スイカやクワガタなどの絵も添えて、学校近くのポストに投函(とうかん)した。
児童らは「ちょっと難しいけど、頑張って手紙を書いてみんなに送りたい」「手紙を出して返事が来たらうれしい」などと話していた。(井上太郎)
子どもに花火ある夏を 南国市の祭り運営委20施設1600袋贈る
(高知新聞 2020 年 7 月 29 日朝刊より)
新型コロナウイルスの影響で各地の花火大会が中止になる中、南国市の「土佐のまほろば祭り」の運営委員会(甲藤雄司委員長)が28日、市内の教育・保育施設へ手持ち花火のプレゼントを始めた。
「まほろば祭り」は1万人近い人出でにぎわう夏の風物詩で、約2千発の打ち上げ花火が目玉の一つ。今年はコロナ禍で中止となり、運営委は楽しみにしていた子どもたちを元気づけようと、市内20施設に1600袋(1袋13本入り)の手持ち花火を贈ることにした。
この日は、運営委や南国市の担当者らが南国市立たちばな幼稚園(宍崎)を訪れ、園児20人に子ども用の煙の少ない花火66袋をプレゼントした。園児らは「家族でやりたい」と大喜び。宮崎啓子園長(53)は「ちょうちん作りなどで参加している『まほろば祭り』がなくなって残念がっていたところ。子どもたちの良い思い出になります」と感謝していた。
運営委メンバーで、祭りの打ち上げも担当してきた高村火薬店(高知市)の高村俊寛さん(41)は「少しでも身近に花火がある夏をすごしてほしい」と話していた。(横田宰成)
笑顔とあいさつで防犯 南郷小で生活安全発表会 黒潮町
(高知新聞 2020 年 7 月 29 日朝刊より)
黒潮町浮鞭の南郷小学校でこのほど、安全教育に関する研究発表会が開かれた。地域の防犯活動に詳しい安全インストラクター、武田信彦さん(43)=東京都=が講演し、児童や保護者、地元住民ら約100人が耳を傾けた。
同校は県の安全教育推進事業の推進校。講演前には、学年ごとに道路の安全な歩き方や災害時の避難所運営などについて学ぶ公開授業が行われた。3、4年生は校舎周辺で街灯が無かったり、見晴らしが悪かったりする場所をマップにまとめて発表した。
武田さんは講演で、犯罪に巻き込まれないための手だてを児童に指導。「周りをよく見て、聞いて。『助けて』を発信するために、防犯ブザーは常に持っていて」などと話した。
また保護者らには「悪い人を見つけるのが防犯ではなく、子どもを見守るのが防犯。笑顔であいさつをするなど、地域交流があることを悪い人は嫌がります」と呼び掛けた。
6年生の村上潤弥君(11)は、「ブザーをちゃんと持っておこうと思った。知らない人と関わる時には距離を空けるように気を付けたい」と話していた。(今川彩香)
高知南国道路に寄せ書き 高須小児童90人が見学
(高知新聞 2020 年 7 月 30 日朝刊より)
年明けの全線開通を目指して整備が進む自動車専用道路・高知南国道路(全長15キロ)の高知中央インターチェンジ(IC=高知市高須砂地)付近で29日、地元の高須小学校6年生約90人を招いたイベントが開かれ、児童らが「広い」「気持ちいい」と歓声を上げた。
地元を走る道路や建設業に興味を持ってもらおうと、国土交通省土佐国道事務所と、工事を請け負う建設業者が合同で企画した。
児童らは、IC入り口から歩いて本線に進入し、まだアスファルトを敷いていない白いコンクリートの地面にチョークで寄せ書き。「長い年月をかけて高速道路をつくってくれてありがとう」などとメッセージを書いた。
近くの空き地で、高所作業車への乗車も体験。「揺らさんとってよ」などとはしゃぎながら、高さ40メートルからの景色を満喫した。
6年の深田真央さんは「作業車は上がっていくたびにどんどん景色が広くなっていって気持ち良かった。工事する人は怖がらずに作業していてすごいと思った」と話していた。(深田恵衣)
アユの手応えビビビッ! 四万十市の大用小中生が漁体験
(高知新聞 2020 年 7 月 30 日朝刊より)
アユの手応えビビビッ―。四万十市大用の大用小中学校の児童生徒42人が29日、近くの後川でアユのしゃくり漁やつかみ取りに挑戦した。
しゃくり漁は「返し」のない釣り針でアユを引っ掛けて捕まえる伝統漁法。四万十川中央漁協の協力で毎年、授業の一環として体験している。
四万十川中央漁協が約450匹(約30キロ)を用意。しゃくり漁用に、網で囲んで作った“いけす”へ350匹ほどを放った。
児童生徒は群れて固まるアユを箱眼鏡でのぞきながら、竹ざおをくいっ。引っ掛かったアユがビビビッとさおを震わせると、「捕れた!」と歓声を上げた。捕ったアユはその場で塩焼きにして食べた。小学低学年は約100匹を相手につかみ取りを楽しんだ。
大用中1年の宮崎小姫(さき)さん(13)は「掛かったとき、さおがブルブルっと震えるのが面白い。アユは軟らかくておいしかった」と満足げだった。(平野愛弓)
「戦争には一生反対」 91歳女性 空襲体験語る 佐川町の黒岩小
(高知新聞 2020 年 7 月 31 日朝刊より)
1945年の高知大空襲を経験した高岡郡佐川町甲の久川千代子さん(91)が29日、同町の黒岩小学校で当時の体験を語った。全校児童46人に空襲の恐怖や惨状を伝え、平和の大切さを訴えた。
元小学校教員の久川さんは、現役時代から教え子たちに空襲の話をしてきた。退職後も語り部活動を続け、これまでに60回以上、同町や近隣自治体で経験を伝えている。
空襲があった45年7月4日当時、高坂高等女学校に通っていた久川さんは、高知市本町2丁目の寺で姉と下宿をしていた。
久川さんは、「爆弾が雨あられと降ってきて。自分めがけて焼夷(しょうい)弾が向かってくるのが見えた」と、空襲の様子を生々しく説明。必死に防空壕(ごう)へ飛び込んだが次第に中に煙が充満し、最後は意識を失ったという。気が付いたときには「周りの建物は何もなく、死体があちこちに転がっていた」と、自ら描いた絵を見せながら惨状を振り返った。
久川さんは立ったまま45分間、マイクを使わず語りかけた。よく通る声で身ぶり手ぶりも交えて、当時の軍国主義教育についても語った。最後は「一生戦争反対と言い続けたい。命が続く限り語り部をしていく」と決意を述べた。
6年の藤原優愛さん(12)は「戦争の怖さや亡くなった人たちの思いを感じられた。戦争の起こらない平和な世界になってほしい」と話していた。(楠瀬健太)
ウミガメの海守ろう 小中生にエコバッグ 春野の塗装会社1040枚寄贈
(高知新聞 2020 年 7 月 31 日朝刊より)
ウミガメの保護活動に取り組んでいる高知市の春野東小と春野西小、春野中の3校に地元の和泉塗装(高知市春野町弘岡中)が30日、エコバッグ計1040枚を贈った。
春野東小と春野西小は、2002年ごろから戸原海岸などでウミガメの卵を採卵し、校内のふ化場でふ化させて放流する保護活動を続けている。
この日は春野東小の4年生の教室で杉村知之校長が「ウミガメの敵はなんだろう?」と題した授業を行い、ウミガメがビニール袋を食べて死んでしまう事例を紹介。7月から始まったレジ袋の有料化にも触れた。
授業後、同社の和泉潤社長が「ビニール袋を減らす意識を持って、これからもウミガメや春野の海を大切にしてほしい」と呼び掛け、ウミガメのキャラクターがプリントされたエコバッグを手渡した。
春野東小4年の谷村勇歩(はやと)君(9)は「ウミガメを守るためにも、このエコバッグをずっと使っていきたい」と笑顔で話していた。(乙井康弘)