理解できない「こだわり」「ルーティン」「癖」は直すべき?|高知市子育て支援センターいるかひろば・土居寿美子さんコラム「こころのとびら・58」
子育ての悩みに寄り添ってきた「いるかひろば」の土居寿美子さんが子どもへの関わり方を紹介します
子育てで困った時、悩んだ時、相談に乗ってくれるのが地域子育て支援センターです。
コラム「こころのとびら」は、高知市の地域子育て支援センター「いるかひろば」を運営するNPO法人の理事長・土居寿美子さんが執筆。たくさんの親子に寄り添ってきた経験から、わが子への関わり方を紹介します。
夫の「こだわり」に対応してきた土居さん。一緒に過ごしていると、理解できない「ルーティン」や「癖」にも気づきました。そばで見ていると、ちょっとおかしな、恥ずかしい行動…これって、直すべき?
コラム「こころのとびら」はこちらから

こだわりからルーティンが生まれ、ルーティンからこだわりが生まれます
前回のコラムでは夫の「こだわり」について紹介しました。
私が気持ちを切り替えて関わりを続けることで、夫のイライラは減り、夫婦間での小競り合いも少なくなりました。
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この「こだわり」にひも付いているのが「ルーティン」だと思います。
ルーティンとは決められた動作を繰り返し行うことです。こだわりからルーティンが生まれますし、ルーティンを絶対に行おうとすることがこだわりにもなりますね。
「朝食はみんなで食べる」は「絶対守るべきこと」となりました
夫にはルーティンを生み出すこだわりもたくさんありました。
わが家では「朝食はみんなで食べる」という決まりがありました。
息子たちが成長して中学生になると、夫の帰宅時間、私の帰宅時間、息子たちの帰宅時間がばらばらになりました。
夕食をみんなで食べるのは難しくなりましたし、朝食も息子たちに部活の朝練が入ると難しくなりました。
そこで、夫が提案したのが「朝食だけでもみんなで食べよう」です。
提案自体は家族にとってとてもいいことなのですが、そこはこだわりの強い夫。融通は利きません。「朝食をみんなで食べる」は「絶対守るべきこと」となりました。
家族のスケジュールに合わせると、朝食は 6 時半となりました。私は「早いな」と思いつつ、時間を逆算し、家事や朝の支度がうまく回るように早起きを始めました。
息子たちが大人になり、わが家から巣立っても、私の早起きは続きました。最初はつらかったのですが、早起きをする方が都合のいい生活になったんですね。
今では目覚ましがなくても、起きたい時間に起きられるようになりました。
暑い日も寒い日も雨の日も散歩に行きます
夫には、早起きに付随して散歩というルーティンがあります。毎朝目覚めると、散歩に出ます。
台風などでよっぽどの大荒れのお天気でない限り、暑い日も寒い日も雨の日も、決まった時間に決まった場所を歩きます。
見ていると、起床時間や散歩の時間は平日と休日で異なります。何か思いがあるのでしょう。
私は「雨の日にわざわざ散歩に行かなくても…」と思いますが、夫はこのルーティンをしないと、すっきりしないようです。
夫は散歩中にも不思議な行動を取ります。歩いていると、突然引き返し、また前を向いて歩きだすということをします。時折、歩きながら蹴るようなしぐさもします。
どうやら無意識での行動のようですが、そばで見ていると奇妙に映ります。私から見れば「おかしな行動」です。
最初は「なんでそんな行動をするの?」「恥ずかしいからやめて」と止めていましたが、しばらくしてこう考えるようになりました。
「私にとってはおかしな行動だけど、引き返したところで、誰かに迷惑をかけているわけではないし…」
今は夫が引き返しても、蹴るようなしぐさをしても、スルーしています。
その行動、周囲に迷惑をかけてますか?
散歩中に夫が見せる不思議な行動は、「癖」とも言えるでしょう。
こだわり、ルーティン、癖は、はっきりと区別できるものではありません。そして、それを止めるかどうかは「他の人に迷惑をかけているかどうか」で判断するものだと思います。
私を主語に考えると、「恥ずかしいから、その行動をやめて」となりますが、夫を主語に考えると、「この行動をすると、すっきりする。気持ちが落ち着く」となります。
本人の気持ちがすっきりして落ち着き、周囲にも迷惑をかけていない行動ならば、私が無理に止める必要はありませんよね。
夫婦間でかみ合わないことがあった時、譲歩できるところは譲歩する。困っている時は「その行動で困っている」と伝え、相手の困りごとで補えるところは補う。そのやり取りがコミュニケーションだと思います。
子育てにおいては「親の都合で子どもの行動を縛らない」ということにもつながる話かなとも思います。
子どもも親も、それぞれが自分の思いを出し合いながら、補い合いながら生活をしていく。
困った時には「困っている」と発信する。
相手の「困っている」という発信をキャッチする。
こうした積み重ねを経て、家族は安全な居場所となっていくのではないでしょうか。
家庭が「本音を言える場所」となれるよう、「しんどい気持ちを吐き出せる場所」となれるよう、ちょっと意識をしながら日々を過ごしています。
土居さんに相談したい場合は、「いるかひろば」に問い合わせをしてください。
- 住所:高知県高知市六泉寺町22 港孕保育園内
- 電話:088-834-1484
- 利用時間:月~金曜 9:30~12:00、12:30~15:30 日 、土曜日(月 2~3 回)9:30 ~ 12:00
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この記事の著者
土居寿美子
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