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寝ない、落ち着きがない…毎日困っていませんか?|「発達障害を知ろう」④子育ての困りごとと発達との関係

寝ない、落ち着きがない…毎日困っていませんか?|「発達障害を知ろう」④子育ての困りごとと発達との関係

子育ての困りごとは子どもの発達と関係しています。香南市の保健師・竹村和花さんに聞きました

シリーズ「発達障害を知ろう」では、子育てで気になる子どもの成長や発達について、高知県内の専門家にインタビューしています。この記事では、子育ての困りごとと子どもの発達との関係について紹介します。

子育てをしていると、子どもの行動を疑問に思ったり、悩んだりすることがあります。なかなか寝てくれない、落ち着きがない、言葉が少ないといった困りごとを抱えながら、「こんなことで相談していいの?」と迷っている人もいるのではないでしょうか。

困りごとを発達の面から捉えると、子どもに合った接し方や環境の整え方が見えてくるそうです。香南市で子育て支援に携わる保健師・竹村和花さんに聞きました。

 

「発達障害を知ろう」はこちらから

保健師さんの役割は?

竹村さんは香南市の保健師です。これまで健康対策課で乳幼児健診の態勢づくりなどに取り組んできました。現在は福祉事務所で子育て支援に携わっています。

 

そもそも「保健師」とはどういう仕事なのでしょうか?

保健師は看護師、助産師と並ぶ看護職です。保健師は看護師の免許と、保健師の免許を持っています。「保健師助産師看護師法」という法律に基づいて公衆衛生を担い、行政や企業、学校、病院などで働いています。

「ゆりかごから墓場まで」と聞いたことはありませんか?社会保障の充実を表す言葉で、「保健師の仕事も『ゆりかごから墓場まで』と言われます」と竹村さん。「赤ちゃんからお年寄りまで、障害や病気の有無にかかわらず、市民の健康や生活に関する相談・支援を行い、病気を予防するなど、心身ともに、より健康的な暮らしをサポートする仕事です」

市町村では、実際の仕事は「母子保健」「成人保健」「障害者」「高齢者」というふうに担当が細分化されています。子育て支援を担う保健師は、母子保健を担当する部署に主に配置されています。

 

市町村の子育て支援は、母子保健を担当する課が窓口で、保健師が配置されています

 

それでは、子育ての困りごとについて見ていきましょう。

子育ての困りごとを見る視点を変えてみましょう

毎日の子育ての中で、例えば次のような悩みを抱えていませんか?

・なかなか寝てくれない

・強い偏食がある

・落ち着きがない

・遊びが目移りする

・泣き始めると、なかなか泣きやまない

・大きな音、光などの刺激が苦手

・体の動かし方がぎこちない

・抱っこした時に反り返る

・歩き始めがゆっくり

・同年齢の子どもと遊ばない

・視線が合いにくい

・同年齢の子より幼く感じる

・指さしをしない

・言葉が少ない

 

項目は高知県と、高知県立療育福祉センター内にある「高知ギルバーグ発達神経精神医学センター」が作ったリーフレットから紹介しました。

「なかなか寝てくれない」「なかなか泣きやまない」という“子育てあるある”もあれば、「指さしをしない」「言葉が少ない」など、ちょっと気になる項目もあります。

「どうして寝てくれないの」「どうしたら泣きやんでくれるの」と悩んで、いろいろやってみてもうまくいかず、気分が落ち込むというお父さん、お母さんもいるかもしれません。ここで考えたいのが子どもの発達との関係です。

先ほど挙げた項目を、子どもの発達という視点から分類したのがこちらです。「睡眠」「落ち着き」「感情」など九つに分かれていて、子どものどの部分に特徴が出ているのかが見えてきます。

【睡眠】なかなか寝てくれない

【落ち着き】落ち着きがない、遊びが目移りする

【感情】泣き始めると、なかなか泣きやまない

【食事】強い偏食がある

【感覚】大きな音、光などの刺激が苦手、抱っこした時に反り返る

【運動】体の動かし方がぎこちない、抱っこした時に反り返る、歩き始めがゆっくり

【社会性】同年齢の子どもと遊ばない、視線が合いにくい、抱っこした時に反り返る、指さしをしない

【コミュニケーション】指さしをしない、言葉が少ない

【遊び】同年齢の子より幼く感じる、歩き始めがゆっくり

 

例えば、「抱っこした時に反り返る」は「運動」「感覚」「社会性」の三つにまたがっています。子どもが抱っこを極端に嫌がる時、運動機能の面からしがみつくのが苦手なのか、体を触られる感覚が苦手なのか、誰かと関わることが苦手なのか、発達の視点から考えると、理由が見えてきます。

子どものタイプを知ると、育てやすくなります

子育ての困りごとを発達から見ることで、「子どものタイプが分かる」と竹村さんは説明します。「子どものタイプが分かると、子どもに合わせた接し方ができるようになります」。子どものタイプや接し方をアドバイスしてくれる専門家の一人が市町村で母子保健を担当している保健師です。

例えば、「泣き始めると、なかなか泣きやまない」という悩み。おむつを替えても、授乳をしても、体温調節しても泣きやまない、泣く理由が分からず途方に暮れる…ということがあります。「相談に来られる方も、困っているけれど相談できない方も、親御さんは皆さん頑張っています」と竹村さんは話します。

保健師は子育ての状況や保護者の気持ちを聞き取り、なぜ泣きやまないのかを考えていきます。「音や光などへの感覚が敏感なのか」「かんしゃくが強いのか」「眠りにくいタイプなのか」など発達との関係も探りながら、子どもの日常の様子や困りごとなども聞いていきます。

何をしても泣きやまず、つらくなった時は「子どもの安全を確保して、少し距離を置いて気持ちを落ち着けるのもいいですし、友達や保健師に電話してもいいんですよ」と竹村さん。「 1 人で頑張らず、誰かを頼る」ことも、子育てをする上で大切なことだそうです。

子どもの発達の仕方は全体的にゆっくりだったり、急にスピードアップしたり、発達の仕方にでこぼこや偏りあったりと、さまざま。子どもの気質や性質(特徴)も親には見えづらい部分なので、専門家としてたくさんの子どもたちに関わってきた保健師さんに聞いてみるのがおすすめです。「話を聞いてもらって楽になった」という声も寄せられています。

 

子どもの発達の仕方や、気質、性質は親から見えづらい部分。気になったら保健師さん聞いてみましょう

 

楽しく子育てができるようにサポートします

発達障害を知ろう②」では、乳幼児健診を「得意なことも苦手なことも引っくるめて、子どもの成長の過程を知る大切な場」と紹介しました。香南市の健診に関わってきた竹村さんも「健診は発達障害を見つける場でもなければ、子育ての仕方を指摘する場でもありません」と話します。

「発達障害という言葉が知られてきて、『発達障害だったらどうしよう』と心配する保護者がいます。『標準=普通』で『標準でなければならない』と受け止める人もいますが、子ども一人一人発達は違っていて、個人差はあるものです」

発達障害や発達が気になる子どもへの支援は「発達障害の支援」に特化したものではなく、大きく「子育て支援」だと考えています。

「発達がゆっくりでも、偏りがあっても、その子のペースで成長していきます。保健師は親御さんと一緒に成長を見守り、楽しく子育てができるようにサポートできたらと思っています。ささいなことでもいいので、気になることがあれば、どんどん質問、相談をしてください」

市町村では「母子保健課」「健康推進課」「健康福祉課」「保健福祉課」といった名前の部署に母子保健の担当窓口があります。母子健康手帳を交付する「子育て世代包括支援センター」でも相談ができます。子育てのパートナーとして、活用してみてください。

 

この記事で紹介したリーフレットはこちら

発達障害を知ろう③」で紹介した高知県立療育福祉センターでも子どもの発達について相談できます。

この記事の著者

門田朋三

門田朋三

6歳と2歳の娘がいます。「仲良し」と「けんか」の繰り返しで毎日にぎやかです。あだなは「ともぞう」。1978年生まれ。

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